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パラドックス・メン 途中その1

2019年09月16日 | SF
オールディスやムアコックのイチオシSFなんですが、
期待しないで読みはじめました。あんまり期待しすぎると……、
期待は失望の母である(大瀧詠一)らしいですし。

それはさておき、日本でのワイドスクリーンバロック作家といえば、
手塚治虫と永井豪の二人ではないかと思っています。
手塚は初期SF三部作のころから、SF長編マンガ(SFでなくとも)に
強靭なストーリーテリング能力を発揮しています。

その能力を受け継いでいるのが永井豪で、
結末を考えずに連載を始めてしまうのは雑誌というメディアの宿命としても、
「手天童子」は連載最初からあの結末を想定して描かれていたそうで、伏線もばっちりです。
ストーリーの原動力に愛を据え、過去と未来をX軸とするなら、
深宇宙と地球をY軸にとって縦横無尽に主人公たちが活躍する話は、
まさに日本のワイドスクリーンバロックと呼ぶにふさわしい。

「手天童子」より知名度は低いですが同じ永井豪の「黒の獅子」は、設定をさらにスケールアップ。
黒い宇宙の膨張で圧迫された白い宇宙は、過去の悪漢英雄たちをサイボーグ化して
日本の戦国時代へ送りこむ、というバリントン・ベイリーもびっくりの奇想SF。
ぶっ飛び具合は「手天童子」より上ですが、
残念ながら打ち切り同様で終わってしまいました。

などというマンガを好きな身としては、スタート部分はちょっと物足りない感じですが、さて。
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