父のバイパス手術から二週間。
食事も再開し、今週末には退院して、このまま二週間後には化学療法を受けると言っていたのに。
家族から見たら父の調子は悪く、熱も高い。こんなに頻発して撮る人はいないと嫌がられながらも、今日CTを撮ってもらうと、癌が進行していた。
十二指腸やすい臓まで癌の播種が進行し、圧迫。
病院の方針で、術後四週間は化学療法を受けることはできないので、このままだと余命二週間だと言われた。
外科の担当医はこの状態で死んでしまうと術後死亡となり、外科の責任になる。
それは避けたいので、化学療法科にはなるべくかけあうという事を、ずっと言っていたそうな。
自分達の保身ばかり口にしていたらしい。
大病院特有の縦割り社会のため、緊急で化学療法が受けられるかを決める会議は火曜になると話していた。
余命二週間の患者に、火曜まで待てと。
私たちはセカンドオピニオン外来の準備をするため転医先の病院のリストアップ、最悪な場合のコネを使った東海地方への病院への連絡をした。
コネの医者は父を連れて来たらすぐ化学療法を受けさせると答え、私たちが今診療を受けている病院は特殊だから、緊急の化学療法をすぐ受けさせられないのだろう、と付け加えたそうだ。
酷いを通り越して、辛い。
なんで人の命がこんなに短くなるの?