会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

光孝天皇の御詠みになられた和歌の碑を境内に建立  柴田聖寛

2019-05-22 08:01:56 | 天台宗

 皇室ゆかりの寺という言い伝えは、会津地方では天王寺だけです。私どもの天王寺の縁起によりますと、第58代の光孝天皇の皇子である僧観裕が元慶2年(883)に開山したといわれます。そこで光孝天皇が御詠みになられ、『古今和歌集』と『小倉百人一首』に収録されている下記の和歌の碑を、篤志家の方の御協力を得て、今年の秋までに天王寺境内に建立することになりました。

 

君がため 春の野に出でて 若菜摘む

 我が衣手に 雪は降りつつ

 

 あなたのために春の野に出て、雪に降られながらも若菜を摘むというのは、優しさが感じられてなりません。若菜というのは、春の七草のセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)を指します。

 僧観裕が都を離れたのは30歳のときで、行基作の十一面観音像を背負って東を目指し、菩薩のお導きによって、会津高田の地を選んだと伝えられています。   合掌

 

 光孝天皇の和歌の碑が建立される予定地(天王寺境内)

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早起きをして草むしりや花の手入れ 柴田聖寛

2019-05-19 09:42:45 | 日記

 もう会津も初夏の装いですが、会津天王寺の境内は霧島ツツジ、オオムラサキ、百日紅などが咲き乱れる季節になりました。今月に入ってからは、いつもより私は早起きをして、花の手入れや草むしりをしております。お茶のみ方々気軽に天王寺にお出で下さい。お待ちしております。   

                                                                                           合掌

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会津天王寺の御朱印帳はA4判の和紙で布張り

2019-05-16 19:02:09 | 信仰

 

 平成28年に会津三十三観音めぐりが日本遺産に指定されたことで、私どもの会津天王寺の高田観音を含めて、巡礼で会津を訪れる人は増加の一途を辿っていますが、そこで必要なってくるのが御朱印帳(納経帳)です。

 会津天王寺では高田観音の御朱印代を含めて三千円の奉納金で、御朱印帖をお分けしております。A4判の和紙で布張り120頁。発心日はご希望の年月日で、結願日に関しては年月日を空白にしてお書きいたします。満願成就の暁に押す、観音様を描いたスタンプも準備しております。数に限りがありますので、お求めになりたい方は、会津天王寺にお出でになるか、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。

                               合掌

            

携帯090-1498-4150

0242-54-5054(会津天王寺)

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世界中を驚かしたブラックホールの撮影に思う 柴田聖寛

2019-05-11 06:35:16 | オピニオン

 ブラックホールを撮影したというニュースは世界中を驚かせましたが、柳津町の花ホテルで4月30日に行われた、渡部潤一東京天文台副台長の「会津の空から~平成最後の日の星空をご一緒に」の講演でも、さっそく話題になりました。ユーチューブにアップされた渡部副台長の話をうかがって、ブラックホールを撮影するために、南米、ヨーロッパ、ハワイ、北米、南極の6ヶ所にある8つの電波望遠が連携し、父地球サイズのEHT(イベント・ホライズン・テレスコープ =事象の地平線望遠鏡)をつくり、それによって実現したということが分かりました。100年前にアインシュタインが予測していたように、ブラックホールは実在したのです。

 BBCの4月11日の日本語ネット版には、ニュース科学担当委員のパラブ・ゴーシ氏の「ブラックホールの撮影に初成功 世界の8望遠鏡が連携」という記事が掲載されており、それも私は読んでみました。今回撮影に成功したブラックホールは、直径約400億キロメートル、地球の直径の約300万倍。地球からは約5億キロメートル離れています。今回のブラックホールはM87と名付けられた銀河で見つかりました。その質量は太陽の65億倍と見積もられています。

 パラブ・ゴーシ氏は「周囲の光の輪はどのように生まれるのかは誰にも分かっていない。さらに興味深い問いは、吸い込まれた物質はどうなるのかということだ」と解説していますが、人類は未知の分野を解明することで、宗教や哲学が問題になり、自らの存在の意味を問うことになるのではないでしょうか。私は天台宗の一僧侶ですが、仏教は宇宙が無限であることや、様々な世界から成り立っていることを説いています。

ブラックホールについては私も関心がありますので、専門家の方のお話をお聞きして勉強したいと思っております。

                  合掌

 

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「令和」の御代を迎えて 柴田聖寛

2019-05-02 12:08:33 | オピニオン

 新元号の令和の「令」について、命令の「令」ではないかという人がいますが、「令兄」といったように、他人の親族に対する敬称としても用いられるほか、「令名」はよい評判という意味です。

 令和の御代になった今こそ、理不尽な言葉や横柄な態度で人に接するのではなく、柔和な生き方が求められているのではないでしょうか。どんな人でも成仏できるというのが伝教大師最澄様の教えですが、高邁な教義を説くだけでなく、相手に寄り添うことが大事なのです。そうでなければ、誰も話に耳を傾けてはくれないからです。

 間もなく私は73歳になりますが、昭和、平成と生きてきて、忘れることができないのは、平成23年3月11日の東日本大震災です。3分20秒も揺れていたのが、昨日のことのように思い出されます。想像を絶する事態であり、今もなお東北地方は、復興の途上にあります。16日に私は滋賀県に出かけ救援物資を集め、20日には車を運転して福島県の被災地を回りました。今と比べて若かったと思います。

 令和の御代を迎えて、私は平和で災害のないことを祈っていますが、たとえいかなる困難があろうとも、信仰の力で乗り切っていかなければと思っています。

                        合掌

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