猫と千夏とエトセトラ

ねこ絵描き岡田千夏のねこまんが、ねこイラスト、時々エッセイ

シビックはどこへ

2007年03月07日 | Weblog
 新車が来た。夫は納車の日を楽しみに待っていたので、その日の朝、起きて、夫に新車の夢でも見たかと冗談半分に尋ねてみたら、見ないと言った。
 私はといえば、新車の夢は見ないが、シビックの夢を見た。車の販売店の人が、下取りのシビックを持っていってしまう夢であった。家の前の通りを走り去っていくシビックのうしろ姿が、目覚めたあとも残っていた。
 約束の時間になって、新車が届けられた。無論、私も新しい車はうれしい。ぴかぴかの白いボディーにわくわくしているうちに納車の手続きは済んで、下取りに出されるシビックは、夢に見たのと同じように、道の向こうに小さくなっていった。別れはとてもあっけなくて、乾いていた。
 新しい車で、少し遠くまで出かけた。新車を走らせるのは楽しいけれど、時々、比較するようにシビックのことが思い出されて、今頃シビックはどうしているのだろうと考えると、シビックが可哀想な気がして、さびしいのである。