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ハインライン「明日をこえて」

2022年10月09日 | SF
ハインライン「明日をこえて」扶桑社文庫

ハインラインを全部読んではいませんが、これは著作のなかでも群を抜くダサクでは?
アジア(日本)蔑視が未訳の理由、かもしれませんが、SFとしてはクダラナイに尽きます。

あとがきによると、キャンベルjr.からアイデアを提示されて書いた、とありますが、
ハインラインはまだそのとき駆け出しの新人作家だったので、
自分の思想主張は別にして、仕事として仕方なく書いた、と思いたいところです。
ハインラインの信条は、作中に登場する無政府主義の老人が代弁しているとして、
日本が中国と一緒になり、インドとロシアを併呑する、という設定は今ならトンデモながら、
当時(1940年ごろ)は、もしかしたらあり得る世界、と思われていたのでしょう。
作中の敵(日本人)は、冒険ものではありがちな間抜け同然の存在ですが、
この数年後にアメリカ軍と戦った皇軍のオロカサを見事に外挿法で予測し、
さすがはハインライン、という気がします。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/f/f0/Sixth_Column_%28Robert_Heinlein_novel_-_cover_art%29.jpg
初版の表紙、女性の背後にいるのがモタ神の司祭、かな?
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