音信

小池純代の手帖から

日々の微々 240702

2024-07-02 | 歌帖

     半夏生すこし  


 梅雨の間にうぐひすが来てうるうると鳴くありさまをほろほろと聴く


 花白きところその都度たちどまりたちどまりして梅雨の坂道


 ものなべてこともなきなり半夏生死にたくもなく生きたくもなく


 けむりにも花にも化けてみせませうありやなしやの片白草の毒

                            片白草:カタシロ


 裾物といへどこの世はそらの裾そらよりほかによき衣なし









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