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島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

水牛

2013-06-30 | 村の暮らしと仕事

牛、かわいい。


スラウェシ島タナ・トラジャの水牛は、食べるためのもの。
よく、バリの棚田の絵で、水牛が田んぼを耕しているけど
スラウェシではそういうことはない。
(ちなみにバリでも実際に水牛が田んぼで働いているのを見たことがない。)
どうせなら田んぼで使ってから食べたらいいと思うのだけど
売るのが第一目的だからってことなのか。

つまり、食べるといっても、自分で食べるんじゃなくて
水牛市場に売りに出すのだ。
売られた牛は、お葬式でいけにえにされる。
いけにえというが、お葬式を見ていても、あまり「いけにえ」には感じない。
タナ・トラジャの貴族のお葬式は水牛と豚をして食べる祭典である。

田んぼで水牛の世話をしている人は牛のオーナーではなくて、
牛の世話を請け負っている人だったりする。
階級がはっきり分かれているタナ・トラジャの社会。
水牛のオーナーになれるっていうことは、結構いいことに違いない。

写真/スラウェシ島タナ・トラジャ(2008年)

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真っ白な塩

2013-06-26 | 村の暮らしと仕事

海際の高いところについた道を歩いていた。かなり歩いたのでそろそろ引き返そうと思っていたところだった。
すると、道の下のジャングルの中から、一人の女の人が頭にかごを載せて上ってくるのだった。農園の作物でも運んでいるのだと思ったけれど、ほんのあいさつ程度に、それは何ですか?と聞くと、真っ白な塩が入っているのだった。

フローレス島の市場なんかで見かける袋入りの塩は灰色がかっている。
この島(レンバタ島)でも塩づくりをしていることは知っていて、あわよくば出会えたらと思っていたところだったのだけど、それが真っ白だったことに驚いた。

この集落では家族経営で塩づくりをしていて、この塩はジャカルタから買い付けに来てじゃんじゃん売れていくそうだ。

ここでやっている塩の作り方は2通りあって、一つは磯だまりで濃くなった海水を釜に入れ、薪を燃やして煮詰めて作る方法。
もう一つは、海辺の岩場の上に、縦に割った長さ1メートルぐらいの竹を置き、その中に海水を入れて天日干しで結晶させる方法である。
たまたまそこにいた、ものすごく親切な30歳ぐらいの男の人が見せてくれた。

ここの岩場にはイワツバメの巣もあって、そのことを熱心に説明してくれたから、おそらくそれも売り物にしているのだろう。

女の人が登ってきたところの下にあるジャングルにはヤシが生い繁って、その下にはキャッサバや芋などの作物がまばらに作ってあり、そこで放し飼いの豚が昼寝をし、子豚は走り回り、
夕方になると腰になたをつけた男の人が現れてスルスルとヤシに上り、ヤシ酒を集めていくのだった。

写真/レンバタ島(2012年)

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ボネの磯

2013-06-23 | 村の暮らしと仕事

夕暮れ間際の、ボネの磯で、親子が何かを拾っていた。
貝か何かだろうか。

港の横のバスターミナルで私は
クンダリに行くバスを待っていた。

……のだと思うけど、もはや、いろいろな記憶がごちゃまぜになって
何が何だか、確かではない。

日本から重い三脚をかついでリュックに突っ込んでバス旅をしていた。
使ったのは、ここだけ。
この何ともいえない色合いの海、見飽きない。


写真/スラウェシ島ボネ(2008年)

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自家製コーヒー

2013-06-09 | 紅茶・コーヒー

1年以上前に、フローレス島で炒ってないコーヒーの豆を買ってきた。
コーヒー好きの知人が、自分で豆を炒っていることがあるので、おみやげに、と思ったのだ。
ところが私がインドネシアから帰ってきたとき、その人は胃がんで入院中で、何も食べられない、飲めない状態。
豆を渡せないまま、その人は亡くなってしまった。
今思えば、飲めなくたって、豆を眺めてもらうだけでもよかったのかもしれない。

