私の三丁目

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」と共によみがえるあの頃、そして今

5年後の一平と美加ちゃん

2012-01-31 06:36:02 | 映画「三丁目の夕日」

写真は美加ちゃんが一緒に住んでいた頃の鈴木オートです。

先日も触れましたが、「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」では、残念ながら一平と美加ちゃんが再会するシーンを目にすることはできませんでした。

ところが、美加ちゃんと一平は、まだつながっていたようです。

六ちゃんと菊池先生が、東京駅の新幹線ホームから九州へ新婚旅行へ出発するシーン。

「一平くん、お祝いに一曲弾いてくれるかと思って、期待してたんだけど」

「どうせおれは音楽向きじゃなかったんだよ」

というやりとりがありますが、ノベライズ本では二人のセリフの間に、こんなやりとりが挿入されています。

「あのさ、六ちゃん」

「ん?」

「これ頼む。福岡のあいつに渡してくれないかな」(と、バンド演奏を録音したテープの入った箱を渡す一平)

「あいつ?」(と、とぼける六ちゃん)

「美加ちゃん、なんて言うかしらね」(と、混ぜ返すトモエさん)

「手の込んだ嫌がらせだとおもうんじゃねぇか? なんせ、へたくそだからな」(と、とどめをさす則文さん)

映画本編には登場しなかったやりとりですが、「美加ちゃんがまだ福岡にいる」という設定であったことが、うかがえます。

台本にあったのに何かの理由でカットされたシーンなのか、それともノベライズだけのお話しなのか? (昭和34年から)5年後の二人の関係が、とても気になります。

鈴木オートの気持ち

2012-01-30 14:31:38 | 映画「三丁目の夕日」

情景フィギュアの新旧鈴木オートを並べてみました。左が「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(昭和34年バージョン)、そして右が「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」(昭和39年バージョン)です。

今回の「情景フィギュア '64」では、全 8 種類のストラクチャが発売されていますが、一番重いパッケージがこの「鈴木オート '64」です。つまり、それだけパーツが多いと言うことです。

第一作ではロクちゃんに「おらだって、こんたら小さい、修理工場だなんて思わなかっただ」と言われ、「なにぃ、俺がこの鈴木オートを建てるためにどれだけ苦労したと思っているんだ!」と、怒髪天した則文さん。

そして、「続・三」冒頭のシーンで、ゴジラに破壊された鈴木オートの建物を見て、「てめぇ、俺の鈴木オートをぶっ壊しやがったなぁ!」、とこれまた激怒した則文さん。

私は今回、改めて「鈴木オートを建てた則文さんの苦労」が、身にしみてわかりました。写真の状態に組み立てるまで、私は一時間半かかりましたから(苦笑)。

すべてのストラクチャを組み立てるまで、あと、どのくらいかかるのでしょう。

「昭和」を舞台にしなくても成立する「家族のストーリー」

2012-01-29 10:44:22 | 映画「三丁目の夕日」

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」、昨夜、義兄夫妻を誘って、「夫婦50歳割引き x 4 枚」で二度目の鑑賞をしてきました。エンドロールが終わって最初に思ったこと、「あと、3~4回は観れるな」(笑)。

六ちゃんと菊池先生を前に、則文さんが逡巡しながらも結婚を許すシーン、茶川先生が、一世一代の大芝居で淳之介の真意をただすシーン。スクリーンに映し出されている光景と平行して、私の脳内には前二作のシーンが映し出されて(思い出されて)、よけいに泣けました。

気がつけば今回は、昭和の街並みなどは、それほど多く登場しません。私は、「懐かしい昭和の風景」につられて、この作品に魅了されてしまったわけですが、「'64」を見て、もはや「昭和」を舞台にしなくても成立する「家族のストーリー」のような気がしました。

