医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

美肌の素?アミノ酸11

2007年11月15日 19時07分36秒 | Weblog
 さて、いよいよ美肌の真打ち、「プロリン」です。

 プロリンはコラーゲンに多く含まれていて、骨、腱、じん帯、結合組織を構成します。

 非必須アミノ酸なので体内で合成できます。

 食事では動物の腱、じん帯、軟骨に含まれ、これらを食べる必要があります。

 ところが中華では好まれますが、これらの食材は和食では捨てられることが多いのが特徴。

 L-プロリンは体内で合成されますが、低タンパク摂取者やベジタリアンでは適量を産生することは難しいと考えられているようです。

 不足すると、腱障害や疲労骨折に関与するとも・・・。

 生体内での働きとしては、

①表皮細胞増殖促進活性
②コラーゲン合成促進活性
③角質層保湿作用

などの生理活性を示す、と言われております。

 また、一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸とのこと。

 必須アミノ酸の1種であるL-リジンと、体内にもともと存在するL-プロリンはともに働いてコラーゲンを生成し、また一度破壊されたコラーゲンを修復する力を持つアミノ酸として知られているわけです。

 つまりプロリンは、肌の再生という面において、ビタミンCと一緒に働いて、より効果を発揮し、年齢とともに生じる肌の張りの消失、シミや肌荒れを防ぐといわれているのです。

 したがいましてプロリンは、健康な肌を保つために重要な成分である、ということは間違いないようです。



 一方、肌の保湿に大切なのが、表皮角質における細胞間脂質のセラミドとNMF:Natural Moisturizing Factor(天然保湿因子)。

 NMFは角質層、角質細胞の中にあり、水を吸収し、保持する物質のことです。

 NMFは角質層の底部でフィラグリンというたんぱく質が酵素分解されて作り出される・・・つまりNMFは角質細胞がターンオーバー(新陳代謝)の途中で壊されてできるのです。

 主成分は各種アミノ酸類、乳酸、尿素、クエン酸塩やPCA:ピロリドンカルボン酸などであり、NMFの40%がアミノ酸です。

 PCAもグルタミン酸から作られる代謝産物です。

 NMFに含まれるアミノ酸の種類の中で、保水力がもっとも強いのも、このプロリンです。

 プロリンは、別種のアミノ酸であるアルギニンからもつくることができます。

 また荒れてしまったお肌にアルギニンを添加した保湿剤を塗ると、肌の再生が早くなることがすでに実証されています。

 NMFに取り込まれた水分は「結合水」マイナス20℃でも凍らないと言われております。

 しっとりとした肌になりたい方にとって、もっとも有効なアミノ酸は、プロリン、アルギニン、PCAの3つであると言ってよいでしょう、とのことです。