島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

子どものしごと 塩づくりのお手伝い

2013-01-30 | 村の暮らしと仕事

海の近くの森で、塩づくりをしている家族に出合った。
お父さん、お母さんと子どもと、3人で、タンクに海の水を入れて森の中の釜まで運んでいた。運搬は頭の上、は、こんな小さな頃から身についていく。
そして、子どもはあくまでも明るい。

インドネシアの田舎の村で、小さな子どもが親に叱責されて泣かされているのをあまり見たことがない。子どもたちはたいてい親と仲良しで、一緒にしごとをしている。
子どもの目から見たら、お父さんもお母さんも頼もしい。お父さんは鉈(なた)や鎌を使って何でもできるしヤシの木にも登れる。魚もさばける。お母さんも力持ちだし働き者で自分で稼げるし、かまどで料理も作れる。
お父さんお母さんの手からは手品のようにいろいろなものが生み出される。

子どもたちが遊びやお手伝いの中でそんな技を身に着けていく過程が、はたで見ていても分かる。そして、家の仕事をしている子どもたちは、大人の小型の人。姿形は子どもでも、大人のように役割を果たしている。

おりしも新年からNHKで「おしん」の再放送が始まった。あのドラマをちゃんと見たことがなかったので、時間があれば見たいと思う。今週は見ることができた。家族のために働いたり稼いだりすることが子どもにとっての喜びにもなっていた時代のこと。そこには今の私には共感することも不可能な貧しさがあったことも事実だ。

世界中の多くの国で、いまも子どもはそんなふうに役割を果たしながら仕事を覚えて大人になっているだろう。長い間、家族は職業共同体であって、それが普通の姿だったが、日本はここ数十年でそれが急速に崩壊してしまっている。このままどこへ行くのだろうか。

*レンバタ島(2012年)
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マンゴーとチャツネ

2013-01-27 | パサール・店先

インドネシアのマンゴーの季節はもう終わっただろうか。それとも島や地域によってずれがあるだろうか。年末のスラウェシ島で旬だった。木から鈴なりにぶらさがっていた。皮は青いけど中は黄色くて熟れている。バスの通る山間の店でもたくさんまとめて売っていて、みんなお土産に買い求めていた。

マンゴーはインドネシアの果物の中でも私の好きなものの一つだ。果肉が明るいオレンジ色で、その色が何ともすてきだし、何より当たりはずれが少ない。どれでもおいしい。皮が茶色くて硬いサラックなどは十分熟れているのかどうか見分けるのが私には難しい。食べてみるとまだちょっと渋かったりする。
パパイアがその名前の魅力と見た目に反してそれほど甘く感じないのに、マンゴーがすごくおいしく感じるのは、きっと酸味が強いせいだと思う。料理でも、甘みがちょっと足りないと感じたとき、酸味をつけると甘さが増す。

スラウェシ島の西部の海岸ぞいの村を通ったとき、道路際や庭先にマンゴーをスライスしたのをずらっと並べて干していた。料理の酸味付けに使うという。出荷して現金収入にするのだろう。そういえば、チャツネにもマンゴーが入っている。チャツネって最近聞かないけど、私の子どもの頃は台所にチャツネの瓶詰めが置いてあった。カレーのベースに使う調味料で、濃い茶色でこってりねばねばで、果物や野菜を煮詰めて作ってある。今も大きなスーパーのカレー売り場にあると思う。

日本でチャツネを販売しているのは多分オリエンタルカレーの会社が代表だと思う(確かではない)。
オリエンタルカレーは即席カレールーの元祖だと先日テレビでやっていた。名古屋の会社なので、名古屋人にとってはポピュラーで、「ハヤシもあるでよー」のCMが子どもたちの間で大人気だった。なごやんの私も子どものころ、栄のオリエンタル中村というデパートの上にある食堂でお子様ランチを食べ、屋上で遊んだものである。オリエンタル中村はオリエンタルカレーの会社のものだったのかと今になって知る次第だ。今は三越になっているが、父はいまだにその三越をオリエンタル中村と呼んでいる(爆)。
というわけで名古屋人はチャツネを知っている率が高いということが言いたかった。

マンゴーの話から脱線したが、手近なところにマンゴーがふんだんにあれば、料理にもいろいろ生かせると思う。うちの庭にないのが残念。インドネシアっていいなぁ。

写真/フローレス島ルーテン(2012年)
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ジョグジャカルタの結婚式 新郎新婦とヤシの葉の飾り