シネコンへ行く前に一緒に夕食をとったのですが、その時義兄が身につけていた新しい時計に気がつきました。聞けば娘からプレゼントされたとのこと。「携帯電話があるから、腕時計なんかいらないんだよ」、「夏は汗をかくから、腕時計は手にベタベタくっついてイヤなんだよ」などと照れ隠しをしながらも、表情はデレデレに崩れっぱなしを義兄をみて、なぜか私までうれしくなりました。

復刻版「出前一丁」と「日清ちびっこのど自慢」

2012-01-28 00:10:46 | 映画「三丁目の夕日」

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」タイアップの復刻版インスタント麺と、1パック(5個入り)に一個ついてくる「なつかしのおもちゃ」フルコンプです。

「昭和発、業界初の即席焼きそば=日清焼きそば」、「昭和の大発明=チキンラーメン」、そして「昭和から一途にごまラー油=出前一丁」の三種類が発売されています。

おもちゃは「丸いメンコx2枚」、「あやとり」、「東京タワーとミゼットのペーパークラフト」の三種。

近くのスーパーではまったく見かけなかったので、「日清 e めん Shop」で箱買いしてしまいました。お昼に奥様と二人で、懐かしい「出前一丁」を食べました。

「出前一丁」といえば「日清ちびっこのど自慢」。出場した子供達が、大村崑さんから「出前一丁」を「箱」ごともらっているのをみて、とてもうらやましく思ったものです。あの頃は、一度に 3 個や 4 個は、食べられそうな気がしたものですが、今は絶対無理。

まだ、計 88 食も残っています。毎食インスタント麺を食べても、2 週間かかる計算です。セブンイレブンで、これまた箱買いした「チキンラーメンどんぶり」も残っているのに、どうしましょう(泣)。

再会したかった人たち

2012-01-27 00:03:20 | 映画「三丁目の夕日」

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」では、鈴木オートや茶川先生の家族をはじめ、たくさんの懐かしい人々と再会することができます。

ロクちゃんの結婚式では、就職列車で一緒に上京した親友の石橋初子と小池すえ(二人の名前、ご存じでしたか?)や、結局ロクちゃんにふられてしまい、教会で大泣きする中山武雄の姿をみることができました。

でも、私が再会を期待していた二人は、残念ながら今回は登場しなかったようです。

一人目は、淳之介の実父、川渕康成さん。

劇中では、どちらかといえば「嫌われ役」。「続・三」では、スクリーンに登場してすぐに、夕日町の人々から「帰れコール」を浴びてしまいました。

それでも、芥川賞を獲ることができなかった茶川先生を許し、ヒロミと淳之介という「新しい家族」を優しく見守りながら、夕日町三丁目を後にしました。そして、その後ろ姿に頭を垂れる茶川先生。私の大好きなシーンのひとつです。

そしてもう一人が、鈴木家に預けられていた美加ちゃん。鈴木家を去るときにトモエさんに言った「ありがとう、おかあさん」は、「続・三」のなかで、私が一番感動したセリフです。

成長した一平や淳之介だけでなく、女子高生の美加ちゃんにも会いたかった。福岡に引っ越した美加ちゃんと一平の「遠距離恋愛」が描かれることを、密かに期待していた私としては実に残念でした(笑)。

次回作では、お二人と再会できますように!

携帯電話のなかった時代

2012-01-26 00:01:53 | 映画「三丁目の夕日」

きせかえ touch で「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」のテーマをダウンロードしてみました。なかなかいい感じです。言うまでもなく、スマートフォンどころか、携帯電話などというものは、昭和39年には存在しませんでした。

「その前に名を名乗れ、おまえ誰だ? 菊池? そんな奴、俺は知らねぇな。おい、六。菊池っての知ってるか?」

「さて、だい(れ)だっぺ?」

という、則文さんとロクちゃんのやりとりは、笑えるだけでなく、この時代に青春を送った世代ならば、誰もが「わかる、わかる」と頷いたはずです。

携帯電話とは異なり、トイレやお風呂と同じように、電話は一家に一台しかないのが当たり前で、彼女に電話をする時には、常に「彼女以外の誰か」が出てしまうリスクがありました。

それでも「彼女と話をしたい」男どもは、「彼女が、せめて妹が出てくれますように」と祈りながらも、時として、あるいは毎回、まだ会ったこともない彼女のお父さんとの闘いから、逃げるわけにはいかなかったのです(笑)。

「ロクちゃん以外の誰か」の中でも、「もっとも避けたい人物」である則文さんに受話器を取られてしまったあげく、ガチャンと切られてしまった菊池先生の気持ちがよ~くわかるシーンでした。

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」次回作(4作目)は?

