音信

小池純代の手帖から

日毎の音 暗 201213

2020-12-13 | 日記

  暗


 篝火を焚かずに一人漕いでゆく誰にも解けぬ暗喩の隘路


 明暗の明にも暗にも日は灯るどう転んでも一日は一日


 ほのぐらくかつみづみづとありしかな水羊羹の餡のむらさき


 暗澹の澹のよろしさ明るさも暗さもこのぐらゐの淡さで


 つめたくてくらいところでゆつたりと蛹はねむるとろとろねむる




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