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カーデュラ探偵社

2010年09月15日 | ミステリ
魅力的な探偵が考案できたなら、ありきたりな事件や筋でも充分おもしろい、
といういいサンプルです。
「短編の名手」と言われているジャック・リッチーですが、
カーデュラシリーズの面白さは主人公であるこの探偵本人につきるのではないでしょうか。
とあるひじょうに有名な架空の人物を探偵にすえて、
言わぬが花の吸血三昧。
あのお方がアメリカのミルウォーキーで
うらぶれた私立探偵を営業しているという設定がとても楽しいです。

ですが、同録されているノンシリーズの短編のほうが、
リッチーが作るストーリーテリングの冴えを感じることができます。

こう言っちゃ両者に失礼ですが、
カーデュラを読んでいるあいだ、
手塚治虫の「ドン・ドラキュラ」のイメージがダブって困りました。

■ジャック・リッチー著 河出文庫
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