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チラシの裏

綱渡りのドロテ

2013年02月19日 | others
創元の復刊アンケートで「ドロテ」へ1票をいれたので、
読んでみることにしました(じつは未読(*゜.゜)ゞ)。
横溝正史の戦前長編(「仮面劇場」「夜光虫」など)を連想させるような伝奇長編で面白かったです。
財宝伝説にまつわる殺人と宝探しを縦筋にして、
物語を動かすベクトルは主人公であるドロテの魅力です。
貴族の末裔でありながら放浪の大道芸人、
少女でありながら四人の子をもつ母親であり、
直感で行動しているように見せながら
実はラテン語、ジャワ語(!)まで操る智力ですべてを見抜く理論派、
という今で言うギャップ萌えキャラクター。
瀬名なんとかさんが贋作を書きたくなる気持ちがよく分かります。

舞台は1923年、第一次世界大戦後のフランスです。
大戦中に看護師をしていたドロテが四人の戦災孤児を引き取って育てている設定になっています。
このあたりの人情話がいかにも新聞小説ですね。
物語には「車」がちょっとだけ出てきますが、ドロテが乗るのは馬車。
車がしっかり登場するルパンものと比べると、のんびりした雰囲気です。
前半は冒険風の展開ですが、後半には密室殺人と暗号の謎解きがメインになっています。
ドロテのキャラが立っているので、ルブランはシリーズ主人公にするつもりだったのでは?とも解説にありました。
たしかにドロテはもっと活躍してほしかったです。
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