2013-01-26 | まちむら探訪

新郎新婦は豪華な衣装。きらびやかで、二人とも若いのでさしずめ「おひなさま」のように端正できれいだ。新婦が頭につけている飾りはなんだかアニメキャラっぽくもある。その土地伝統の民族衣装は本当にすばらしい。
新婦の父は頭に黒い布を巻きつけているのだけど、それが日本のサムライのチョンマゲのように形作ってある。とても珍しくて後ろからガン見してしまった。

新郎新婦は静かであまりしゃべっておらず、うっすら微笑むだけで、緊張しているのか、それがお行儀なのか、はたまたお見合い結婚なのかと思った。
今の40代ぐらいの人は、ほとんどお見合い結婚だと聞いた。お見合いというか、親同士が決めた結婚。両方の父が友だちだったりして、お前の息子と俺の娘と結婚させようぜ、そうだな、みたいなことで軽く決まってしまうらしい。そして親には逆らえないとジョグジャの知人たちは言っていた。
まあ、だめならもう一人別のお嫁さん貰えばいいし……って違うか?

大きい通りの、家へ入る路地のところに、若いヤシの葉で作った飾りがあって、それが結婚式があることを表す。見事な細工。
この飾りは、バリではお祭りのとき通りに10メートル間隔ぐらいでずらりと並ぶ。最初、バリでは結婚式が盛大なんだわ、と思っていた……。

*ジョグジャカルタ(2008年)
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ジョグジャカルタの結婚式の参列者

2013-01-25 | まちむら探訪

結婚式が始まるのを待つ。近所の人もいっぱい集まっている感じ。家でやるのだからそうなるでしょう。招待状をもらったとかもわらないとかじゃなくて、行きたければお祝いを持って行けばいいという感じのようです。私の知人もそうしていました。
しかしこんなにたくさんの椅子、よく集められたものです。ひょっとして「何でも貸します」のレンタル屋さんとかあるんだろうか。

お料理は傍らにある長いテーブルの上の大皿に盛られていて、好きなものを取って食べる方式なので、1人分余ったとか足りないとかいうこともありません。ごはんとおかずのほか、ミーバッソ(肉団子麺)やデザートいろいろも。

それにしてもこの家、敷地広い。家の横の道も利用しているのだろうか。どこからどこまでがこの家なのかよく分からなかった。大金持ちではなく、中産階級?普通の人の中では金持ちの方といった感じの家でした。
マイクを持った司会者がいたけど、来賓が次々あいさつするのをずっと聞いていたりという堅苦しいこともなくて、新郎新婦の父にちょっとお祝いを言ったあとは、生バンド演奏をバックにお料理を食べる会のような雰囲気でした。


*ジャワ島ジョグジャカルタ(2008年)
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ジョグジャカルタの結婚式

2013-01-24 | まちむら探訪

家で行う結婚式。大音響で音楽をかける。
スマトラでも、ジャワでも、フローレスでも、家で音楽を聴くときは、結婚式でなくても結構大きな音でかけている。まるで、音楽を自分一人だけで聴くのはケチだとでもいいたいかのように。夜10時までは平気。
でも、結婚式のときは程度が桁違いで、アンプを使って隣近所に響き渡らせている。
基本、モスリムの人の住む地域では、毎日大音響でお祈りの音楽のような呪文のようなものを流しているので、そういうことに耐性があるのだろうか。

家の入口の前に親戚の人?がずらっと並んで賓客をお出迎え。その土地の民族衣装を身に着けている人ってやっぱり素敵に見える。ジャワ人の誇りを感じる。
奥が結婚式場となっている家。

*ジョグジャカルタ(2008年)
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鉈一本で竹の開きを作る

2013-01-23 | 住まい・建物

何度も「竹の開き」を使った家や小屋のことを書いてきた。太い竹を開いて板状にしたものを、私は竹の開きと呼んでいる。
家の壁にも、床にもよく使われているし、小さな出店の庇にも陳列台にも使われる。

スラウェシ島で竹の開きを作るところを見せてもらった。
太い竹に縦に筋を入れて開いて、中の節を取り除く。竹に筋を入れるがバラバラにならないようにする。これをぴかぴかに使い込んだ鉈一本で手際よくやっていく。

