音信

小池純代の手帖から

日毎の音 切 201222

2020-12-22 | 日記

  切


 切れ者と呼ばれしことも朧にて切れやすき糸増えて老いびと


 「どこからも切れます」といふ切り口よ鋏があるからだいぢやうぶです


 炭を切る灯心を切る太陽を切ることかなはねばその代はり


 切れ切れの空の遠音をひろひつつ夕べ鳥棲む森まで行かな


 切々と霜降るらしも足音に汚れし庭の癒えてゆくらし
 



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