2012-01-25 00:01:10 | 映画「三丁目の夕日」

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」は、この週末の興行収入ランキングで一位を獲得しました。「続・三」の時には、「恋空」に首位の座を阻まれ、なかなか首位に立つことができなかったものですから、自分のことのようにうれしいです。

写真は、先週土曜日に初めて鑑賞したときに、シネコン内のショップに並んでいたグッズです。全部確保していることを確認して、心落ち着く私でした(苦笑)。

さて、期待以上の内容だった「'64」、はやくも続編のことが気になってしまいます。

「続・三」の時には、関係者から、これでもかというくらい「これでおしまい」というお話が流れました。公開直前に行われた、ASAIAGRAPH 2007 のトークイベント「ALWAYS 続・三丁目の夕日 VFXのひみつ」では、山崎監督自身がこんなお話をされていました。

「とりあえず今、次の作品は別のものを予定しているので、昭和には行かないと思うんですけど。まぁ、そうですよね、再現ばかりやっててもねぇ....。再現の方がよろこばれたりするんで、微妙な気持ちになるんですけど。でも、僕自身がその、昭和を次々とやっていきたいということではなくて、まぁ、いろんなジャンルに手を出して行きたいなと思っています」

ところが、現在発売中の「キネマ旬報2012年2月上旬特別号(P.46)」には、山崎監督の次のような発言が掲載されています。

「一作目が終わった時に『二度とないです』と言っていて嘘になってしまいますから、これで終わりとはいいません。自分では『また、やるんじゃないの?』という気がしています。三部作としてキレイに納まるのではなく『男はつらいよ』のようなシリーズになっていく感じもしているんです」

監督ご自身の口から、こんなお話が聞けるなんて、「次」を期待してもよいのでしょうか!?

とはいうものの、新作を公開するたびに「雪だるまのように膨らんでいく私たちの期待」を裏切らない作品を作り続けることが、いかに困難なことなのか。それを思うと、なかなか難しいところです。

子を思う親の気持ち

2012-01-24 00:00:24 | 映画「三丁目の夕日」

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」。私が好きなのが「おい、菊池! 殺すぞ! 捕まったってかまうもんか、こいつを・・・六を幸せにしなかったら、俺はおまえを殺すぞ!」のシーンです。

この時の則文さんやロクちゃんはじめみんなの気持ち、そして女性の社会進出などの時代背景が、オフィシャル・フォト・ブック(P.48)に詳しく紹介されています。

鈴木オートと同じく、我が家も一人息子だけで、娘はいないのですが、あのシーンを思い出すだけで「うるっ」ときてしまいます。

文字にすると実に物騒な台詞ですが、子を思う親の気持ちとして、ものすごく自然に感じることができ、とても共感してしまうのです。則文さんがどれだけロクちゃんのことを大切にしてきたのか。もはや、「使える社員がいなくなって、仕事が回らなくなる」などという問題ではないのです。

親が子を思う気持ちというのは、「捕まったってかまうもんか!」というくらい命がけの特別なのもので、それを知っているからこそ、ロクちゃんもいったんはプロポーズを断ったのでしょう。

これは、時代が変わっても普遍的なもので、このシーンを「あの頃はそうだった」と解釈するのは、間違っていると私は思います。親から子へ、そして親になった子からその子へと、受け継がれていくべき気持ちが、どこかで途絶えてしまったような気がします。

