カーター・ディクスン名義の第1作(「弓弦城」はカー・ディクスン名義)、
およびHM卿のデビュー作は、作者も気合をいれて書いたのか、
引き締まった文章で、プロットも弛緩せず最後まで心地よい緊張が感じられて、
ミステリの王道のような作品です。
カーがある限りの才能を注いで書き上げた傑作と言いたいところですが、
一気に書きおろした節も見られ、「一角獣の怪」にも見られたように、
事件がひと段落したあとのHM卿が説明するパートが長い!
それだけ謎が複雑で、プロットの複雑さを物語中に吸収しきれなくなって、
探偵の長広舌が必要になるのは初期の特徴(欠点であるかも)。
カーの巧みさ(ズルさ)は、一度手の内を見せたうえに、
それを「探偵」の発言によって否定させる、という手口を使うところです。
フェザートン少佐の発言にたいするHM卿の発言は、
アンフェアでは?と思えなくもないです。
その手口は「かくして殺人へ」でも使われていて、
誰もHM卿を責めないのでくやしかったのですが、
「黒死荘」ではおしまいの方でその点について
フェザートン少佐からHM卿がなじられている場面もあり、
ちょっと溜飲が下がりました。
およびHM卿のデビュー作は、作者も気合をいれて書いたのか、
引き締まった文章で、プロットも弛緩せず最後まで心地よい緊張が感じられて、
ミステリの王道のような作品です。
カーがある限りの才能を注いで書き上げた傑作と言いたいところですが、
一気に書きおろした節も見られ、「一角獣の怪」にも見られたように、
事件がひと段落したあとのHM卿が説明するパートが長い!
それだけ謎が複雑で、プロットの複雑さを物語中に吸収しきれなくなって、
探偵の長広舌が必要になるのは初期の特徴(欠点であるかも)。
カーの巧みさ(ズルさ)は、一度手の内を見せたうえに、
それを「探偵」の発言によって否定させる、という手口を使うところです。
フェザートン少佐の発言にたいするHM卿の発言は、
アンフェアでは?と思えなくもないです。
その手口は「かくして殺人へ」でも使われていて、
誰もHM卿を責めないのでくやしかったのですが、
「黒死荘」ではおしまいの方でその点について
フェザートン少佐からHM卿がなじられている場面もあり、
ちょっと溜飲が下がりました。
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