医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

デレク・ジャーマンの美-3

2006年05月28日 11時02分24秒 | Weblog
 デレク・ジャーマン監督は、残念なことにHIVの後遺症で亡くなられてしまいました。

 遺作の「ブルー」は、僕はそれまでに感動を与えてくれた御礼に映画館まで行ってお付き合いしてきましたが、この遺作に関しては観ていない方は観ない方がいいかもしれません。

 「お金返せ!」と思うのがまっとうな感覚になります。

 前述の2作品は可能であれば、映画館での大画面で観ることをお勧めします。

 家庭用再生機ではどうしても真の魅力は1/10くらいに減少してしまうと思われます。

 そういえばいろんな監督のオムニバス版である「アリア」でも、目も覆いたくなる駄作もありますが、「ケン・ラッセル」と「ジャン・リュック・ゴダール」とこの「デレク・ジャーマン」の3人だけは、映像やセンス、才能が図抜けていることをつくづく実感しました。

 それにしても日本の映画やドラマって、全部トーンが暗すぎません?? 全部夜に見えちゃう。

 どうして?

 フィルムがそもそも違うのですか?

 「バグダット・カフェ」のように明るい色も出ないし、デレク・ジャーマンの暗闇の色も出ない・・・ 

 ただただ光量が足りないというか、アメリカのホームドラマに比べても画面全体のトーンが暗く感じませんか?

 照明機器の種類が違うのでしょうか?

 補色の使い方が悪いのでしょうか?

 それともそう感じてしまうのは僕だけなのでしょうか??