会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

コロナウイルスと闘う中国の友人に支援の手を  柴田聖寛

2020-01-31 17:20:49 | オピニオン

 中国に友人が多い私は、今回のコロナウイルスによる新型肺炎の拡大が心配でなりません。中国政府の発表によれば、今日の時点で、感染者は9629人、死者は213人に達しているといわれます。実際はそれよりも多いの見られていますが、一日も早く今の危機から抜け出すことを祈っております。
日本の対応としては、外務省が湖北省以外に出していた感染症情報が1月31日にレベル2(不要不急の渡航自粛)にまで引き上げられました。湖北省については、1月24日にレベル3(渡航中止勧告)になっており、中国はパンデミックそのものです。
 私は中国人の義弟が1月2日に日本国内で亡くなったこともあり、出身地である上海に2月10日から10日間滞在する予定でしたが、延期を余儀なくされました。
 日本政府が逸早くマスクを届けたことは、中国の人も喜んではいると思います。ただ、心配なのは、私が中国の知り合いにマスクを送ったにもかかわらず、未だに届いていないという連絡が入ったことです。物流にまで混乱が生じているようです。
 ネットでは中国発の情報が乱れ飛んでいますが、日本に感染が広がるのを阻止するだけではなく、医療チームを派遣するなど、私たちは中国の人々に手を差し伸べるべきだと思います。

             合掌

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聖寛の独りごと 新たな時代を切り拓く若者の育成を

2020-01-29 15:21:47 | オピニオン

 令和2年は5G元年といわれ、その分野でも米中が激しく覇権争いをしています。我が国はどこに向かうのか。通信機器を支配する者は世界を支配するとまでいわれています。
 我が日本は高い技術力を誇ってはいますが、かなり後れを取っているようです。以前の日本は、通信分野はNTTが中心でしたが、民営化や20年以上続く不況によって、もはや日本のメーカーはフロントランナーではなくなってしまいました。
 今日本が課題とすべきは、5Gを使って「何をするか」「どんなサービスができるか」ではないかと思います。現状で立ち遅れていますが、ソフトの面で世界のナンバーワンになれば、6Gでは総合力で日本が世界のリーダーになることが可能です。それには知的な財産を守り抜くセキュリティを充実させ、外国へ持って行かれないようにするためのインテリジェンスを整備しなくてはなりません。ビズネスとインテリジェンスは、表裏一体であることを忘れてはなりません。
 奇しくも2021年は伝教大師最澄1200年大遠忌にあたります。すでにそれに向けたイベントは始まっていますが、私たちは「利他」「道心」「一隅を照らす」の精神によって、「生きとし生けるものの総合力」を発揮することで、和の国日本を復活させ、世界から争いを一掃しなくてはなりません。

※イノベーション、イノベーション。官民一体となり、業種に関係ない新たな結合。長期ビジョンの策定と指導者としての資質を持った若い20代から40代までの人材の育成。他人の意見を尊重しながらも、自らの意見を述べられるようなコミュニケーション能力を高める教育。

                合掌

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日中の架け橋となって奔走した黄斌さんの死を悼む   柴田聖寛

2020-01-08 19:32:16 | オピニオン

 私の無二の親友であった義弟の中国人黄斌さんが去る2日に亡くなりました。享年58歳。黄斌さんは上海生まれで、妻の妹の旦那さんということもあって、30年以上前からの友人で、一緒に中国各地を旅行して回った仲です。上海の大学を出てから黄斌さんは日本に留学し、東北大学を卒業。その後は中日の架け橋になろうと、トヨタ通商に就職しました。中国におけるトヨタのレクサスの販売を手掛け、トップクラスの実績を残しました。また、中国のズームライオン社と会津若松本社の金堀重機との業務提携にも尽力しました。悪性リンパ腫の病魔に冒されたのは15年ほど前からですが、最期の最期まで第一線で働いていられていただけに、あまりにも突然の死でした。
 病状が悪化したということを聞いて、私が上京して東京女子医大に黄斌さんをお見舞いしたのが昨年の12月30日のことでした。一旦は快方に向かったかに見えましたが、間もなくして急変し、幽冥境を異にすることとなったのです。御遺族から頼まれて私は「交流 岳黄斌清居士霊位」という戒名をお付けしましたが、日中友好に尽くされ、連絡も緻密であった黄斌さんにふさわしいと思っております。日本と中国は険悪なムードになってはいますが、民間レベルでの交流はそれとは別です。温厚でいつも笑顔を絶やさなかった黄斌さんのご冥福をお祈りいたします。

                     合掌

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新年おめでとうございます   柴田聖寛

2020-01-03 10:05:55 | 日記

 本年は伝教大師最澄1200年大遠忌の前年にあたりますので、徳一との一三権実論争に関する講演会やシンポジュウムを前向きに企画しております。この論争は日本思想史上の最大の出来事ともいわれており、これをきっかけに仏教が日本化したわけですから、意義のあるイベントにしたいと思っております。
 干支がネズミということもあり、隅から隅まで光が照らすような世の中になることを願っております。今の時代は自分のことを棚に上げて他人を批判することがまかり通っています。伝教大師は「願文」において、自らを「愚が中の極愚」と卑下されたのでした。人間には謙虚さが必要であることを説いておられたのです。そこから自利利他の精神が生まれ、他人を利する菩薩道に通じるのです。
 また、本年は東日本大震災から9年目を迎えます。「災害は忘れた頃にやってくる」ともいわれますので、あの時の教訓を肝に銘じるべきだと思います。
 本年も皆さんとともに、伝教大師の教えを学び実践していきたいと願っておりますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

                     合掌

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