スラウェシ島やフローレス島でよく見かけよく使われている竹はバンブーに属する太いもの。竹は株にならずに生えるものと株になるものがあって、株になるほうをバンブーという。日本の三大竹と言われるマダケ、モウソウチク、ハチクは株にならないのでバンブーではない。
株というのは、中心があって丸くかたまって生えるので、日本の竹のように無節操に竹林が拡大するという心配もないように見受けられるが、どうなんだろう。拡大の仕方は違っても生息域は増やしていこうとするはずなので、別の形でナワバリを増やそうとはしているだろうが。
家の材料の話から脱線してしまった。

竹の屋根、竹の壁の簡素な家
竹とヤシの葉でできた道端の売店
フローレスの台所


写真/スラウェシ島タナ・トラジャ(2008年)
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ヤシ屋根づくりの村

2013-01-22 | 住まい・建物

ヤシの葉を上手にそろえてパネル状にして、屋根材にする。もとはといえばつながっているヤシの葉である。

竹の開きを板のように扱ったり、竹を裂いたものを編んでパネルにして壁の材料にしたりと、インドネシアの建築材料の扱い方は結構面白い。
木の板を作ろうと思うと、木を刃物で挽かなければならないから、道具のなかった時代には難しいことだ。それに比べるとヤシの葉を編んだり竹を編んだりということは、うんと簡易なはずである。

そんなヤシ屋根パネルを村ぐるみで生産しているところがある。
やはり地場産業的なものがあって、ヤシ屋根を生産する村もあれば、ござを生産する村もあったり、ヤシ砂糖を作る村があったり。農業の傍ら、それぞれ現金収入の途を持つ。

ヤシ屋根パネルは、ランテパオの大きな常設市場でたくさん並べて売っているのを見かける。


写真/スラウェシ島西スラウェシ州(2008年)

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鉈(なた)の粋

2013-01-21 | 工芸

フローレス島の山里で、これから山仕事に行く人に会った。何人かに会ったけど、みんな腰に鉈を差している。そして、鉈のさやに彫刻を施したりきれいな紐を巻いたりして、思い思いの飾りをほどこしている。男のお洒落のしどころなんだろうか。

日本の山里のおじいちゃんたちも、ちょっとそこまで、って感じで山へ行くとき、必ず鉈を差していく。鉈を差さないとどうも落ち着かないのか、スイッチが入らないのだろう。
けれど鉈のさやに彫刻をほどこして飾っているのは見たことがない。鉈と鋸と2本セットで入るように工夫したり、多少の違いはあるのだけど。
昔サムライは刀の鞘をかざったり鍔(つば)の模様に凝ったりしていた。お百姓さんにはそんな余裕なかったってことなのだろうか。

いずれにしても、山仕事にもお洒落ってのは粋なもの。パサールに行くとこんな鉈をずらりと並べて売っている。

フローレス島バジャワ近郊(2012年)

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届く郵便、届かない郵便

2013-01-20 | パサール・店先

フローレス島の知人に、2カ月かかって郵便が届いた。もう届かないのだろうと思っていた。日本のおせんべいなんかちょっと入れてたので、湿ってしなしなになっていただろうなぁ。

前にジャワ島の知人に出した郵便が、3カ月かかって戻ってきたことがあった。
時間がかかったことよりも、そんなに時間をかけてちゃんと届いたりちゃんと戻ってくることに驚く。どうするとそういうことができるのだろう。いろいろ考えてみるが、理解できない。
郵便局の保管箱みたいなところに放置されているのだろうか。人間だったら、どっか回り道してゆっくり休憩してるとか、ありうるのだけど、相手は動かない郵便物である。

配達するのが面倒になって捨てられてしまって行方不明ということなら、想像するのは簡単である。実際日本でだってときどきそういう事件がある。配達する人の立場になってみると、むしゃくしゃしたりひどい頭痛になって「バカヤロー~」と叫び断崖から郵便袋を捨てたりしたくなることも、そりゃああるかもねと、これも十分想像できる。というよりむしろ、毎日まじめに郵便物を届けている局員さんや宅配便の兄さんたちを尊敬したくなる。

で、そういうわけではなくて、時間がかかっても郵便は届いているのである。

スラウェシ島に出す郵便はいつも3週間ぐらいでちゃんと着くし、フローレスの結構な田舎の村にだってちゃんと着いた。着くのと着かないのがあるということだ。個人の家に出すと着きにくい気がするがどうなのだろう。

