タナ・トラジャのお葬式は現地の言葉でランブー・ソロと呼ばれ、とても有名だ。お葬式は死の直後に行われるのではなく、お葬式が執り行える財力や条件が調ったときに行う。そのため、死んでから20年も経ってから行うことすらある。その間、遺体はミイラにして家の中に置かれ家人と一緒に暮らしており、眠っているとみなされる。お葬式をして初めて、本当に死んだことになる。
お葬式は庶民は1日で終わるが村の長の「貴族」になると3日、4日と続く。何頭もの水牛や豚がいけにえになり、参列した人に分配される。
トラジャ地方には日本で言う村の秋祭りや春祭りに当たるものはなく、お葬式がお祭りの役割を果たしているように思う。誰が参列してもよく、今では観光客やテレビ取材が多く訪れるほど名誉なこととされているようにも思われる。
スラウェシ合掌造り集落(前の記事参照)の真ん中で、親戚の男達がこれから歌を始めるところ。手前の水牛は今日で命が終わることを知っているのかいないのか。つやつやして、大切に育てられてきたことが分かる。
写真/スラウェシ島タナ・トラジャ(2008年)
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