島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

とうもろこしを粉にする道具

2014-05-20 | 村の暮らしと仕事

日本にもこういう道具がある。味噌造りのとき、ゆでた大豆を入れて
ハンドルを回すと、大豆がつぶれて出てくる。
昔の道具として、よく資料館や古民家の蔵に置いてあったりする。

最近の言葉ではミンサーという。
小形のものはひき肉作りにも使う、というか、ひき肉を作る道具として売られている。
私も持っている。味噌造りに使おうと思ったけれど、小形過ぎて、ものすごく時間がかかってしまう。豆の煮え具合によっては詰まってしまって、箸で押し出したり。

この村ではとうもろこしを粉にするのに使っていると言っていたけど
日本の村にある味噌造り用ミンサーと同じのような気がする。

写真の右側に一応ハンドルがあって、手で回すようになっているけど、
輪の部分にはベルトがかかって
何かの動力をかけられるように作ってあると思う。

こんなものを思い出したのは、今日日本の山里を歩いていて
今も使っているという人に会ったから。
たまたま通りがかった家の、屋敷の片隅の小屋の横に
大きな釜が置いてあって
そこの家のおばあちゃんは、それで味噌用の大豆を2斗も煮るという。
釜は1斗なので、2回やるんだろう。

味噌造りは、豆をどうつぶすかが最大の問題で
私は前に1斗の豆を小型ミンサーでつぶそうとして挫折した経験がある。
そんなものでやっていたら朝までかかるのであきらめて
後日大きな電動のミンサーを借りてガーッとやらせてもらった。

なので、そのおばあちゃんに、電気の大型のミンサー持ってるの?と聞いたら
ううん、電気じゃない、手で回すのでやるの、と言われて、びっくりした。
今も使われてたなんて。スバラシイ。

この道具がない場合には石臼の中でゆでた大豆を棒で突いてつぶしていたと思う。





写真/レンバタ島(2012年)

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石造りの家を花で飾る

2014-05-19 | 住まい・建物

石の壁は2種類。丸っぽい石を入れた左側と、レンガサイズのブロックの右側。
下の方はもっと大きな石で基礎のように築いてある。

木の枠のドアと窓。なんでもないようだけど、色合いが壁とマッチしている。
(造った人が深く考えた結果かどうかは知らないけど)
豪華ではないけど、シンプルで、端正で、
家の周りがきれいだから余計に、お洒落。



写真/フローレス島東部 モニの近くの村(2012年)

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小舟のある広場

2014-05-18 | 美しいもの

海辺を見下ろす小さな村に
大きな広場があって
いい感じに、棄てられた舟が置いてあった。
レンガ造りの建物と、ブーゲンビリア。
広場は掃き清められていた。

とてもきれいな広場。
どう撮ってもうまくそのきれいさを捉えられなかったけれど。
村の人の心映えがしのばれる。
決してお金持ちがたくさん住む村ではない。

日曜日、この村では全員が一緒に昼食をとる。
広場の一角にテントで屋根を張り、その下に簡素な料理が並べられる。
ひきわりトウモロコシの入った御飯と、苦いキャッサバの葉を煮たもの。ただそれだけ。
お鍋が置かれていて、それをめいめいがお皿に取って、いただく。

そんなところにたまたま行き合わせた私に
どうぞどうぞ、食べて行ってと、
食べないと許さない雰囲気で、もてなしてくれた。

写真/レンバタ島(2012年)

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石が大事なフローレスの村

2014-05-17 | 住まい・建物

フローレス島の東の方の伝統村では石を特別な用い方をしている村を多く見かける。
お墓を石で築いているのはもちろんだが、それ以外に何やら意味ありげな置き方をしている。

インドネシア東部の巨石文化については、江上幹幸さんが精力的に調査され論文もいくつか出されているが
一般的な本として出版されているわけではないので、私は興味はあるのにいまだ手にとらずにいる。
江上さんの知見をお借りすれば、ここにある写真の石の意味もよく分かるのかもしれない。
一番必要なのは私自身がもっとインドネシア語をペラペラになって話を聞いてくることである。
けど、現実、そうではないので、写真を載せるだけということで……。

集落の広場を横切る石は、何かの結界?
夜になったらつまづいて転びそう……。危ないね。
家の周りも石でぐるりと取り囲んでいる(前の前の記事の写真でよくわかる)。
石舞台みたいなのはお墓だと聞いた覚えがある。
家の裏手には石積みを築いている。

