音信

小池純代の手帖から

日毎の音 柿 201207

2020-12-07 | 日記

  柿


 三郎も太郎もここに来たれかしわが眼前の柿の名「次郎」


 どこをどうどこから見ても収まりのよきかたちなり角丸の柿


 蔕さへも動かしがたき位置にある次郎柿その蔕の十文字


 ああ熟柿 時熟の時を蔵しつつやがて隠れもなく崩れけり


 生家にも婚家にもありし柿の木の実り溢れていまは無きなり






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