で、これまでコーヒー豆など炒ったことはないのだけど、
手元に残ってしまった豆を、フライパンで炒ってみた。白い豆が次第に茶色くなってコーヒーらしくなって、もうこれでよかろうと適当な勘でひきあげて、手回しの豆挽き機で挽いて飲んでみたら、香りがよくてとてもおいしい。
時間はかかるけど意外と簡単だった。
豆のままなら結構保存できるものだと思った。
種子なんだから当然といえば当然だ。


さて。
フローレス島やスラウェシ島の山岳地帯ではコーヒーを盛んに栽培している。
現金収入源としてとてもいいという。コーヒー園を持っていることは「ちょっとうれしいこと」だ。たいていは各家庭で零細にジャングルの一角や庭先で栽培している。

その豆を庭で干す。そういえば黒い豆を干しているけど、なぜ黒いんだろう? 炒ってから干している? そんなばかな。考えたこともなかった。
とにかく、そんなところを歩いていると、インドネシア人が「日本ではコーヒー採れるか?」と聞く。決まって、みんな聞くのだ。
「採れません」と真面目に答えつつ、内心では「知らないの?」なんて思っていたりする。しかし。
途中で気付いたのだけど。
恐らく彼らは、分かっていて聞いているのだ。
つまり、「俺らの土地はコーヒー採れるんだぞ、いーだろー。お前の国は採れないだろう、かわいそうに、はっはっは」てな具合。
そうでなければあんなにみんながみんな、嬉しそうに聞いてくるわけない。
どうせ採れませんよーだ。

さてさて。
スラウェシ島タナ・トラジャ地方の山中の道を歩いていると、どこかから、ポン、ポン、ポン、とリズミカルな音が聞こえてくる。石臼でコーヒー豆を搗く音である。
その音はやわらかくて、眠けを誘うようでもあり、何だか平和で天国に行けそうな感じに聞こえる。

音にひかれていくと、庭先で主婦たちがコーヒーを挽き、子どもたちがその周りで飛び回っていた。
挽いた豆はふるいにかけて、細かくなるまでまた挽くのだ。

トラジャの人達は大量にコーヒーを飲む。ポットにいっぱいいれて、お茶の時間には
耐熱ガラスの中ジョッキに入れて、砂糖を大量に入れて飲んでいる。
彼らはコーヒーとタバコを片時も手放さない割には、結構歯が白い。不思議だ。
何か別の食べ物で白くしているのだろうか?
あるいは伝統の秘密の歯磨き粉があるのだろうか?



 

写真/スラウェシ島タナ・トラジャで(2008年)
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ハキダメギクを食べてみる

2013-06-05 | 自然

ジャワ島バトゥのネギ畑で、ハキダメギクが一面に生えていて
それが食べるものなのだと、そこにいた人に教えられた。
  →ネギ畑のハキダメギク
ハキダメギクというけれど、汚い場所に生えているわけではなく、普通にかわいい草。

この草が日本の我が家のネギ畑に生えてきたので、
2本ばかり抜いて、おそるおそる食べてみた。

キク科の植物はほぼ食べられるし(私の知る限り、ほぼ全部ではないだろうか……)、
しかもおいしいものが多い。
あのセイタカアワダチソウだって、若い葉は結構おいしい。
ただ、このハキダメギクはヒメジョオンと同様に茎に白い毛が多いので
ちょっと食べるのに抵抗を感じる(おいしくなさそう)ということはある。

……バトゥで見たハキダメギクはこんなに毛があっただろうか? もちろん、日本にあるものと近縁というだけで、別種ということもありうる。


で、食べた結果、おいしいとは言い難かったです。
シンプルに、ゆでて、おしょうゆを垂らして食べてみたのだけど。
ちょっと油臭いような香りがして(確かほかにもそういうキク科があった気がする)。
しかし、うまく料理すれば、そのクセが結構いい味を出すかもしれません。

本当にインドネシアで食べられているのか、今も半信半疑。
食べているとしたらどういう料理があるのだろう。

それにしても、ハキダメギクはネギと仲良しなんだろうか。
植物の中には、常に一緒にいるカップルというのがよくある。

写真/わが家のハキダメギク

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