スンバ、スンバワ島などには巨石文化があるというし
スラウェシ島の真ん中辺にもモアイ像みたいな巨石の像のあるところがある。
石って面白い。


フローレスの記録はメモを見れば地名や聞いた話も書いてあるのだが
なんせ無精で、記憶で書いている。







写真/フローレス島東部 モニの近くの村(2012年)

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村の小さな雑貨屋さんの小さな品々

2014-05-16 | パサール・店先

前の記事の売店の品物たち。

ここは15軒ぐらいの独立した集落で、真ん中に広場があり、その両側に家が、少しずつ間隔をおいて並んでいる。
その集落に唯一のお店屋さん。……15軒なら店は1軒で十分ですが……。
この商いでどれぐらい稼げるのでしょう。でも村の人は助かっているでしょう。

真ん中辺に大人向きのものたち。黒いのは小袋入りのシャンプーで、超ロングヘアでなければ2回分は十分あります。
こういうのがあるので、旅人にはすごくありがたい。町でも村でも、小さな雑貨屋さんがあれば大抵手に入る。
真ん中の黄色いのがマサコというインドネシア風のだしの素(マサコだけど日本風ではない)。なかなかおいしい。

下の台の上は、黄色いのがタバコ、それに卵?。
赤いふたのボトルの中には、するめイカは入っていません。

右上は飲み物コーナーで、コーヒーや粉ミルク。
左上は子どものお菓子でした。

そういえばインドネシア人の友であるお砂糖が見当たりません。
後ろに隠してあるのかもしれません。









写真/フローレス島東部の町、モニの近くの村で(2012年)

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布織りながら井戸端会議

2014-05-15 | 住まい・建物

1人が機織り中。ほかの2人は寄ってきて話しています。
……と、3人かと思ったら、背後に1人、外野の人がいます。
ここは井戸端ではなく、床下。
見事な建築。釘なんか使ってないのでしょう。
実はこの家、前の記事で紹介した売店のある家です。
売り場の陰で女性たちが、日射しを避けながら
機織り+おしゃべり+店番のようです。







写真/フローレス島 モニの近くの村で(2012年)

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小さな売店の側面陳列

2014-05-14 | パサール・店先

インドネシアのお店屋さんは、横に向かって上手に陳列していること
前にも書いたけど、ふたたび。

このお店は、お店というより、売り場といったほうがいい。
大きな建物の軒下の一角に商品を陳列している。
草ぶきの素朴な屋根の下に、プラスティックの小物たち。このメリハリがなんともいえずいい感じ。

シャンプー、固形石鹸、コーヒー、インドネシアのだしの素、たばこが少しあるけれど
半分以上は子どものお菓子。

暗くて見えないけれど、商品の向こうに、おばあさんがひそかに座っている。

南国のものたちは日本よりもうんと色あざやか。横向き陳列で風景もかわいくなる。
バスターミナルの小さな売店では特に、
陳列の技が磨かれる。
みかん、マンゴー、ピンクの果物(名前忘れた)、サラック(かな?)など
配色よく、アクロバティックに並べてある。
竹でピシっと決めた小屋も、丸いものたちを引き立ててステキ。





写真/上 フローレス島モニの近くの村
    下 フローレス島ララントゥカ(2012年)


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フローレスの穀物倉

2014-05-13 | 住まい・建物

フローレス島の東の方、バジャワからマウメレに向かうときにたくさん見かける穀物倉。
中を見たわけではないので穀物が入っているかどうかは分かりませんが。
ネズミ返し的なものもあります。

礎石の上にどっしりと載っている。
床下で女性が機織りをしています。





写真/フローレス島東部の町ウォノワルと、その近くのみかんの村で(2012年)

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布織る村の筒型衣

2014-05-11 | 

機織りをしている村に布を見に行ったのだが
村の入口で、そうじゃない衣服に目がくぎづけに。
そっちのほうに、むしろ、興味しんしん。

2枚の布を左右ではぎあわせるが、真ん中だけ縫い残して
頭が通るようにする。
手を通すところはあけておいて、袖下部分は縫う。

これをかぶって着ている。
最初に会った女性のオリジナルかと思ったら
村の女性ほぼみんなこれを着ていた。
若い人は着てなかったけど、おばさん、といわれる年代の人はみんな。

