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会津の旅人宿 地域との交流・旅人との交流が盛んな【会津野】宿主ブログ

地域の話題、旅人のホットな話題、季節のおいしい食べ物の話題など、会津へ旅する人々への話題中心の宿主ブログです。

【会津野】ひとつぶで二度おいしい稀な地域「奥会津」

2016年11月04日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の福島民報1面トップは、外国人を奥会津などに誘客する福島県の事業についてでした。また日経社説では、箱根・富士山・京都などに偏っている外国人観光ルートを地方へと拡大しようというものでした。

どちらも、地方での「体験事業」を育成し提供することが、その背景とされています。

さて、「エクソフォニー」(多和田葉子著)を読みました。

とある大学の入学試験の問題でこの本を読んで答える問題がありました。そこで、興味を持ち読んでみました。

副題に「母語の外へ出る旅」とあります。著者が外国で経験したその国の言葉と、母語である日本語の関係を綴ったエッセーとなっていて、試験問題では「ロサンジェルス」のものが出題されていました。その他にも、「ダカール」、「ベルリン」、「パリ」などと続き、なんと「奥会津」というエッセーもあります。

「奥会津」って日本語でしょ?!と、思いながら読んでみると、そこではアイルランドとイングランドのことが引き合いに出されていました。ここでは、アイルランドがイギリスに対して持っている、距離を創造のエネルギー源として活用する「アイルランドモデル」というものを紹介しています。これを奥会津にあてはめ、東京との距離が母語とは異なる文化を創造をしていると想像させるような文章となっています。

著者にとって、外国の都市で使われる言葉も、奥会津の言葉も、違う言葉としてとらえています。そのうえで、「タンゴ」と「単語」や、「サンバ」と「産婆」といった音が同じでも、全く意味が違う言葉のつながりなどを探し、そこから新たな創造を試みています。

私の住んでいるところは、「奥」のつかない「会津」。千葉県出身の私にとっては、母語と違う言葉が日常的に飛び交っているところです。日常でよく使う「つける」(会津では「登載する」、一般的には「ひたす」)や、「なげる」(会津では「捨てる」、一般には「投げる」)など、これを掛詞(かけことば)として文章を創造してみるのも面白いなと思わされました。

奥会津は、外国人からみた母語でない日本語を、さらにもう一段階別の角度から体験出来る地域です。当然ながら、文化も日本文化に加え、奥会津文化が存在します。

「ひとつぶで二度おいしい」のような方法を使って外国人誘客ができる稀な地域かもしれません。

それにしても、文学者が奥会津の言葉を外国語に例えるとは、ちょっとビックリしましたが・・・

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】さすらい移住体験という地方創生

2016年11月02日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝、「さすらいワーク」という事業が報道されていました。

クラウドソーシング事業を手がける「ランサーズ」によると、岩手県八幡平市と提携し、さすらいワークin八幡平をはじめました。

福島県会津地方では、既存の宿屋に泊まり移住体験をする方を対象に補助制度を設けたけれど、こちらは一歩進んで、「仕事」と「住居」の両方をクラウドソーシングとシェアハウスとして、シェアリングエコノミー的な考えで実施するものです。

「住居」は八幡平市が借り上げたリゾートマンションを活用するとのことですが、ここに民泊管理者という仕事を創生すれば一石二鳥だと思うのですが、税金で借り上げた物件を又貸しすることになるから問題ありでしょうか。でも、この八幡平市の仕組みは、ランサーズに業務委託して物件を貸すものだから、八幡平市から民泊事業者というさすらい人に業務委託するか、ランサーズから再委託すればたぶんOK。言葉のあやのようだけど、「又貸し」はダメで、「委託」なら問題ないでしょう。

さまざまな分野でシェアリングエコノミーが始まるようですが、いま風の仕組みは、ここに書いたように中間業者がはさまり、事業費を跳ね上げていくものが多い。モノの販売は卸売などの中間業者がどんどん省かれる現象が起きていたけれど、コトの需要と供給は、まだ仕組みの造成という仕事があるので、中間業者の必要性があります。

こういう、コトの中間業者が地方に誕生し、元気に活躍をはじめて仕事としてこなしていく。これが、本当の意味で地方創生に成功することだと思う今日この頃です。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】映画「君の名は。」

2016年11月01日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

10月30日で今年の訪日客が2000万人を超えたというニュースが流れています。その裏では、8月のインバウンド宿泊数が37ヶ月ぶりに対前年同月比マイナスに転じたニュースも流れています。良いニュースの裏に潜む諸事実を、しっかりと読み解くことを試されているような今朝の報道です。

さて、先週の土日に文化祭や記念行事で学校へ行った中学生の息子が休みの昨日の月曜日、郡山まで息子といっしょに映画鑑賞に出かけてきました。

鑑賞したのは、「君の名は。」です。

大林宣彦監督の映画「転校生」のように、男女の身体が入れ替わってしまうストーリーなのですが、事前に宮台真司さんの映画評を聴いていたので、「転校生」とはかなり違うストーリーであることは理解しつつ鑑賞しました。

宮台さんは、映画監督新海誠さんの創る以前の映画は、絶対的な関係性と不可能性を持っていたと言います。ところがこの映画は、絶対的な関係性が不可能から可能に転じていることから、大ヒットしたと言います。なお、なぜ大ヒットしたかの具体的なことは、上にリンクを貼ったラジオ放送をお聴きくださいね。

宮台さんは、恋愛の部分についてこの関係性を論じました。しかし私は、絶対的な関係性である「時間」を変えることは不可能なのに可能とする「過去の事実を変えてしまう」という禁じ手が行われたことに注目しました。ただ、それが妄想の世界なのか、現実の世界なのかということはぼかされ、結末までは明かさず、鑑賞者の想像に任せるかたちで終わります。

近い過去の事実が起きるはるか昔の過去に、同じことが起きたこともさらっと紹介されており、古い過去のことをよく考えれば近い過去、ひいては近未来に起きる良くないこともも回避出来るよ、というメッセージが込められているような気もしました。

いままでに経験したことのないストーリー展開だったので、それが大きなヒットにつながっているのかもしれません。

この映画はアニメ映画なので、俳優さんや女優さんの持つ魅力をアピールしているものではありません。純粋にクリエイティビティが評価されるようになったものと感じます。日本の社会も、なかなか良いものだなと鑑賞後観を持ちました。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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