音信

小池純代の手帖から

柑子蜜柑を贈ります

2021-04-29 | 日記
   桃李雖珍不耐寒 豈如柑橘遇霜美
   如星如玉黄金質 香味應堪實簠簋
   太奇珍妙何將來 定是天上王母里
   應表千年一聖會 攀摘持獻我天子

            空海「獻柑子表」『性霊集』巻四


  翻案句

    柑子蜜柑を贈ります

  いとほしやさむさぎらひの桃すもも

  シトラスの美貌は霜の手柄にて

  つやつやのぴかぴかの黄金の柑子

  ときじくのかぐのこのみを此の籠に

  これやこの不可思議の実はいづこより

  さもあらんふるさとはかの西王母

  千年にたつたひとりのわが帝

  きみがため香りよき実を摘みに摘む


*「獻柑子表」は空海が嵯峨天皇に柑橘を献上したときの
 手紙のなかの詩。
 「小柑子六小櫃 大柑子四小櫃」、京都の乙訓寺の大小
 の柑橘類を合計千個。明るく輝かしい贈りもの。




      







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