音信

小池純代の手帖から

日毎の音 至 201204

2020-12-04 | 日記

  至


 いますこし耐へれば六花と咲くものを雪に至らず降りそむる雨


 昼過ぎて細雨に至る雨催ひ丁度よくなる暗さの加減


 亡き人の至善を思ふこれよりは善も善ならざるもなきなり


 ぼこぼこの柚子と南瓜を並べ置く冬至前夜の空気ほつほつ


 天体の営みなればなにをするわけでもなくて夏至を過ごし来





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