日蓮聖人のご霊跡めぐり

日蓮聖人とそのお弟子さんが歩まれたご霊跡を、自分の足で少しずつ辿ってゆこうと思います。

養老妙見山(養老町養老公園)

2018-01-08 17:56:34 | 旅行
僕のカミさんの実家は、東京都下の町なかで小さいお寺を護っています。
お墓も檀家さんもない、いわゆる「日蓮宗教会」という形態です。
毎月15日に近所の信徒の方々が集まり、一緒にお経をあげたり、身延山に団参に行ったりという活動をしています。

3年前に亡くなったカミさんのお父さんは、日蓮宗教師として地道に教会を主宰してきました。
そのお父さんを長年支え続けたお母さんは、一時体調を崩しましたが、最近ようやく元気になってきました。
お母さんは以前から「いつか養老の丈六様を拝んでみたい」と言っていました。

こういうのは実現できるときにしてあげないと!ということで・・・
僕たち夫婦でお母さんを連れて、行ってきました!岐阜県養老町!!
↑画像は養老公園の駐車場ですが、現地は養老山地の中腹というのがよくわかると思います。
遠くに濃尾平野が見えますね!

駐車場管理のおじさんに聞くと、丈六様はここから徒歩でかなり登るようです。


この界隈は瓢箪が名産品らしく、無数の細かい穴を開けて作った照明などが展示されていましたよ!


道沿いに川が流れているのですが、この水は有名な「養老の滝」から来るそうですよ!


よく見るとこの橋、「妙見橋」ですね~。
丈六様は妙見堂に安置されているそうです。もう近くなのかな?


え~!?クマ鈴?
養老山地ではツキノワグマの目撃例があるそうで・・・けっこうリアル!


こんな坂が「これでもか!」と続いています。


あ!妙見堂の看板!
もうすぐだ!


到着~!


この妙見堂は、地元の養老教会が護持して下さっているようです。


奥が妙見堂です。
大自然に溶け込んでます。


事前にお上人に連絡を取っておいたので、お堂を開けて待っていて下さいました。
※拝観希望の際は、養老町の教育委員会に連絡を取ると、お上人に取り次いで下さいます。


扁額には「養老妙見山」と刻字されています。
身延山21世(江戸初期)の日乾上人が祈雨された霊場に、明治時代にお堂を設け、妙見大菩薩のご尊像が安置したのがルーツだそうです。


数年前にここで火事があり、庫裏が焼けてしまったそうです。現在は土台のみが残っています。
消防車が入れず消火が遅れてしまいましたが、妙見堂は無事だったそうで、何よりです。


妙見堂の正面に一丈六尺のお釈迦様のご尊像、右側に妙見様がお祀りしてありました。
こちらの丈六様は黒いご尊像で、金色の衣をまとっています。
直接の画像はありませんが、とても優しい印象で、我々を包み込むようなオーラを感じましたよ!


このご尊像は一木三体仏といい、
先日訪問した身延山にある丈六堂にお祀りされているご尊像や、


1年前に訪問した厚木依知・妙伝寺の釈迦堂にお祀りされているご尊像とともに、江戸時代に京都の日護上人という方が同じ木から彫り出したそうです。(戦争で焼けてしまった大阪・一心寺のご尊像、という説もあります)

カミさんのお母さんは念願の丈六様に参拝できて、とても喜んでいました。
「どんな宝石をプレゼントしてもらうよりも嬉しい」と言ってもらって、僕たち夫婦も嬉しかったです!
こういう親孝行もあるんだな~と思いました。


お釈迦様のご尊像や妙見様もさることながら、我々を魅了したのがお上人のお人柄!
初対面の我々にもざっくばらんにお話しして下さるので、ついつい話し込んでしまいました。


特筆すべきは、こちらのお上人、個人的に法華経を現代語訳しており、それを独特の調子で読誦するという試みをされています。
信徒さん達が読んですぐに意味がわかるような表現に訳しており、訓読よりも更にわかりやすくなっています。
「一節一節、時間をかけて言葉を選んでいるので、なかなか進まなくて・・・」と笑うお上人!

ぜひ、ライフワークとして続けて下さいね!