則文さんは本当の親ではないのですが、「命がけで六子さんを幸せにしてみせます!」という菊池先生の言葉をうけて、「だったら、くれてやる!」と「許し」を与えてしまいます。そこで、一部始終を盗み聞きしていた一平が「感動の場面なのに悪いけど、それってお父ちゃんが決めていいの?」といった意味のチャチャを入れるわけですが....。

安心してください。実は、ロクちゃんのご家族も、しっかり結婚式に出席しているのです。劇場パンフレット(P.30)によれば「三作目にして初めて、六子の父母、兄二人(長男と二男)、姉(長女)が登場。鈴木家の横にいる5人組が、青森からやってきた六子の家族なので、ぜひ本編でご覧あれ」とのこと。よかった。

ちなみに、「(警察に)捕まったってかまうもんか!」と言う則文さんは、すでに菊池先生に対する「傷害事件」を起こしてしまっているわけですが、あのシーンもよかったですね(笑)。

山崎監督が 3D を手掛けた理由(わけ)

2012-01-23 07:34:14 | 映画「三丁目の夕日」

吉岡秀隆さんの巻頭ロング・インタビュー+「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」特集が掲載された「キネマ旬報 2月上旬特別号」です。

インタビューの前半は「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」について語られています。さまざまなメディアで似たような内容のインタビューが報じされていますが、この雑誌は一歩踏み込んだお話が聞けるのがおすすめです。

さらに特集には山崎監督のインタビューも。今回の「3D」について、私はずっと「山崎監督が三作目を手掛けるための条件」のようなものだとばかり思っていたのですが、監督自身は最初、どちらかといえばネガティブだったようです。

『3D はまだ制約の多いテクノロジーですから、正直気が進まなかったんです。こういうしみじみした話に 3D は向かないと抵抗したんですけれど、(阿部 EP に)当時アバターを上映していた劇場に連れて行かれて....』

そして、「どうせやるならば、アバターと同じように、最初から 3D で撮影する技術を使ってやりたい。そのためには時間もかかるし、予算もかかかる。そこまでやる覚悟があるのか」という監督に対して、阿部 EP が「それでもやる」と具体的な予算を提示し、「じゃあ、やってみますか」となったとのこと。

「3D」による「リアルな夕日町三丁目」が実現した背景には、今回も、映画作りにすべてをかける人々の、こんなやりとりがあったのですね。

ALWAYS 三丁目の夕日 '64 観てきました

2012-01-22 07:59:40 | 映画「三丁目の夕日」

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」、公開初日のレイトショーで 3D バージョンを観てきました。

ロクちゃんを我が娘のように、いやそれ以上に思いやる鈴木オートの則文さんの葛藤。一世一代の大芝居をうち、淳之介の夢を叶えるため、自分にとってもっとも悲しい道を選ばせる茶川先生。家族を愛する心に、涙腺が崩壊しました。

それにしても、役者陣のすばらしいこと。ただただ、ロクちゃんの幸せを思い、揺れる「花嫁の父の葛藤」を演じきった堤真一さん。そして、「芝居の中の芝居」を見事に演じ分けた吉岡秀隆さんには、私の力ではどうにもなりませんが(笑)、日本アカデミー賞の最優秀賞を差し上げたい気持ちです。

全二作では、小学生の一平や淳之介が私のアバターとなり、鑑賞中は昭和の世界にタイムスリップしてしまいましたが、二人が高校生になった今回は、そこまでの感情移入とはならず、作品をより「物語」として観ることができたような気がします。

「あぁ、もしかすると、私以外の多くの人たちには、こんな目線で観ていたのかな」という感じです。

3D バージョンは、東京タワーの先端に触れそうになったり、いろいろな仕掛けで楽しませてもらいましたが、「3D を強調しすぎない演出」が「3D じゃなくてもよかったかも」と感じさせたところもありました。次回は 2Dバージョンを鑑賞したいと思っています。