この頃になって思い出したことがあり、夢がかりなのでここに追加することにしました。
いつのことなのか、はっきりとは分からないんですが問題のアイドルの彼女に会いにその夢の中に入って行ったような記憶があるのです。
私は自分の姿を見せて彼女に伝えました。「君には生まれ変わってもらいたい・・・」
「え? 私、もう死んじゃうんですか?」彼女はびっくりした様子でした。
「いや、死ぬわけじゃない。君には特別に二つの人生をやってもらうことにしたんだ。今の人生はその人生が終わってからまた、戻って続けてもらう。」
「戻れるんですか? でも、なんでそんなややこしいことするんです?」
「ちょっと事情があって、君には特に大きな幸せを与えたい・・・。それで必要なんだよ。」
彼女はちょっと考えてから、「神様がそう言うんじゃしかたないですね。それでその人生ってどういうものになるんです?」と聞いてきました。
「まあその、無理を頼むのでできるだけ君の希望にあわせるよ。」
「じゃあ、まず、背の高い人がいいです。」
私は混乱した。元々、それがいやで低くしてるのになんでまたそうするんだ?「あの・・・それ、あとでいやがって低いのがいいって思うようになるんだけど・・・高くも低くも無い丁度いい高さにしたら?」
「え? でも今低いから、やっぱり高いのがいいです・・・」彼女は何だ、言う事を聞いてくれると言ったのにこれは聞いてくれないの? とこれだけは譲れないと言う顔で言っていました。私は聞いてあげないわけにはいかなくなりました。
矛盾してる・・・結局、この二つの思いはぐるぐる回り続けてるのか・・・そんな思いでいる私に彼女は自分のこれからなる人の設定を作る画面で注文をつけていった。
「顔はこのままで気に入ってるんで同じ調子でいいです。でもわたし、数字が苦手なんで今度は得意なのにしてください。虫とかが駄目なんで今度は平気なというか、極端に気味が悪いのはのぞいて、だいたい我慢できると言うか、可愛いのは好きというぐらいがいいです。
もう、アイドルはやったんで、今度は一般人でお願いします。でも、まるっきり無いのは寂しいんで、ここでファンだった人たちが来るようなイベントで似たような立場になれたらいいな」
彼女はコミケットで漫画のキャラクターモデルとして知られ、ちょっとしたアイドルみたいな状況になることになった。
「それから、人を一杯助けられて、みんなに愛される人がいいです」
彼女はボランティアや、多くの利他的な社会活動で知られる人となっていった。
彼女の希望をなるべく聞いてるとどうしても、やっぱりけん玉姉になるのでした・・・できるだけいいように変更してあげようと、それで病気になる人生も変わるかもとかいきおいこんで思っていても無意味でした。
彼女はできあがった自分の未来像を嬉しそうにわくわくしてみていました。とてもいいものができたと思ってるようでした。
大体の設定が決まったところで私は彼女に告げました。「それから、この人生で君は私と結婚する事になってるから・・・」
「えー! 神様のお嫁さんになれるんですか? すごーい!」彼女はとても喜んでいました。
「あ、いや、悪いが、人間としての私は全くつまらない存在なんだ。」
「そうなんですか?・・・でも神様なんだから、それ以上のものはないじゃないですか・・・」
「それがとても駄目な男でけっこう、君を困らすんだ。その上、君はまだ四十代で癌にやられることになってる。」
「そんなの、大丈夫でしょ・・・だってあなたがいるんだからなんとでもなるでしょ? 」
その信頼に満ちた感情を受けて私はなぜ彼女がいつも絶対N氏なら最後は何とかすると言っていたのかやっと分かりました。このときのことをなんとなく覚えていてそれで彼女はわたしを心の奥底でずっと神だと思っていたんだと言う事が・・・
でも私は言っていました。「分からないんだ。 全力は尽くすがそれでもどうなるか・・・だから駄目でも、また、今の人生に戻れるようにここで設定してるところなんだよ。」
「・・・で、戻った時の私の記憶はどうなるんです?」彼女は明るく聞いていました。ともかく自分は大丈夫なんだとだけ思ってるようでした。
「今の君の記憶の全てを思い出す。これから過ごす、けん玉姉としての人生についてはうまく運べば思い出すことは無い。しかし、心残りがあったり、失敗した時はそこから両方の記憶をよみがえらせて生きることになる。失敗した分の思いを取り返すためにね。」
「なんだ、それじゃあ、どっちにしても損しないんじゃないですか。」
「しかし、病気で苦しむのが・・・」
「いいですよ。あなたと結婚できるんでしょ? どうせ戻れるんだし、そんならいいですよ。それじゃあ、すぐいきましょうか?」
「まだ、準備してからでいいよ。現世でやりのこしたことの無いように心の準備を・・・」
「そんなのいいですよ。どうせ、戻るんだから。それより早くこれやってみたいです。」
「そうか・・・」
彼女は新しい人生に飛び込んで行きました・・・
ここでのことが、夢だったのか記憶なのか、それとも夢の記憶だということなのか、よく分かりません。ただ、もし、現実に関わるのなら、このあとで、けん玉姉の魂がここに戻っていった事になると思うのです。それが本当に起きているのなら素晴らしい事なのですが・・・