福岡市東区名島にある名島神社に、一段高いところがある。
江戸時代には、毛利三本の矢で知られている小早川隆景が、居城としていた名島城の跡である。
黒田長政が福崎に城を築いたことで、廃城となり石垣や構築物はすべて移設されたという。
天守閣があったと思われるところに、サクラの大木がまるで龍が横たわっているように枝をひろげている。
臥龍桜は、4年ほど前に公園として整備されるまでは、藪の中でひっそりと佇んで世の趨勢を見守ってきた。
十数年ほど前に神主に教えてもらって以来毎年ご機嫌伺に来ている。
福岡市周辺では最大級のサクラの古木である。
ちょっと樹勢が弱りかけた時期もあったが、このところ毎年見事な花をつけている。
神主の話では樹齢数百年ときいたが、確かに見ていると霊験あらたかに思えてならない。
弁財天、宗像三女人、荼枳尼天が城址に祭られ、桜花を咲かせ人々の安康を願っている。