音信

小池純代の手帖から

日毎の音 紅 201210

2020-12-10 | 日記

  紅


 掌中の水晶玉の末裔が「紅まどんな」として降臨す


 くれなゐの果肉と果汁で満ちてゐる虚実皮膜の皮膜の薄さ


 讃へれば讃へるほどに名の所為かハラスメントめく「紅まどんな」


 筋もなくむろんのことに骨もなく果肉でできた紅の火腿ぞこれ
                        火腿:ハム
 
 紅色といふより丹色ほのぼのと灯りをりけり夜のくだもの





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