私の三丁目

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」と共によみがえるあの頃、そして今

ヒロミさんが途中下車した駅は

2008-07-04 20:33:32 | 映画「三丁目の夕日」

「行こうと思ったのよ、あなたのことはきっぱり忘れて。でも、途中から引き返してきちゃった。こんなの読んじゃったら、どこへも行けないよ」

このシーンを初めて観たとき、私の涙腺は決壊していました。さて、大阪へ向かうためにこだま号に乗ったヒロミさんは、どこから「途中で引き返してきちゃった」のでしょうか?

昭和34年当時、こだま号は2往復が運行されており、第1は朝7時、第2は午後4時に東京駅を発車していました。ヒロミさんはどちらのこだま号に乗って、どこから引き返してきたのでしょう?

結論から言ってしまえば、その答えは「豪華版DVD」付属のブックレット「記録 ALWAYS 続・三丁目の夕日」のP.16に書かれていました。

ヒロミさんが乗ったのは「第2こだま」号だったのですが、「実際には午後4時発」であることを承知の上で、映画では「午後2時半頃発」という設定にしていたようです。途中下車したのは横浜駅でした。

私が「正解」の存在を知ったのは、この記事を書き始めるわずか30分前。

以下、「正解を知らない昨夜の私」は、ある「誓約書」と引き替えに奥様のお許しを得て手に入れた「復刻版時刻表昭和34年7月号」を読み解きながら、こんなにも盛り上がっていたのでした(笑)。

新橋駅烏森口から徒歩15~20分ほどの場所にある夕日町三丁目(西久保巴町あたり)にヒロミさんが帰ってきたのは夕方。いったん乗車したこだま号を途中下車して、夕方、新橋駅に戻るにはどのようなルートが考えられるでしょうか。

午後4時に東京駅を発った「第2こだま」号が横浜駅に到着するのは4時23分。ここで下車しなければ、次の停車駅は午後8時28分に到着する名古屋ですから、この線はナシ。

横浜駅で途中下車すれば、午後4時40分発の東海道線「716」列車を利用して、午後5時5分に新橋駅に到着します。これならば、午後5時半頃には夕日町三丁目にたどりつけそうです。

しかし、ここでひとつの疑問が....。芥川賞選考結果を伝える電話をトモエさんが受けたのは午後2時ちょうど。

武雄の懺悔や、則文さんに命じられた川渕さんの「読書」の時間があったとはいえ、鈴木オートの居間に集った人々の人間模様が延々3時間半も続くというのは無理がありそうです。

う~ん、とはいうものの、ヒロミさんが午前7時発の「第1こだま」号に乗った場合、横浜駅で下車すれば時間がありすぎますし、次の停車駅名古屋着は午前11時28分ですから、その日のうちに東京へ戻れるはずがない....と。

ところが、時刻表を眺めているうちに、「第1こだま号に乗車して、名古屋駅で途中下車」した方が、「第2こだま号に乗車して、横浜駅で途中下車」するよりも、夕日町三丁目に早く戻れる、いや、戻れそうなことに気がつきました。

午前11時28分に「第1こだま」号を名古屋駅で下車し、同駅発午前11時37分の上り「特急つばめ」号に乗車すれば、午後4時30分に東京駅に到着します。

となれば、東京から新橋まではわずか5分。午後5時には、ヒロミさんが芥川さんと竜之介の前に姿を現すことができそうです。

わずか30分間の違いしかないのに、「うん、これしかないな」と納得した昨夜の私は、この「新説」を誰かに伝えたい衝動をこらえながら、寝ることにしたのでした。

ところが、映画の設定と事実が異なっていても「そんなの関係ねぇ」派の私の妄想タイムスリップは、ブックレット中にあった「正解」の前に撃沈してしまったのでした(笑)。昨夜の盛り上がりは、いったい何だったのでしょう!?

※写真は大阪・交通科学博物館に展示されているこだま号です。

昭和34年のサンフランシスコ便

2008-07-02 20:39:27 | 映画「三丁目の夕日」

「これから商談でサンフランシスコに飛ばなくちゃいけないんだが、どうしても君に言いたいことがあってね」

秘書の佐竹さんに羽田空港まで連れていかれた茶川さんに、川渕さんが投げかけた「最後通告」。茶川さんが見上げる青い空の下、川渕さんの乗ったJALのDC6はサンフランシスコへ向かって飛んで行ったのでした。

写真は昭和34年6月15日現在の航空時刻表です。JALのサンフランシスコ行きは、月曜22:30、水曜21:00、木曜22:30、土曜22:30と週4便が運行されていましたが、いずれも夜間のフライトだったようですね。

ちなみに私は、映画の設定と歴史的事実が異なっていても「そんなの関係ねぇ」派です(笑)。川渕さんが乗った飛行機は臨時便だったかもしれませんし....。

実は昨夜から「時刻表タイムスリップ症候群」を発症してしまい、脳内を懐かしい光景と時刻の数字が乱舞しています。症状が落ち着いてきたら、顛末をまとめたいと思っています。