こんにちは!
(株)あいすくむりの加勢です。
今日は「保健所とドンパチをしてしまった件」についてお話したいと思います。
飲食店の運営をしていると、必ずお世話になるのが「保健所」です。
昨年、とある企業から
「新規事業でジェラート店をやりたいのだけど、わからないから手伝ってほしい」
と、コンサルタントのご要望を受け、色々と折り合いがついたので引き受けさせて頂く運びとなりました。
で、店舗の場所や機械の選定、施工業者を決定し、クライアントの会社の担当の方が保健所に赴いたのですが、まあ大変だったみたいです。
※ちなみに僕はその日、同行はしておりません。
何が大変だったのか・・・。
「保健所」さんとのやりとりをしたことがある人はよく理解できると思うのですが、やはり「保健所」さんは「細かい」のです。 実際、細かくないといけないので、僕はそれは悪いとは口が裂けても言うことはできません。むしろ、きちんとお仕事をされているので、凄く立派なことだと思っています。
問題は、僕のクライアントの担当者の方。
「絶対に印象を悪くしないでください。保健所の担当の方も細かいことを言いたくて言っているのではなく、あくまでも決まりなので言ってくるんですよ。」
「で、保健所の方も人間です。こちらが好戦的な態度をとってしまうと、相手方も敵対してきます。それはお互いのためにはなりません。」
「保健所の担当者の方の意見をしっかり聞いて『全力でご指導して頂いた通りにさせて頂きます』と、最後に言ってください。」
と、お伝えしたのですが、結局
「なんで他のジェラート屋がやっているのに、うちの店ではダメなんだよ!」
「保健所の言うとおりにしてたら、金がいくらあったって足りねーよ!」
と、ドンパチをしてきてしまったらしいのです・・・。
気持ちは凄くよく分かるのですが、ここは我慢して欲しかったですね。
まあ僕もお金を頂戴しておりましたし、この事態を収束させないと前に進めないので、仕方なしに代行として、僕が保健所に行ってきました。
で、なぜか僕が
「申し訳なかったです! ウチの担当者も反省しておりました。で、この件に関しては私に一任されたので、代わりに対応させて頂きます。」
と、謝罪をしたのです。
まあ、取り合えず円滑に終わらせて、ようやく次のステップに進めるようにはなりました。
ただ・・・
小一時間ほど保健所の方とお話をしていたのですが、僕のクライアント様が怒りたくなるのもすごくよく理解できました。
無駄なアドバイスをしてくるのですよ。
「ここに窓をつけて、お客様にアイスを作るところを見せた方が良いのではないですか?」
「○○にあるジェラート屋さんは、こいった所に商品を卸しています。初めからそういうことを考えた建物の作り方をした方が良いのではないですか?」
などと、マーケティングのことをアドバイスしてくるのです。
衛生管理のことや、食品衛生・乳等省令のルールのことをアドバイスしてくれるのであれば全然問題ないのですが、商品の提供の仕方や建物のレイアウト、卸先のことなど「保健所の職員」という立場の人間がアドバイスしなくても良いところをクドクドとアドバイスしてきたのです。
しかも、浅はかな素人の考えを永遠と述べてくる・・・
「こっちに入口を移して、イートインができる場所をもっと広げた方がいいんじゃないですか?」
「スターバックスのようなコーヒーなんかも売った方が喜ばれますよ。」
「看板はここよりも、こっちに設置した方が・・・」
と、どうでも良いアドバイスが永遠と続くのです。
・・・
・・・
・・・全部言い返せる。
・・・そうしない理由。そうできなかった理由。
ただ、相手方も
「良かれ」
と思ってアドバイスをしてくるのです。
で、こちらもクライアント様のために、保健所の担当者の方のどうでもよいアドバイスに対して
「そうですね~」
「確かに、それは考えていなかった」
と言いながらメモをとる・・・。
我ながら、よく我慢したと思っております。
ただ、本音を言うのであれば
「お前よりもずっと多くのことを考え、限られた予算とスペースでやろうとしているのに、好き勝手なことを言ってくるんじゃねーよ!」
と思っておりました。
ただ、最後にはきちんと
「全力でご指導して頂いた通りにさせて頂きます!」
と、言ってきましたよ!
「オレ・・・偉い! よく我慢した!」
と、自我自賛しております。
この一連の話を聞いて
「衛生面のことはさておき、マーケティングのことも保健所に指導してもらった通りにするの?」
と、疑問に思う人がいるとは思うのですが、そんなことはありません。
頂いたアドバイスに対して、しっかり考慮し、実際にやろうとする態度を見せることにより、信頼に値する人間であることを演出することができるのです。
「あなたからのアドバイスをもらって、本当にそうしようと考えたけど、よくよく考えてみたら○○という理由があってできなかったんです。」
という風に、相手の意見やアドバイスをきちんと受け取り考慮をする。でも、色々な理由があって実際にはできないけど、より様々な視点で物事を考えることができました。あなたのお陰でより良いお店が完成しそうです!
という姿勢をきちんと見せることによって、人間関係が構築され、許可などもスムーズに所得しやすくなる・・・と、あくまでも感覚的なものではありますが、僕はそう思っております。
保健所に行く・・・
となると、やはり移動時間も含めると半日作業になります。
お互いいがみ合ってしまうと、人間ですから気持ちよくOKを出しにくくなってしまい、結果として訪問回数が増えてしまうのです。我々が行っていることはビジネスで、多くの時間を取られてしまうことは非常に非効率であり、それらはコストになります。感情に流されて無駄なコストをかけてしまうことは、なるべく避けなければいけません。
これは保健所さんに限ったことではなく、様々な業者さんとのやりとりでも同じです。
僕は保健所の方には怒ったことはないのですが、過去、何回か業者さんにぶちギレてしまい怒鳴り散らしたこともあります。
まあ、その後の仕事に支障が出てしまい、やりにくいことこの上なしでした・・・。
どんなにイライラしても、ぐっとこらえて円滑な仕事をしていただければ良いと思う出来事でした☆
何かの参考にしていただけたら幸いです。
(株)あいすくむり → http://aisukumuri.com/