雨模様の天気が続いて脳ミソにカビが繁殖しそうな勢いの寅です。。。
KEジェトロのW126 560SEC。。。エンジン不調で只今お預かり中。。。
この時代の個体をさんざん修理して来た整備士にトラブルシュートを外注したが何かスッキリしない。。。
当時の故障の経験から大抵の故障は解決するのに大きな時間は要さないが、、、
30年選手になろうかと言う毒車でも骨董品の域にある個体である。。。
まだ10年そこらの年式落ち時代に出た故障ならば当時の現役整備士にとっては経験済みでその対処もビンゴで的確な場合が多いが、、、経年劣化が更に進んだ故に新たに発生する症状って話になると未知の世界だったりするわな。。。
で、、、経験豊かな整備士にお任せした結果、、、「♪経験が邪魔して素直になれない〜」じゃないですけど経験値でのトラブルシュートの結果、核心に行き着けない事も多いのが現実。。。
よって整備士には申し訳ないが「治った!」の言葉を真に受けずウチはさんざん試乗を繰り返して細かい違和感も逃さない様にしてダメ出しをする事も多い。。。
KE制御のインジェクションの場合、機械的制御の要素も大きいが電気的制御による要素が引き起こす違和感、、、不調動作も実際多い。。。
ウチのダメ出しに「旧いんだからしょうがない!」と、過去の経験値を誇る整備士が逃げに出た段階で以降ウチからは一切仕事が出なくなる訳で、、、つまり天狗になってっとズッコケて終了になるって具合。。。
更なる探究心を持つ整備士ならば「この先の蟻地獄にようこそ!」とウチと一緒に仲良く深みに嵌ってトコトン逝くという流れになりますねん。。。
ウチは電機屋だから電機屋の目で攻めるべきか否かを判断するが、、、整備士が嵌っているトコで電機の部分の良否判断の話になると「KEはセンサー不良は関係無い!」とか言い出す高齢者整備士も結構居る。。。
そんなこんなでウチの無接点F/Pリレーが装着されているこのW126 560SEC君。。。
吹け上がりが何か素直じゃない。。。「旧いからしょうがない。」のセリフを吐いた人とはその先の話には及ばない。。。
で、、、経験豊かな整備士さんに「ラムダコントロールは正常かね?」とウチが問うと、、、
「そんなモンは症状に関係無い!」と、胸を張って言われてしまった。。。
で、、、結論はウチの無接点F/Pリレーが原因だと言われ、、、「F/Pリレーを交換したら治った!」とウチに翌日現車返却。。。
で、、、装着されているF/Pリレーの品番を見ると、、、
このW126は1991年式の最終モデルの本国並行輸入車。。。
F/Pリレーのメーカー指定品番は003 545 2505 。。。コレ以外に適合品番は無い。。。
で、装着されていたのは002から始まる1986年のW126 V8モデルの指定品番のクラフトポンプリレー。。。
オマケにこの旧い品番のクラフトポンプリレーは端子配列が少々異なる。
現在のW126後期モデルへの統一指定品番は 003 545 2505。。。
端子配列は。。。
31:アース
15:ING +12V
87:F/Pリレー出力
87H:O2センサーヒーター電源
50:セルモーター信号
TD:回転信号
30:バッテリー常時+12V
87K:KEシステム電源出力
87V:コールドスタートバルブ信号
TF:CIS-Eユニット信号
と、なる訳でありますが、、、1986年当時の旧品番のクラフトポンプリレーには87H端子が向け先や仕様の違いはあれど無かったりします。。。
ココはW124のKEモデルも同様に現在の6cyモデル指定品番 003 545 2405もV8モデルのクラフトポンプリレーと端子配列は同一ですが、昔々の002品番や001品番では87Hの端子が設定されていないものもあります。。。
87Hの設定されていない仕様のO2センサーのヒーター電源は87番端子と共用のモノもありますし、87Kから取得している場合もあります。。。
よって、、、KEの後期モデルにあっては87H端子の設定されていないクラフトポンプリレーは不適合って話になります。つまり、車台側に87Hのメス端子が装備されているKE車は旧い品番の87H端子無しのF/Pリレーを装着するとO2センサーのヒーターの電源が入らずO2コントロールが死ぬ訳であります。。。
お話を戻します。。。
「F/Pリレーが原因だ!」と言い切った整備士が装着したポンプリレーはO2センサーのヒーター電源端子87Hが無い訳ですからO2センサーによるラムダコントロール機能が死んでいた訳です。
確かに吹け上がりもソコソコ良かったですけど何かアイドリング回転が高かったり、何よりもそれで試乗したら燃料の減りが異常に早い!(笑)
