猫と千夏とエトセトラ

ねこ絵描き岡田千夏のねこまんが、ねこイラスト、時々エッセイ

節分の鰯

2007年02月07日 | Weblog
 節分に、鰯を買った。
 普段は下調理が面倒臭くて、よく切り身の魚を買うのだけれど、たまに鰯のような丸々一匹の魚を買ってくると、まな板の上のその姿が、金魚鉢の中でゆらゆら泳いでいる金魚のそれと重なって、少しばかり敬虔な気持ちになる。この鰯は私が食べる為に死んでしまったのだから、残さないように、大事に食べなければいけないなあ、と思う。
 クリスマスに、鶏一羽を丸々使ったローストチキンを食べたときも同じであった。魚にしても鶏にしても、普段パックに入って売っている切り身の状態では、生前の姿がわかりにくい。
 子供と一緒に教育テレビの人形劇を見ていたら、劇中の子供たちが、どうして食べる前にはいただきますと言わなければならないの、と問いかける場面があった。年配の登場人物がそれに答えて、調理してくれた人や、素材となる食べ物を作ってくれた人、さらには、食べ物となる植物や動物は生きているのだから、食べ物それ自体に対して、感謝の気持ちでいただきますと言うのだよと、子供たちに言い聞かせた。
 子供が見る教育番組として、なかなかいい話だと思った。
 給食費を払っているのに、なぜいただきますと言わなければならないのか、と言う保護者がいるという。そういう大人には、ぜひこの人形劇をみてもらいたい。