また、今でも郵便が来ない村もある。じゃあどうやってモノを届けるの、と聞くと、着くところに住んでいる知人に届けてもらうしかないということだ。その村には今ではトラックが毎日通っているのだから、早く郵便ぐらい届くようになるといいと思う一方で、興味のないDMやら面倒なアンケートやら、やりたくない仕事の書類やら、行きたいような行きたくないようなシンポジウムの案内やらが次々やってきて、捨てるに捨てられない紙が山積みになっていくこともないのはさっぱりしていいなぁと思う。そんな紙がなくたって生きていくにはさほど支障もないのだ。

写真/フローレス島バジャワのパサールで。パパイヤの花、ランブータン(赤色)など。(2012年)
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飾りじゃないけど、洗濯物は

2013-01-19 | 美しいもの

庭に干してある洗濯物の写真を、つい撮ってしまう。カラフルで、家を飾っているようだし、平和な雰囲気もする。
以前、北海道の利尻島に行ったとき、どことなく外国のような風景だと思った。理由を考えてみたら、洗濯物をロープに干していたからだった。竹のない島なので、昔から竿に干すことができなかったのだろうと思った。
太平洋の島々ではロープに干すところが多い(と思う)。やはり竹竿が手に入らないからだろうと思っていた。けれどもインドネシアでは竹竿が容易に手に入るところでもロープを使う。

こんな洗濯物の風景がどうして(私の)鑑賞の対象になってしまうのか、はたと気付いたのは、下着が干されてないということだ。くたびれたブラとか黒ずんだ靴下とかかかっていたら、目をそらしてしまうだろう。インドネシアのどこでも、下着は人目に付くところにはない。

こんなのと比べると、日本の洗濯物は、洗濯ばさみがぐるりと付いたプラスティックの洗濯物干しやら、針金ハンガーやら、いろいろなものを使っていて平面的でもないから絵にはならない。

この家、干し方もきっちりしている。別に、絵をつくるために干しているわけではないだろうけど。

*レンバタ島(2012年)

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小さな家のかわいい玄関

2013-01-18 | 住まい・建物

フローレス島の隣の隣に、レンバタ島という大きくない島がある。
小豆島ぐらいなんだろうか。そこに(私から見ると)かわいい家がたくさんある。

玄関の前に鉢植えを並べる、普通によく見るインドネシアスタイル。
壁もきれいだし、ガラスはピカピカ。ドアのデザインもお洒落。
階段もいいバランス。きれいに掃き清められている。

この島では、家の周りを掃き清めるのが朝一番の日課(ほかの地方でもそういうところが多いと思うが)。地方にもよるが、インドネシア人はきれい好きで、家の周りをとてもきれいにしている。

道端に草一本生えない乾季。水も家の中までは引かれていないので、近くの共同の蛇口まで水を汲みにいかなければならない。その水で洗濯をしたり茶碗を洗ったりした後、鉢植えの水にやっている。

*レンバタ島(2012年)
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竹の屋根、竹の壁の簡素な家

2013-01-17 | 住まい・建物

屋根は竹を2つに割ったものを上下に組み合わせている。たまーに見かける。
壁は竹を開いたもの。前にも書いたが、節の内側を取ってバラバラにならないように割りながら平面にして板状にしてある。
周りに家はなく、山の斜面の田畑の中にポツリと建っていた。回りの田畑を耕し土地から糧を得る暮らし。いずれ定住することになるのか、あるいは一時的な小屋なのか。
中は土間。通りがかったらよろこんで写真を撮らせてくれて、家の中に招き入れてくれた。



*フローレス島ルーテン近郊(2012年)
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とがった尾根の上の田んぼ フローレス島で

2013-01-16 | 美しいもの

曲芸のように存在する田んぼ。すごいところにある、という以外に、ただただ美しい。
人の手による造形、それも美を目的としたわけではない、なりわいによるもの。
向こうに見える白い屋根は出作り小屋で、家ではない。ここの田んぼの人たちはどこからやってくるのだろう。遠くから歩いてくるに違いない。
また、水はどこから来ているのか。私のいる位置がもっと高いのだから、どこかから湧き水を引いてくることも可能かもしれない。それと天水(雨水)による。乾季には多くの田んぼが休耕する。この田んぼの下の斜面の段々になったところも、雨季には田んぼに戻るのだという。今頃は一面に緑色になっているだろうか。行ってみたいけれど、雨季にここへたどり着くのはかなりの難行となるだろう。

