日蓮聖人のご霊跡めぐり

日蓮聖人とそのお弟子さんが歩まれたご霊跡を、自分の足で少しずつ辿ってゆこうと思います。

寂光山龍口寺(藤沢市片瀬)

2017-01-22 15:20:30 | 旅行
今日は四大法難の舞台、龍口寺を訪ねました。

江ノ電はゆる~い空気を醸し出しながら、龍口寺前の交差点を過ぎてゆきました。


腰越から片瀬に向かう道には、海の幸を食べさせてくれる飲食店が多数並んでいます。
松葉が谷で捕らえられた日蓮聖人が龍ノ口の刑場に連れてゆかれたのは、まさにこの道のようですね。


龍口寺の入口です。


この柱看板は目立ちますね~
「霊跡本山」なんですね。


巨大なお題目の石柱が立っています。


この石柱の土台部分に、ちょっと興味深いものを発見しました。
「相州中郡講中」
中郡は僕の住む町がある地域です。
よく見るとその詳細地域も書かれています。

「講中」とは「こうじゅう」と読むそうです。
「講」とは、同じ信仰を持つ人々による結社のことらしく、
「講中」とはその構成員のことのようです。

今でこそ各地の宗務所なんかがその役割を果たしているのでしょうが、昔は地域、職場などいろんな単位で「講」があったようですね~。
お寺にある石碑に、結構「~講中」って刻字があるんです。

中郡からも大勢の信徒が参拝に訪れ、石柱を奉納したのだと思われます。


龍口寺は当時の刑場跡に建てられました。
この石碑付近に刑場があったようです。
「敷皮」という、首の座に敷く敷物を置いていた石、その石が「敷皮石」として本堂に安置されているそうです。


慰霊のためでしょう、お題目の塔が立っています。


仁王門です。


瓦の一枚一枚に「龍」の字が刻まれています。


仁王門の天井にも龍の絵が!!!


左側に山号が書かれていました。
「寂光山」です。


山門です。
とにかく彫刻が、それはそれは見事な門です。




中国の故事を彫刻にしたもののようです。
超絶の技術ですね~!


日蓮聖人像です。
柔らかな印象です。


でも目は厳しいです。


大本堂です。
1832年建立、欅造りだそうです。
堂々たる威容のお堂です!!
(大本堂内は撮影禁止なので画像がありません)

龍口寺の始まりとなった「敷皮石」は大本堂内、祖師像左側に篤く祀られていました。
御祈祷をお願いしたため柵の内側に入れたので、間近で拝めました。

色は黄土色、よ~く見ると光沢のある粒子も混ざった、何だろう、粘土質なのかな、直径60cmくらい、形は赤血球?みたいな石でした。

間近でご霊跡の神髄を拝むことができて、本当に嬉しいです。


龍口寺は山を背負っています。その切り立った傾斜面に、この大本堂を囲むように史跡、建物があります。


御霊窟です。
松葉ケ谷の草庵で日蓮聖人は平左衛門頼綱に捕らえられました。表向き佐渡流罪の名目でしたが、実は龍ノ口の刑場で首を斬られる予定でした。
刑場に着き、日蓮聖人はこの御霊窟で執行の時を待ちました。

そして闇夜の晩、例の敷皮石に首を据えられ、まさに今、太刀が振り下ろされるという時に、江の島の方面から、光の玉のようなものが飛んできて、空が光り渡ったそうです。

この超常現象(?)に人々は驚き、処刑は急遽、中止になりました。


この光景を目の当たりにした日蓮聖人は後に「龍ノ口に日蓮が命をとどめおくことは、法華経の御故なれば寂光土ともいうべきか」と記し、これが「寂光山」の山号の由縁となったようです。
僕も毎朝、お経をあげていますが、いわゆる運想の中に「常寂光土現前し・・・」という一文がありまして、馴染みのある山号です。


七面堂です。


七面山の七面天女を祀ります。


その脇を龍神様なのかな?龍が守っています。
江の島には、弁天様に恋をした五頭龍が鎮座しており(だから江の島には龍が多いんですね!)、その口の部分に当たるのが、ここ龍ノ口なんです。


鵠沼方面から見えるインド風の建物、それがこの仏舎利塔です。
内部には、インドのネルー首相から拝受したご仏舎利(釈尊の御真骨)があるそうです。
それってすごくない?


五重塔です。
この塔の事をサンスクリット語で「ストゥーパ」というそうで、それが卒塔婆の語源になっているそうです。
言われてみれば卒塔婆のアウトラインって五重塔に似てますよね!



塔には細かい彫刻が随所にありまして、これらは日蓮聖人の生涯を表すもののようです。


大本堂の奥に見える五重塔の遠景がキレイです。


この建物、カッコよくないですか?
立派な屋根が三段!
大書院っていうそうです。
元々信州にあった蚕糸御殿が移築されたそうです。


一段目は「龍」の文字


二段目は井桁に橘の宗紋


そして三段目は鬼瓦!!!


そうそう、境内にこんな石碑もありました。
萬人歯骨塚です。
日蓮聖人はそのご生涯で何本かの歯を失われたそうです。今まで自分の命を支えてくれた分身として、日蓮聖人は毎月それらの歯を仏前に供え、礼拝されたそうです。
生かして頂いている事を日々感謝するという、仏教の神髄を教えられたような気がしました。


参拝を終えて、門前にある上州屋さん(和菓子屋さん)に寄りました。


龍ノ口といえばぼた餅、といわれますので、難よけのぼた餅を買って帰りました。

今年は平穏な一年でありますように。
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