布は町で買ってきた大量生産の布。
みんな思い思いの布で作っている。
昔は手織り布でつくっていたに違いない。

下にはやはり機械織りの布のサロンを巻いている。

私が面白がっているのを
笑いながら写真に写ってくれた。



写真/フローレス島東部 モニの近くの村で(2012年)

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草ぶきの屋根

2014-05-09 | 住まい・建物

この村の家は伝統的建築で、村のつくり(家の配置)も伝統的なようだった。
中央に広場があり、その両側に家が並ぶ。広場は村の公共スペース。

高床の家の床の下にはアランアラン(チガヤ)らしきものが置いてある。

日本で草ぶき屋根と言えば、
かや(ススキ)、小がや(カリヤス)、稲わらなどがある。
アシというのも聞いたことがある。
けれど、チガヤは聞かない。
日本にもチガヤやいっぱいあるのだけど。
ススキが似たような場所にあるから、ススキのほうがいいのだろう。

この写真の床下に置いてあるアランアラン(らしきもの)は日本のチガヤよりずいぶん丈が長いようである。
ちゃんと聞いてくればよかったと思う。



写真/フローレス島東部 クリムト山麓モニの近くの村(2012年)

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屋根4態 その2 竹、チガヤ、トタン

2014-05-08 | 住まい・建物

ここには3つの種類の屋根が並んでいて面白い。
一番奥の小さなのが竹、その手前がアランアラン(チガヤ)だと思う。
正直なところ、アランアランの屋根と、ヤシの葉を細くしたもので葺いた屋根は見分けがつきにくくて自信がない。

竹の屋根は、前の記事のとは違って、竹を半割りにしたものを上下に置いている。
屋根の表面は、半割り竹を下向きに伏せた状態で置いているが、その下に、上向きの受ける状態で置いた竹がある。
なるほど、と納得する。この屋根はフローレス島でたまーに見かけた。
小さな家や小屋に使われている。

前の記事の家もこの記事の家も、壁は竹の開きでできている。
太い竹を縦方向に筋をつけて開いて板状にしたもの。

手前のアランアランの家は、礎石の上に家が載っているのがよく分かる。
地震でも来たら礎石から落ちて斜面をすべりおちていってしまわないかちょっと心配。





写真/フローレス島マンガライ県(2012年)

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竹のこけら板 ~屋根4態 その1~

2014-05-02 | 住まい・建物

インドネシアの田舎で見かける屋根の素材は
トタン、竹、ヤシ、アランアラン(チガヤ)。
ヤシも大形の葉のと細い葉のがあるし
竹の使い方も私の知るのは3様。

この写真の家の屋根は、私の見た範囲では珍しい形で
竹をスリッパぐらいの大きさにして瓦屋根みたいに載せてある。

日本でも昔、クリやネズコの木を薄くへいで(=そいで)
屋根板にしていた地域が少なくない。昔は均一な板を作るのは難しかったから
割るような感じで5ミリぐらいに薄くそぎとっていくらしいのである。
へぎ板でなければ杉皮などでやっていた。

そういう材料を下から順に重ね合わせて雨が漏らないようにするということである。

竹というのはインドネシアではどれぐらいもつものであろう。
日本では、木6竹8と言って、竹は8月過ぎに伐れば使える材料になるが
春から夏は水を上げているから、その時期に切った物は
虫が入りやすかったり腐りやすかったりして、ほとんどもたない。
私の経験では雨ざらしでは翌年までもたない気がする。

インドネシアは年中暑いが、フローレスなどでは乾季がはっきりしているので
なんとかなるのかもしれない。
しかし、フローレス同様、竹を多用するスラウェシやジャワでは
年中水を上げていそうな気がする。
それだといつ切ってもあまりもたないということになってしまう。
上手に水を抜いて乾燥させる術を知っているのだろうか。

しかし、上手に乾燥させてあったとしても、高温多湿の国だから、
劣化は日本より早いだろう。このような竹の屋根を10年もたせることは難しそうに思えるが
どうだろう。


以前に書いたスラウェシのタナ・トラジャの、竹をかやぶき屋根のように重厚に重ね合わせたのだと
もう少しはもちそうな気がするけど。あのタイプだと大変だから、それぐらいはもたなければ困るだろう。

写真/フローレス島マンガライ県(2012年)

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