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最後の賢者

2012年10月05日 | SF
ドリス・レッシングの短編集「グランド・マザーズ」所収の「最後の賢者」は、
文明崩壊後の世界を舞台にしたSFかと思いきや、じつは・・・という話。
ドリス・レッシングは2007年にノーベル文学賞を受賞している文学者ですが、
じつは「アルゴ座のカノープス」というSFも書いていました。
「最後の賢者」は日本語の選び方次第で未来の話にも、古代の話ともとれるわけで、
ラストのツイストもそこのあたりを狙っているものと思われます。
「ザ・シティーズ」「一二賢者」とか書かれていると、
SFヲタは無批判に遠未来が舞台かと思いこんでしまいます(私だけ?)。
読み手が勝手に文明崩壊後の世界だと思っただけなんですよね。

SFにはよくある設定で、思いつくところだと
ジョン・クロウリーの「エンジン・サマー」、
ジーン・ウルフの「新しい太陽の書」、
トム・リーミイ「2076:青い眼」、
ディレーニイ「アインシュタイン交点」、
M・J・ハリスン「パステル都市」、
ピアズ・アンソニイ「縄の戦士」などなど。

ところで、そのトム・リーミイ「2076:青い眼」は、
タイトルだけでCSNの「青い眼のジュデイ組曲」を連想させますが、まあ、関係はないと思いますけど。
「青い眼のジュデイ組曲」はジュディ・コリンズのことを歌っているそうです。
作者はスティーヴン・スティルス。

Crosby, Stills & Nash / Suite Judy Blue Eyes




すいぶん昔に古本屋を探し回った「ガラス玉演戯」(新潮文庫版)。
汚れててスミマセン。初めの数ページで投げましたが、再挑戦してみます。



「最後の賢者」はどことなく、ヘッセの「ガラス玉演戯」を連想します。
そういえば「ガラス玉演戯」もSFと言えなくもないですが、
純文学側の人はそう思わないでしょうね。
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