ハワイ旅行記ブログ 行燈徒然日記

雑多に色々と・・・ 読んでもつまらんよ!

「まとも」なはなし

2006年07月03日 | うんちく話
前回の「くだらない」はなしに続き、
今回は「まとも」はなしです。
そう、またもや語源のはなしなのです。
いやいやつまらぬ話で、恐縮しごくでございます。

あの人はまともな人だとか、
まともに何々をくらってしまった。
などと「まとも」は現代の我々が、よく使う言葉であります。
「まとも」の語源は、じつは船乗り言葉だったのです。
意外だったでしょ、
古より船の先頭(船首)部分を舳(みよし)と称し、
対する後部を艫(とも)と言うのです。釣り舟の場合、この舳と艫が
絶好のポントととなるのです。まぁ釣の話はこの次にして、「まとも」の
語源です。
あの有名な木曽節の中に「♪木曽のナー 中乗りさ~ん」と言う
歌詞があります。実は急流を走る川舟は、3人の船乗りで支えられて
おり、先頭を「舳(へ)乗り」・後ろを「艫(とも)乗り」真ん中を「中乗り」と
言ったのです。この事からも解るように、船の最後部は古来より艫(とも)と
言われておりました。(くどい解説ですみません)

今のように、エンジンやスクリュ-の無かった時代、
船は人力で櫓を漕ぐか、風に頼って進んでおりました。
風向きにも色々ありますが、逆風や横風の時などは、
船の進行に随分苦労したと思います。しかし真後ろから
来る風は超ラッキーで、帆にはらめばスイスイと進みます。
つまり艫から吹き上がる風のことなのです。この順風を「真艫(まとも)」
と船乗りたちは呼び、大変喜んだと言います。
なにせ、この風が吹いている間、船は何もせずともスイスイ
進むのですから、こんなに楽な事はありません。
過酷な航海もこの時ばかりは、一休みなのです。
つまり、今我々が使っている「まとも」と言う言葉は、
本来は船が受ける風の事であり、順風万帆でラッキーな
意味があったのです。
私も極力、真艫な人生を歩みたいと思ってはいるのですが、
逆風や横風がいつも邪魔するのです。トホホ

画像は2005年に行ったハワイ島、ヒルトンワイコロア・ビレッジの
風景です。じつに長閑で真艫な風景であります。





コメント (2)
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