で、、、ウチのW126に装着されているクラフトポンプリレー品番 003 545 2505 を試しに装着すると冷間時の初期始動はアイドルアップもしてアイドリング回転も650rpm前後にキチンと落ちるがエンジンスタート後10分以内に何か吹け上がりが重くなる。。。W126の117系エンジンらしくないトルク落ちした様なアンダーパワーを感じる。。。
信号待ちのアイドリングでは妙に失火の様なブルッブルッが不定期に発生する。。。
で、、、ラムダコントロールに疑いが集中したオイラはO2センサーのヒーターとデータラインのソケットを抜いて再度試乗。。。
結果は87H端子の無いクラフトポンプリレーを装着していた時と一緒。。。
ガンガン吹け上がるけど、アイドリング回転は若干高くなりO2センサーが仕事していないのがよく判る。。。
つまり、、、結論的にはO2センサーの劣化不良が一番濃厚な訳で冷間時始動から数分間でO2センサーのヒーターによってセンサー部が300℃周辺に達した段階で本来ならば適正な燃料コントロールを行う筈がセンサー部の不良によって燃料コントロールの不調が始まっていたって具合でした。。。
O2センサーのセンサー部分の不良による不具合って訳です。。。
不具合を起こしたセンサーのO2データがCIS-Eユニットに入り、フューエルガバナー(EHA)で不適切なフューエルコントロールを行い、アイドリング振れや加速モタつき等の症状になっていたと思われます。
O2センサーの不具合っちゅうと、この手の個体はO2センサーのヒーターが断線して温度上昇しきらずO2センサーによる燃調の補正不良ってのが整備士さんの経験値にあるのと、機械式インジェクションの不具合による不良が多いって先入観からこう言った電気的なお話は見逃され易いって具合です。。。
本件、現車の点検修理を担当した整備士には先入観や勘で判断するなと厳しい忠告の上で教育的指導を入れました。。。
ウチに入庫するW126の多くが何処かの整備士さんが苦しんだ挙句に電気制御系で引き起こされるトラブルを抱えて来ますが、、、KE制御ってのは機械的な部分と電機的な部分を両方把握してアプローチしないと出口の見えないトンネルになりますので国産車の知識で弄り倒されると収拾のつかない事態に陥る事もありますのでご注意を!
KEジェトロのW126 560SEC。。。エンジン不調で只今お預かり中。。。
この時代の個体をさんざん修理して来た整備士にトラブルシュートを外注したが何かスッキリしない。。。
当時の故障の経験から大抵の故障は解決するのに大きな時間は要さないが、、、
30年選手になろうかと言う毒車でも骨董品の域にある個体である。。。
まだ10年そこらの年式落ち時代に出た故障ならば当時の現役整備士にとっては経験済みでその対処もビンゴで的確な場合が多いが、、、経年劣化が更に進んだ故に新たに発生する症状って話になると未知の世界だったりするわな。。。
で、、、経験豊かな整備士にお任せした結果、、、「♪経験が邪魔して素直になれない〜」じゃないですけど経験値でのトラブルシュートの結果、核心に行き着けない事も多いのが現実。。。
よって整備士には申し訳ないが「治った!」の言葉を真に受けずウチはさんざん試乗を繰り返して細かい違和感も逃さない様にしてダメ出しをする事も多い。。。
KE制御のインジェクションの場合、機械的制御の要素も大きいが電気的制御による要素が引き起こす違和感、、、不調動作も実際多い。。。
ウチのダメ出しに「旧いんだからしょうがない!」と、過去の経験値を誇る整備士が逃げに出た段階で以降ウチからは一切仕事が出なくなる訳で、、、つまり天狗になってっとズッコケて終了になるって具合。。。
更なる探究心を持つ整備士ならば「この先の蟻地獄にようこそ!」とウチと一緒に仲良く深みに嵌ってトコトン逝くという流れになりますねん。。。
ウチは電機屋だから電機屋の目で攻めるべきか否かを判断するが、、、整備士が嵌っているトコで電機の部分の良否判断の話になると「KEはセンサー不良は関係無い!」とか言い出す高齢者整備士も結構居る。。。
そんなこんなでウチの無接点F/Pリレーが装着されているこのW126 560SEC君。。。
吹け上がりが何か素直じゃない。。。「旧いからしょうがない。」のセリフを吐いた人とはその先の話には及ばない。。。
で、、、経験豊かな整備士さんに「ラムダコントロールは正常かね?」とウチが問うと、、、
「そんなモンは症状に関係無い!」と、胸を張って言われてしまった。。。