日本が高度経済成長時代以降、減反政策で田んぼを次々に放棄して久しい。田んぼは必要ないのに食料を輸入するという不思議なことが起こっている。今、日本でおいしいお米を作っているおじいちゃんたちの多くは、年金をつぎ込んでいる。日本の米は安すぎる。
話が大きくそれた。
インドネシアはこんなところまで耕しているが、それでも国民すべてを養うには少し足りないと、どこかで読んだ。
(うろ覚えの話ばかりなので私のしてることはモノにならない……)

写真/フローレス島マンガライ県(2012年)
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どしゃ降りの雨 山の村で

2013-01-15 | 美しいもの

数日前、インドネシアの友人からSMSが来ていた。ジャカルタでは洪水(冠水)ばかり。ジョグジャカルタでは暴風で木が倒れたり家が壊れたりしていると。
そういえば昨年の2月、フローレス島ですごい暴風に遭って、絶対に台風だと思った。けれどインドネシアには台風はないのだった。台風という名前の嵐がないだけで台風並みなんだから、あるのと同じだ。旅行者にも分かるようなちゃんとした名前をつけてくれないと警戒しにくいじゃないの(あるのかな?)。
台風なら何日も前から来るのが予測できるけど、こういう嵐は予測ってできているのだろうか。

インドネシアは一年中気温が高くて野菜も果物もたくさん採れる「豊かな国」だけど、9月に訪れた東部の地方では乾季で草一本生えないほど乾いていたし、1月2月の雨季には雨が降りすぎて困っている。どんなもの、どんなことでも、世の中で平準にあればうまくいくのだけど、格差があるので困ったことが起きる。格差がないと物が流れないが、ありすぎは問題が大きい。

私がスラウェシ島の裏トラジャと呼ばれる地方を訪れたのは雨季まっただなかだった。バイクで出かけ、途中で雨に降られ、訪れた先で雨宿り。小止みになってくれるかもと思ったが、すぐにどしゃ降りになった。
降る雨が白い筋になって、花の赤や木々の緑と溶け合っていつまでも見飽きなかった。
ひもにかけられた洗濯物もいい風情をかもし出していた。
けれど、そのまま待ってもなんともならないどころかひどくなる可能性もあるので、諦めて帰路についたのだった。とても寒かった。
今思えば、雨季なんだから当然だ。


写真/スラウェシ島西スラウェシ州(2008年)
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トンコナン様式の家

2013-01-14 | 住まい・建物

数日前から掲載しているスラウェシ島タナ・トラジャのトンコナン様式の家。屋根は竹を割って小さな板状にしたものを重ねて作る。竹の板で屋根を葺くのは日本の寺院だったか離宮だったかの建築で見たことがある。

屋根の形は、祖先がインドシナ半島から渡ってきたときのボートを模したものだと言い伝えられている。岐阜県の旧美並村粥川の祭りで、小さな舟を川に流すのがあるが、この屋根を見たときその舟に酷似していると思った。帰国して写真を見たら、それほど似てはいなかったが、やはり共通する雰囲気があるから思い出したのだと思う。

壁や床は木造で、見事な彫刻が施され、それによって住む人の豊かさを誇示しているようだ。
高床式で、普通の2階ぐらいの高さが1階になる。床下は、日差しをよけることができるし風通しもよく、日中過ごすには好適である。
しっかりした木組みで床を支えているのが分かる。
窓がとても小さくて、その窓の向こうにミイラが安置されている確率は低くはないだろう。(一昨日の記事参照)

またこの家の中の床の上にちゃんと炉(台所)が設置されている。インドネシアの古くからの家では煮炊きをする台所が家の外または半外にある場合が多いと思うが、そういう意味でユニークである。台所や炉の煙が幸せな家庭の象徴であるという意味のことが強調されて語られるのは、そのユニークさがあればこそかもしれない。

家の周りに何棟か建てられる穀物倉もよく似た形で、彫刻を持つ。床を下から見たところにも見事な彫刻があるのでびっくりする。穀物倉の彫刻は抽象的な模様よりも水牛や豚をもっと具象的に描いたものが多く、また面白い。

  

写真/スラウェシ島タナ・トラジャ(2009年)
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