会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

私にとっての「尽真心」ー3・11を前にしてー  柴田聖寛

2015-03-02 08:50:08 | 災害

 3・11の地震・福島第一原発の「メルトダウン・スルーダウン」は、過去の出来事ではなく今もなお深刻なものがあります。

 大惨事によって多くの日本人は、つつましい生活の大切さを再確認することになったはずです。家があって家族がいて、落ち着いた日々の暮らし。それが奪われてしまったのですから、筆舌に尽くしがたいものがあります。

 比叡山の本年の言葉は「尽真心(じんしんしん)」です。「偽りのない真の心で、混じり気のない濁りなく澄んだ心」を意味し、伝教大師様の「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」の御教えを踏まえています。

 今、会津にも春の足音が聞こえてくる季節になりました。昨年からは私は杖をつき、鐘を鳴らして会津の霊地を回っておりますが、夏までにはその記録をまとめたいと思っています。

 私にとっての「尽真心」は、会津在住の天台宗の一僧侶として、祈りをささげることです。失われた心を取り戻すには祈るしかありません。人としての温もりや優しさも、そこから生まれてくるのではないでしょうか。

 伝教大師(最澄)の志は今も生きている
今まさに仏は私たちに試練を与えています
私たちを救い出す菩薩が必ず現れる
いやもう現れている、心配することはない 

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