島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

バリの村の小さな店で カレー味の朝ごはん

2015-03-10 | 食べもの

食堂とも言い難く屋台でもない、雑貨屋さんを兼ねたこんな小さな食べ物屋さんがインドネシアにはちょくちょくある。たいてい主婦がきりもりしている。

朝早くからひとしきり歩き回っておなかがすいたので、ちょっとパンでも買おうかと思ってこの店に寄ったら、そこで食べている人がいて、よく見たら横にはプラスティックの白い小さなテーブルと椅子などもあって、棚の向こうをのぞいてみたら、奥さんが何か盛り付けているのだった。それでやっと、ここで何かが食べられるのだと気付いた。

店の前で座って食べているおじさんに、何?何?それ、と見せてもらうと、何とも得体のしれない食べ物。
あやしげであまり気は進まないが、お米に飢えていたし、「旅に出たらできるだけその土地の名物を食べよ」と民俗学者宮本常一の父も言っているので、食べることにした。
おなかを壊しそうな予感がする。



お米が半ばおかゆのようにぐちゃぐちゃに炊いてあって、でもおかゆのように透明ではなく白くにごった色をしていて……そういうあたりが日本のコメじゃないな……、その上にぐるりんとかけられている五平餅のたれ状のものは、思いがけずカレー味だった。

おじさんにこの食べ物の名前を聞いたけど、メモしたノートを今持っていない。
おじさんはいつも仕事の前にここでこれを食べてエンジンをかけるのだと言う。
バリではポピュラーな食べ物らしい。
値段はたしか2000RT(20円)ぐらい。

見た目よりずっとおいしくて、けっこういけると思った。
でも、もう一度食べたいとはなぜか思わない。しょっちゅう食べると癖になるかも。
おなかはこわさなかった。

Photo/バリ島ペジェンにて Pejeng, Bali, Indonesia(2014年)


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紫陽花(あじさい)のあるバリの店先

2015-03-09 | パサール・店先

バリにも紫陽花。
前に、フローレス島で紫陽花を庭に植えているのを見て、なんて日本的な、とびっくりしたけど。
紫陽花はどちらかというと、暖地のほうが向いているのかもしれない。
屋久島や種子島に行ったら、内地よりもずっといろいろな色の紫陽花がたくさん植えられていたから。

バリのお庭で紫陽花が咲いているのは見かけなかったけど。
この紫陽花は、花をばらばらにしてお供えに使うんだろうか。

紫陽花の隣にはちょっとくたびれた千日紅。
日本の田舎の真夏を彩る花。仏様に飾る花。
鶏頭(ケイトウ)と同じ仲間で、ドライフラワーにもできるぐらい、花もちがいい。
というか、水が切れても見苦しくならない。
バリではほかに、マリーゴールドやホウセンカの花をよく見かけます。

インドネシアのお店屋さんは色とりどり。そして横向き陳列。
明るい朝の光が射しています。





Photo/Payangan, Bali, Indonesia(2014年)

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真昼の闘鶏

2015-03-08 | ならわしと儀式

何、何? このバイクの群れ。
バリ島の、ガルンガン(お盆みたいなもの)の期間中の、山すその村。
バイクの方に行ってみると、人だかり。男たちが鶏を抱え、真ん中には土俵……マウンドっていう? どうやら闘鶏、スラウェシで話には聞いていたけど、目撃するのはこれが初めて。





でも、見事に男ばかりで、こういうところで旅人は調子に乗ってとんでもない恥ずかしい行いをしてしまうこともあるので、一応聞いてみる。
「あのー、女でも見ていいでしょうか?」
「もちろんだとも! 見なさい、見なさい」
と返事。

さすがに男ばかりの中にどかどか入って行って真ん中で見たりしたら、どっちが見られるのか分からない事態になってしまうので、なるべく人影に隠れるようにして、後ろのほうからこっそりのぞき見る。

男の人のうち2人が、抱っこしていた鶏と鶏を突つかせ合って、片方の鶏が走ってちょっと逃げたり。(前の記事に書いたけど)な~んだ、闘鶏って子どもの遊び程度かなと思っていたら



きたきた、幹事みたいな人がお金を集め始めた。
みんな周りからお金を投げています。

そして次々選手入場。数羽の鶏が舞台に上がっています。

さっきから気になっていたこの革の入れ物。みんないいお財布持っているなと思っていたら、じゃばらになったポケットの一つ一つに、ピカピカに磨かれたナイフが入っていて、どれにしようかと選ぶのです。
そしてそれを片方の脚に後ろ向きにくくりつける。赤い糸でやるのが決まりのよう。







そう、これからが本番。さっきの突っつき合いは練習か、闘志を出させる刺激みたいなものらしい。

そしていよいよ。最初の2選手がピカピカのナイフを脚に付けてマウンドに上がり、やあっと試合が始まる。わぁ~っと盛り上がったかと思ったら……、
あっという間に終わりました。その間、5秒もなかったような。




見ると、片方の鶏が、横たわってこときれていました。勝った方は興奮してぐるぐる歩き回っている。
鶏は興奮してケンカ状態になると、どうやら脚を振り上げるらしい。

おそろしや。その最中は怖いので見てなかったけど、事後を見ても怖い。
けど瞬間的に死んじゃうようなので、そんなに苦しみはしなかったでしょう。
鶏はもちろん食べられるそうです。



