会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

未だに尾を引く原発事故 柴田聖寛

2018-03-06 09:36:28 | 信仰

今年も東日本大震災の犠牲者追悼 
会津天王寺と元三大師生誕の地玉泉寺で

 東日本大震災や東京電力福島第一原発の事故を風化させてはなりません。平成29年6月1日の警察庁発表や同年3月31日現在の復興庁発表資料によると、直接の死亡者は1614人に対して、震災関連死者は2147人です。
 地震や津波の直接の被害ではなく、避難生活での体調悪化や過労などによって死亡した人の数の方が多いのです。
 これまでに仮設暮らしで亡くなった人の数は、東日本大震災の岩手、宮城、福島の3県で1613人に達し、そのうちの759人が福島県です。亡くなった理由としては居室で病死、体調を崩して入院先で死亡、入院中の不慮の事故などが挙げられます。
 また、福島県民の避難者の数は、平成24年5月がピークで、平成29年11月の段階でも53275人もおり、未だにそれだけの人たちが普通の暮らしに戻れないでいるのです。
 東京電力は先月28日、同原発原子炉建屋内で、ドロ―ンを使ってがれきの状況や放射線量の調査をしましたが、放射線量は最大で毎時15ミリシーベルトあり、本格的な作業をするには除染が必要なのを認めています。
 凍土方式による陸側遮水壁は、実際の効果のほどがはっきりしておらず、汚染水が1日490トンから110トンに減ったにしても、それをどう処理するかも決まっていません。
 さらに、福島県内の子供の甲状腺がんについては、NP甲状腺癌子ども基金によると、6歳から15歳の子供を継続的に検診したところ、159人が癌と判断され、そのうちの84人が手術し、そのうちの1割が再手術を余儀なくされました。原発事故は未だに続いているです。その事実から目を背けることはできません。

 昨年に引き続き来る3月11日には、東日本大震災の会津三十三観音二十八番札所高田観音の会津天王寺と、滋賀県長浜の元三大師の生誕の地の玉泉寺の2ヶ寺で東日本大震災の合同法要を行いますので、ご参列のほど何卒よろしくお願いいたします。

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