てろーんと横たわるナス。インドネシア語でナスのことをテロンというから、こんなナスを見るとテローンと呼びかけたくなる。
ナスは包丁を使わないと皮が切れないから、こんなに大きいと食べにくくて仕方ない。しばし迷う。こんなでっかいナスを食べるべきかどうか。油がしたたるほどドボドボに揚げてあるし。
ナシ・チャンプルーの店、いや、自称パダンごはんの店。インドネシアの定食屋のようなもの。けれどすべてのおかずが揚げてあり、それも牛肉と鶏肉と魚のでっかいかたまりと卵。
野菜好きな私は植物性のものを探すのだけど、厚揚げしかない。厚揚げは確かに植物だがたんぱく質主体のものであって、私としてはもっと草っぽい感じの野菜が食べたい。
早い時間にこの店に行ったとき、ナスを発見した。とにかく野菜があるというだけで嬉しかった。けど、この大きさと油のために、逡巡したのだった。
それでもやっぱり野菜が食べたいので、いただきましたよ。
どうしてインゲンとかハヤトウリとか小松菜とか、どしどし出してくれないのか不思議だ。ここはフローレス島のルーテン。高原野菜にはことかかない。ニンジンだってキャベツだって大根だって採れるはず。
彼らはきっと家の中ではそういういいものを食べて、客には食べさせないつもりなのだ。けしからんと思う。それにナスを2つにしか切らないと決めなくたっていいではないか。もっと細かくしてくれてもいいでしょう。
ルーテンの食堂はどこもこんな感じ。
ふだん家で食べているものをわざわざ外食で食べなくてもいいという感覚があるのかもしれない。なんだかんだいって、私はかろうじてナスのあるこの店ばっかり行っていた。
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写真/フローレス島ルーテン(2012年)
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