会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

大震災から9年目の3月11日に玉泉寺と会津天王寺で合同法要 柴田聖寛

2020-03-03 14:13:25 | 信仰

 来る3月11日は東日本大震災から9年目を迎えます。地震が起きた午後2時46分から吉田慈敬師が御住職の滋賀県長浜の玉泉寺(元三大師誕生の地)と私どもの会津天王寺の二つの寺で「東日本大震災合同法要」を執り行います。
 今でも私は、あの日の出来事を昨日のことのように思い出します。3分20秒も大地が揺れたのですから、想像に絶する事態でした。津波よる死者行方不明は1万8千人を超えています。東京電力福島第一原発がメルトダウンしたことで、浜通りの人たちは避難を余儀なくされましたが、それに伴う関連死は2000人以上になると見られています。先日もテレビでそのことが取り上げられていました。
 今の新型コロナウイルスの感染者拡大と同じように、あのときも日本全体が絶望的な気分になりました。後になって知ったのですが、暴走する原子炉を制御するために「死の淵」に立って頑張った吉田昌郎所長を始めとする「フクシマ・フィフティ」呼ばれた人たちがいなければ、東日本は壊滅的なダメージを受けたのでした。
 現場で命を賭けて働く職員の姿を見て、吉田所長は「地涌の菩薩が現れたと思った」と述べています。『妙法蓮華経』(天台座主恵諦)には「是の諸の菩薩摩訶薩、地より涌出して、諸の菩薩の種種の讚法を以って、佛を讚めたてまつる」と書かれています。吉田所長は信仰があったからこそ、極限の状況を乗り切ることができたのです。
 第18代座主の元三大師は、疫病退散のお札をつくって配ったことで知られています。そのために自ら鬼の姿となって、弟子に描かせたという故事が残されています。
 危機に直面すればするほど信仰が試されることになると思います。ご参集のほどよろしくお願いいたします。

               合掌


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