マウンドの横にはお供え。闘鶏の神様でもいるの? お供えは米、それに鶏もつけるってのはなんとなく変な感じだけど。



会場の裏にお洒落な籠。さっきバイクの両脇にこの籠をつけて走っている人がいて、わぁ、かっこいい籠!と思っていたら、こんなところに来ていたのでした。もちろん中は鶏。スタンバイ中の選手もいるけど、左端の籠からは首をだらりと出して亡くなってる鶏。地面には赤い糸がいっぱい捨てられている。
この籠、日本の猫が病院に通う時の籠として売ったら売れるんじゃないだろうか。でも猫はバリバリやるかも。



鶏たちの災難をよそに上機嫌な人たち。ミーバッソ(麺)食べましたね。丼あり。

男たちがギャンブルに講じているころ、女たちは一心に祈りを捧げています。



全く男ってモノはっ……。
男の罪を女の祈りで相殺してもらっているのでしょうか。

ただ、男の人でも、闘鶏は嫌いで行かない人もいる。中には付き合いでいやいや行く人もいるのかも。
それにしても闘鶏の場には本当に女性の姿を見なくて、やっぱり暗黙の女人禁制なんじゃないかと疑ってます。そんなところに行きたいと思う女の人もそういないのだろうけど。


闘鶏を無視してお祈りから帰ってくる女の人たち。

ちなみに、闘鶏なくなると村の男のつながりも薄れるだろうから、決して否定してるわけじゃありません。それにギャンブル以外の何かもあるのだろうし。

Photo/Payangan, Bali, Indonesia(2014年)

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鶏のウォーミングアップ

2015-03-05 | ならわしと儀式

村の道で。鶏と鶏を、むりチューさせている……。
鶏はイヤそうに顔をそむけるものの、義理でちょっとつっつきあう感じ。
それから鶏を放すと、どっちかがどっちかを追いかけ、意気地のない方は背中を向けて逃げていく。
とはいっても、決して飛び立って遠くへいってしまうわけではなく
すぐ飼い主につかまえられます。

最初、これが闘鶏かと思っていた。
な~んだ。こんなものか。と。

けれどこれは闘鶏の練習? 
鶏の強さを試している?
あるいは鶏の闘志をかきたてるための準備運動?
それとも飼い主のひまつぶし? はたまた試合前のあいさつ?

とにかく、試合本番前に、みんなやっているのです。
鶏はいいおもちゃです。かわいそう……。動物虐待反対!
なんてこと、誰も思っていないバリ。

ちなみにスラウェシにも闘鶏はあるそうです。ジャワにもあるんだろうか。

Photo/Payangan, Bali, Indonesia(2014年)

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闘鶏を待つ夕暮れ バリ島で

2015-03-02 | ならわしと儀式


バリ島にて。ガルンガンの期間中、あちこちの村で、闘鶏をするために集まっている男たちを見ました。みんなかなりゆるーい感じで、ニワトリかかえて時間をつぶしています。
夕暮れ時になるとみんな集まっているのだけど、中には真昼間にやっているところもありました。
すべて、男だけです。男女不共同参画です。いいです、別に。

こういう、何かをゆるーく待つ、というような時の過ごし方って、気候のいい地方ならではという気がします。
寒い時にはとても待ってなどいられないし、寒い国の夏だったら、働くのに忙しくて、のんびりしている気分的余裕など、そうなさそうです。

ずっと前に奄美地方の島に行ったとき、海辺の集落の家々の前に、海の眺められるベンチがあって、夕方になると人が出てきてそこでビールを飲んでいた。南国&海辺っていいな、と思った。あの光景、忘れられない。


ゆるゆるした男たちの背後で、籠のニワトリたちは最期の時を待っています。

Photo/バリ島ペジェン Pejeng, Bali, Indonesia(2014年)

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どうしましょう…ガルガンとレバランがバッティング

2015-03-01 | ならわしと儀式

かねてから、イスラムの断食明け大祭・レバランのようすを見に行きたいと思っていた。
みんながお互いに思いやり贈り物をし合うという日。心を清らかに正しくして神に祈る日。
そう考えると、キリスト教のクリスマスもそういう日だ。
断食中に怒ったり大声を出したりしないというのは、仏教の彼岸の期間や四十九日の期間と似ている。
私は一つの宗教を熱烈に信仰しているのではないけれど、人が敬虔になり自らをかえりみて祈りを捧げるということに、最近興味を持っている。

で、レバランが今年、7月17日。

そしてバリ・ヒンドゥーのお盆みたいなものが7月15日から始まり7月25日に終わる。その前半の大事な日である7月14日、15日、16日を、昨年見損なったから、今度は見たいと思っていた。

バリで7月14~16を過ごして、17日にジャワに行くなんて、きっと無謀だろう。なにしろレバラン前後は民族大移動でそんじょそこらじゃない渋滞、ホテルは満杯で大変なことになるらしい。そもそも17日にジャワに着いても遅すぎる。前日から見なきゃ。いや、断食中のようすも経験したいから、4日ぐらい前には行きたい。

今年はどっちかを取るしかない。どっちにも行けないような予感もちょっとするが。
レバランに行くとしたらちょっと前から行かないと、目的地に行きつくことすらできないのではないかと心配だ。まあ、旅なんだから、それも見物と体験の一つとすればいいけれど。

世界がきなくさいのも気になる。
あちこちで勃発する自爆テロ。
ロシアまで、どさくさにまぎれていろいろやろうっていうのか……?

第3次世界大戦? それが冗談ではなくなるような空気が流れている。地球をつかさどる大きな神様みたいなものが怒り狂ってでもいるのだろうか。

Photo/ガルンガンの期間中の、屋敷の中の祈りの場所 バリ島ペジェン Pejeng, Bali, Indonesia(2014年)

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