さて、あやしい老健「X」から姑をついに連れ戻せることになった。
次の入所・入院先はまだ決まっていないのが不安ではあるが、それでもここへ預けているよりはよっぽどましである。
11/17午前10時過ぎ。
Nパパと「X」へ行き、事務室へ。
事務長から預けたままにしていた保険証類を返却され、事務室のカウンターの前に誘導された。
「ここはビデオカメラでずっと撮ってますから、ここで話してください」
私たちがまるでクレーマーか不審者扱いである。こちらは正当なことしか言わないつもりなので、そこで話すことも厭わなかった。事務長がまず料金の話を切り出す。
「料金をどのようにしようかということなんですけどね・・・居住費は日額1200円になります」
「『介護保険負担限度額認定証』を使えるのではなかったのですか?入所前に電話でも対面でも『使えます』と言われたではないですか?」
(※2回も「多床室500円が、限度額証で320円になります」と説明されている)
「こちらで預かることが出来ない、と電話で言いました時から、契約は破棄されたことになっています。限度額証での契約はしておりません!」
「こうして、限度額認定証を提出していたではありませんか」
「限度額証は使わなければいけないと言う物ではありません。それに最初に第4段階で入所申し込みをいただいています」
「ええっ???姑は第2段階ですが、なぜ第4段階で申し込みと言うことになるんですか?」
「この申し込み書は第4段階用のものです」
事務長はそう言って私が初日に記入して提出した入所申込書を出して見せた。
しかし、「第4段階」という文言はどこにも入っておらず、単なる利用同意書である。(注:第4段階とは、減額なしの扱いで、一番料金が高くなる。)
「他の方も同じように第4段階で申し込みを頂いています。同じ書類ですよ、ほら!」
と言って事務長はファイリングしてある他の入所者の書類を私に見せつけようとしたが、他の方のを見ても意味ありませんから、と断った。もう、この期に及んで何を言ってるんだって感じ。大体、他の入所者の個人情報が書き込んである書類を見せびらかすなんて違法である。
またしても言った、言わないで押し問答になり、腹を立てた事務長は、「先生を呼んできます」と呼びに行く。
この間、若い女性のケアマネ(初対面)からケアプランやケアの内容など細かく書いた書類を見せられ、確認して署名捺印。
しばらくして男性の老医師が来て、事務室となりの部屋に案内される。
部屋には事務長、ケアマネ、男性介護職員も入ってきた。
事務長は老医師に、私たちに説明をするよう促した。
老医師は、私たちの前でゆっくりと言った。
「お母様は、徘徊、放尿、などがあるため、老健では預かれません。病院に入院が必要です」
「それで、私たちは、入院する病院をさがしました。そして、K病院からそちらに連絡してもらいました。それを、そちらが断って受診させなかったのではありませんか。受診を一度もしないで入院をさせてくれる病院はどこにもありませんよね、先生?」
老医師は、うなずいていた。
老健では預かれないほど認知症の症状が重かったので、料金がたくさんかかるのはしょうがない、という説明をしたかったらしいが、それでは私たちが「K病院にかかりたい」と言ったのにかからせなかったことが矛盾している。
逆に、その後「症状が落ち着いているのでうちで見れます」とまで言っている。つじつまが合わないこと甚だしい。
事務長は医師の説明では私たちをうまく丸め込めなかったので、またまたイラついてきて、再度事務室前のカウンターの「ビデオ撮影している」とかいう場所に私たちを誘導した。
「次に、つなぎ服(拘束服)と洗濯代についてなんですが・・・つなぎの服については、1日500円で貸し出しということにしたいと思います」
これは適正価格なのか私たちにもよくわからないのだが、購入させられるよりは安く済みそうなので、反論することもなかった。
洗濯代については、男性介護職員が洗濯物の表を持ってきた。
表には衣類の種類ごとに洗濯した回数が正の字で記録してあった。
「汚染」という項目は、尿などで汚れた衣類の洗濯のことで、消毒して別に洗濯するらしい。十数回分の記録があった。
事務長はそれを見て、
「これは回数が少なすぎるわ。ほら、他の入所者の座布団とか、持ち物にも放尿して、汚してしまったのもあったでしょ。それらが書いてないんじゃないの!? もう一度洗濯室へ行って調べて来なさい!!」
と怒鳴った。男性介護職員は走って行った。
「とにかく、こんなふうにスカートを上げて、紙パンツを下ろして(身振りをしながら)他の方の部屋やあちこちで、あっちでシャーッ、こっちでシャーッ、て放尿されるんです。何回も何回も!!それに、掃除機にも放尿して、使えなくなってしまったんですよ!!」
こちらが何か言えば、その掃除機の修理費用とか、言い出す勢いだったので、私たちは黙って聞いていた。しかし放尿のモノマネまでして見せるとは・・・腹が立つのを通り越してお笑い種である。
また、洗濯は初めに「汚染」になってしまった衣類以外は自宅での洗濯をすると申し出ていたのに、途中から全部の衣類が施設での洗濯に変えられていた。
11/7に私が洗濯物を取りに行った際、汚れ物が見当たらないので女性職員に聞いたら、「尿で汚されることが頻繁なので、今のところすべて汚染になって施設洗濯になっている。尿以外で汚れた物があれば、置いておきますので持ち帰ってください」と説明された。
汚染以外の施設洗濯は申し出ていないのでおかしい、と言ったのだが、洗濯室の表を見に行った男性介護職員が帰ってきて、
「前の表が破られていて、もうわかりません」
と言った。どうやらこの職員は私たちの味方になって、事務長の暴走を少し止めてくれたようだ。怪訝そうな顔をしている事務長に私は言った。
「請求額が適正かどうかは広島市のほうにまだ調べてもらうことになっているので、料金の件についてはまた後日と言うことにしましょう」
すると事務長は
「請求書が届いてから文句を言ってください!」
と捨て台詞。
この後、職員が手伝ってくれて荷物をまとめ、姑を連れて「X」を出た。エントランスのところで最後に職員や看護師長らスタッフが並んで見送ってくれた。事務長の姿もその中にあったが、私たちは黙って車に姑を乗せ、家に向かった。
これからどうすればいいんだ・・・
しかし、とりあえず、恐怖の老健から人質奪還である。
(つづく)
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