会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

柴田聖寛「ふっ」と想う

2016-04-25 20:34:20 | 信仰

私なりに「八正道」について考えてみました。「八正道」は「八聖道」ともいわれ、八種の実践の徳目です。そのうちの「正見」は仏陀の根本思想としての、正しい見解です。それは四諦を知ることであり、そのうちの道諦が「八正道」の実践とされます。「正恩」は仏陀の根本思想に対する正しい熟慮、「正語」は熟慮を口と身体で表すことです。意業としての正恩と口業、身業としての正語、正業とが三業として働けば、正見が成就するのです。これら三業は正見と相互依存の関係にあります。悟りにいたるには、目的と手段が明らかにされる必要があるからです。

それと同時に、私は「有漏」(不純な)と「無漏」(純正な)を重視したいと思います。「八正道」が真に「八聖道」になるためには、邪見ないし、邪定を捨てた「無漏」の聖者の「実践行」であります。

仏陀に帰依した「実践行」によってしか、東北や福島の復興は成し遂げられません。熊本地震でもそれは同じです。しかも、幼子のような「無漏」の信仰心が求められるのではないでしょうか。60、70、80歳になってもそれを行いで示せるかどうかなのです。

あくまでも私の解釈でしかありませんが、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
                 

                               合掌九拝


国宝根本中堂大改修御協力のお願い 柴田聖寛

2016-04-05 19:05:56 | ボランティア

天台宗総本山である比叡山延暦寺の国宝根本中堂が大改修される運びとなりました。

延暦寺東塔が根本中堂であり、叡山一山の中心に位置し、国宝に指定されております。

宗祖伝教大師最澄様は入唐する以前に、自ら彫られた薬師如来像を安置し、小堂を建立されました。それが延暦寺の基礎となった比叡山寺一止観院です。

根本中堂は三方が廊下で囲まれ、その内部は前方二面は外陣で床張り、他は内陣で床のない石の間に須弥壇(国宝)があり、本尊薬師如来が安置されています。

壇上にある一対の灯明は最澄が中国の天台山から請来した聖火で、十六世紀に織田信長によって全山が焼亡したときにも途絶えず、今日にまで灯り続けております。現存の建物は江戸時代に再建された、古制を残す単層入母屋造りですが、平成28年度から10年の予定で大改修に着手いたします。ご協力のほどお願い申し上げます

 合掌

 平成28年4月5日

 

 会津天王寺住職 柴田聖寛