近所のスーパーの「おせち」売り場です。世間は「年末モード」一色に染まり、テレビはスペシャル番組ばかりで「時計代わり」の用をなさなくなりました(^^;
さて、もういくつ(か)寝るとお正月。前にも書きましたが、私はこのシーズンが苦手です。ところが、小さな頃は歳末の雰囲気が大好きでした。中でも、大晦日に母と一緒に年末の買い出しに出かけるのは、私にとって大好きなイベントでした。
近所の商店はもちろん、デパートでさえ、三が日はお休みが当たり前の時代です。もちろん、コンビニなどありませんから、3~4日分の食料を買いだめする必要がありました。
買い物から戻った後のちょっぴり豪華な夕食は、一年で最も楽しい数日間のはじまりでした。夕食後、母はテレビを横目で見ながらおせち料理の仕込みにかかり、子供達はゲーム。家族の誰もが、この日ばかりは妙に機嫌や物わかりがよく、ゲームをしても兄弟喧嘩にはなりませんでした。あのような光景を「家族団らん」と呼ぶのでしょう。
先日、従兄弟とメールをやりとりする機会がありました。「歳のせいか、昔のことばかり追いかけている」と話したところ、「豊かとはいえないあの頃の暮らしはいやだった。親も実家もなくなってしまったけど、みんなが元気だったあの頃の方が幸せだったのかな!?」という返信が届きました。きっと、最後の「?」に何かの思いが込められているような気がしました。
「三丁目の夕日」の時代には戻りたくないという方も少なくないようです。「昭和33年」(布施克彦著=ちくま新書)という本も読みました。単純に当時を懐かしく思えない人の気持ちや、本に書いてあることはよくわかります。
それでもなお、私があの時代のことを愛しく思ってしまうのは、私にも「両親や兄弟という家族がいた」からだと思います。両親も二人の兄弟も健在なのに、おかしな話です。