で、、、結論はウチの無接点F/Pリレーが原因だと言われ、、、「F/Pリレーを交換したら治った!」とウチに翌日現車返却。。。
で、、、装着されているF/Pリレーの品番を見ると、、、
このW126は1991年式の最終モデルの本国並行輸入車。。。
F/Pリレーのメーカー指定品番は003 545 2505 。。。コレ以外に適合品番は無い。。。
で、装着されていたのは002から始まる1986年のW126 V8モデルの指定品番のクラフトポンプリレー。。。
オマケにこの旧い品番のクラフトポンプリレーは端子配列が少々異なる。
現在のW126後期モデルへの統一指定品番は 003 545 2505。。。
端子配列は。。。
31:アース
15:ING +12V
87:F/Pリレー出力
87H:O2センサーヒーター電源
50:セルモーター信号
TD:回転信号
30:バッテリー常時+12V
87K:KEシステム電源出力
87V:コールドスタートバルブ信号
TF:CIS-Eユニット信号
と、なる訳でありますが、、、1986年当時の旧品番のクラフトポンプリレーには87H端子が向け先や仕様の違いはあれど無かったりします。。。
ココはW124のKEモデルも同様に現在の6cyモデル指定品番 003 545 2405もV8モデルのクラフトポンプリレーと端子配列は同一ですが、昔々の002品番や001品番では87Hの端子が設定されていないものもあります。。。
87Hの設定されていない仕様のO2センサーのヒーター電源は87番端子と共用のモノもありますし、87Kから取得している場合もあります。。。
よって、、、KEの後期モデルにあっては87H端子の設定されていないクラフトポンプリレーは不適合って話になります。つまり、車台側に87Hのメス端子が装備されているKE車は旧い品番の87H端子無しのF/Pリレーを装着するとO2センサーのヒーターの電源が入らずO2コントロールが死ぬ訳であります。。。
お話を戻します。。。
「F/Pリレーが原因だ!」と言い切った整備士が装着したポンプリレーはO2センサーのヒーター電源端子87Hが無い訳ですからO2センサーによるラムダコントロール機能が死んでいた訳です。
確かに吹け上がりもソコソコ良かったですけど何かアイドリング回転が高かったり、何よりもそれで試乗したら燃料の減りが異常に早い!(笑)
で、、、ウチのW126に装着されているクラフトポンプリレー品番 003 545 2505 を試しに装着すると冷間時の初期始動はアイドルアップもしてアイドリング回転も650rpm前後にキチンと落ちるがエンジンスタート後10分以内に何か吹け上がりが重くなる。。。W126の117系エンジンらしくないトルク落ちした様なアンダーパワーを感じる。。。
信号待ちのアイドリングでは妙に失火の様なブルッブルッが不定期に発生する。。。
で、、、ラムダコントロールに疑いが集中したオイラはO2センサーのヒーターとデータラインのソケットを抜いて再度試乗。。。
結果は87H端子の無いクラフトポンプリレーを装着していた時と一緒。。。
ガンガン吹け上がるけど、アイドリング回転は若干高くなりO2センサーが仕事していないのがよく判る。。。
つまり、、、結論的にはO2センサーの劣化不良が一番濃厚な訳で冷間時始動から数分間でO2センサーのヒーターによってセンサー部が300℃周辺に達した段階で本来ならば適正な燃料コントロールを行う筈がセンサー部の不良によって燃料コントロールの不調が始まっていたって具合でした。。。
O2センサーのセンサー部分の不良による不具合って訳です。。。
不具合を起こしたセンサーのO2データがCIS-Eユニットに入り、フューエルガバナー(EHA)で不適切なフューエルコントロールを行い、アイドリング振れや加速モタつき等の症状になっていたと思われます。
O2センサーの不具合っちゅうと、この手の個体はO2センサーのヒーターが断線して温度上昇しきらずO2センサーによる燃調の補正不良ってのが整備士さんの経験値にあるのと、機械式インジェクションの不具合による不良が多いって先入観からこう言った電気的なお話は見逃され易いって具合です。。。
本件、現車の点検修理を担当した整備士には先入観や勘で判断するなと厳しい忠告の上で教育的指導を入れました。。。
ウチに入庫するW126の多くが何処かの整備士さんが苦しんだ挙句に電気制御系で引き起こされるトラブルを抱えて来ますが、、、KE制御ってのは機械的な部分と電機的な部分を両方把握してアプローチしないと出口の見えないトンネルになりますので国産車の知識で弄り倒されると収拾のつかない事態に陥る事もありますのでご注意を!