音信

小池純代の手帖から

日毎の音 残 201201

2020-12-01 | 日記

  残


 滾々とまた混々と昏々と残んの雪のなかの紺色

 歹にそつとよりそふ戔ひとつ幽くもまた酷きありさま
 歹:かばねへん  戔:さん幽:かそけ酷:むご         

 残雪も残月も白晒されて骨のやうなるものを残せり


 ナゴリとふ町名ありて名残なる意味より先に記憶せらるる


 残像を重ね重ねて実像になるわけぢやなしぜんぶ残像





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