金魚日記

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お気楽飼い主の日々の暮らし

頑張ったよ!

2010年11月09日 | Weblog
明け方夢を見た。

手術台に横たわるきーちゃんの頭のところに先代のゴールデン、あっ君が座ってた。

あっ君はじーっときーちゃんの顔を見ている。

私は泣きながら「きーちゃんを連れて行かないで」とあっ君に訴えていた。

普通ならこのシチュエーションは「あっ君がきーちゃんを見守っている」と捉えるのだと思うけれど

その時の状況が、いかにもきーちゃんが天国に召される、というものだった。

だから私は必死であっ君に懇願した。


そんな夢を見て、私の心は不安でいっぱいだった。

今は亡き、ジミー、あっ君、シュワの写真に向かい、どうか妹を見守って、と祈った。


夕方6時半。いよいよきーちゃんの手術。

今日一日、たくさんのお友達から

「きーちゃん頑張れ!」

「祈ってるよ!」とメールをもらった。

不安をいっぱい抱えながら病院に向かった。

肝臓の数値が悪かったら、手術はできないよ、と先生に言われ、先ずは血液検査。

結果が出るまでの10分間、長く感じた。

結果が出て先生が驚きの声をあげる。

「素晴らしい数値!白血球も赤血球も肝臓も腎臓も満点過ぎるくらい健康優良児!!」と。

手術の準備がはじまる。

私はガス麻酔のマスクをきーちゃんに当て、呼吸を見る係り。

相方と先生の奥さんが助手。

血管に麻酔薬を入れ、効いてきたところでガス麻酔開始。

当初は15分で終わらせる、と言っていたものの、思いの外腫瘍が深く、また出血も多く手間取る。

きーちゃんの呼吸の様子を見ていると先生の腕越しに手術の様子が見える

途中相方に「お前、血の気が引いてるからこっちを見るな」と言われてしまった。


腫瘍切除終了まで約20分。

切除後、周りの組織に転移などないか確認。


それから縫合。出血が多く、たくさんの鉗子で止血。

縫合に30分。

途中、麻酔がさめてきて激しく顔を動かし出し麻酔追加。


量が増えたことで先生の縫合ピッチも上がる。

最後の針がパチンと切られ、先生はすぐに麻酔を止めた。

きーちゃんの呼吸は終始は安定。

きーちゃん、きーちゃん、と呼ぶと少しづつ麻酔から醒め、私の顔をぺろりと舐めた。



そして先生に「本当によく頑張ったな!偉かった!」と頭をくしゃくしゃっと撫でられ嬉しそうに尻尾を振った。

そして相方の姿を探し目をきょろきょろ。

きんぎょ、よく頑張ったね、お父さんここにいるよ、と相方がきーちゃんをハグ。

何が起こったか分からないけど、とっても嬉しそうなきーちゃん。



5分、10分、15分と時間が経つにつれ、尻尾はぶんぶん、目はきらきら。

もう起っきする!と身体を動かしはじめたので、先生に手術台から降ろしてもらった。

そしてご褒美のささみのクッキーを先生にもらい、バクバク食らいつく(笑)

先生も奥さんも私達も大笑い。

麻酔をかけられ横たわるきーちゃんを見て、心配と不安で手術中、涙が止まらなかった。

でも、しっかりしなきゃ!と懸命にマスクをあて続けた。

まるで何事もなかったかのようにニコニコしているきーちゃんを見て

この子はなんて強い子なんだろう、と改めてきーちゃんの生命力の強さを感じた。

摘出した腫瘍はこれ。



病理出す?と先生に聞かれた。

これは手術が決まった時からどうしたもんか悩んでいた。

手術の前に先生と話しをして

「病理に出してもし悪性腫瘍だったとして、先生、金魚に何ができる?」

「化学療法もできないし手術もできないからね、分かってると思うけど」

「そうだよね。なんにもできないよね。でも今はきーちゃんの身体にあるこれを取ることしか私には考えられない

 それに、これ以上、もうきーちゃんの身体に悪い物があるなんて思いたくない。
 
 私はもう何も知りたくないし、怯えるのは嫌だ」と答えた。

先生も

「それでいいと思う。今、ここにある腫瘍を切除する、それだけを目的にしよう」と言ってくれた。

だから病理には出さず、腫瘍は先生がジップロックに入れてくれたのでテイクアウトされて我が家にあります(笑)


動物ってすごい。

人間だったら腫瘍を摘出したら、その夜はICUに入れられて、数日はベッドから動けない。
排泄も自分でできないし、チューブにつながれて数日を過ごす。


なのに、きーちゃんは麻酔から醒めたと同時にクッキーを食べ、愛想をふりまき、にこにこ顔。

なんでなんだろう?

なにが人間と違うんだろう?

開腹手術をしたわけじゃないけれど、それだって14才5ヶ月のきーちゃんにとっては大手術。


相方に腕枕をされて穏やかな顔で寝ているきーちゃんがいることが奇跡に思える。

励ましや応援メールをくれた皆様、どうもありがとうございます。

手術成功を喜んでくれた皆様、どうもありがとうございます。

今度きーちゃんに会ったらいっぱいほめてあげてくださいね。

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