Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●ダブル党首選の街頭演説ネタ二題

2012年09月22日 00時00分48秒 | Weblog


いつも辛辣なgendai.netの自民党、民主党の街頭演説ネタを2題(http://gendai.net/articles/view/syakai/138786http://gendai.net/articles/view/syakai/138764)。

 どうでもよい内容ですが、過去の人、三人、安倍晋三氏・麻生太郎氏・田母神俊雄氏についての記事。こんな軽薄3人に大きな顔をされたのでは、日本もお終い。安倍氏が党首となり、再び総理へ・・・なんて、想像しただけで私は耐えられません。自民党に相も変わらず投票し続けている人たち、本当に大丈夫ですか? 田母神氏の「トリクルダウン理論」もどき、小泉純一郎氏の盟友、そして、橋下大阪元〝ト〟知事の「ブレイン」竹中平蔵氏そっくりで、吐き気をもよおす。

   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)
   『●『創(2009年7月号)』
   『●懲りない自民党議員、いまだに原発の安全神話の悪夢から覚醒せず
   『●原発人災、犯罪者を追求すべし:
            なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?
   『●12月25日「クリスマスは東電会長の家へ リアリティツアー」
                                   〝転び公妨〟に御注意を
   『●『創 (12月号)』読了 (2/2)

 一方、当選確実視されるムダ首相。ブッシュ氏のように、記者会見で記者から靴が飛んでこないだけ、マシな街頭演説です。福島の被災者・被爆者の方たちや、消費税増税で苦しむ人たちからは、罵声どころか物を投げつけたくなる気持ちをグッとこらえておられるのでは。さっさと退陣し、選挙でしっかりと落選させたいもの。民主党支持者の皆さんがきちんと落し前をつけてください。

   『●『松下竜一未刊行著作集3/草の根のあかり』読了(2/2)
   『●靴を投げられたブッシュ氏のいま
   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/138786

総裁選 麻生が失言安倍マッ青
2012年9月21日 掲載

聖地アキバで有頂天の末
 この男の失言癖は少しも直っていなかった。
 自民党総裁選(26日投開票)に立候補している安倍晋三元首相(58)が20日夜、秋葉原で開いた演説会に“助っ人”として駆けつけた麻生太郎元首相(72)。漫画やアニメ好きで、2年前の参院選以来の“聖地”での演説に気合が入りすぎたのか、安倍をさんざん持ち上げた後、こう口を滑らせた。

   「安倍さんの健康がどうとか言っている人がいたけど、
    言っていた人の方が倒れた。健康というのは、
    人が(とやかく)言うんじゃない。自分が一番分かっているのだから」

 安倍の体調を不安視しながら、18日に入院した町村信孝元官房長官(67)を痛烈に批判したのだ。その瞬間、笑顔を振りまいていた安倍の顔は引きつり、陣営スタッフは頭を抱えた

   「安倍さんは町村派の所属です。今回、一本化できずに両者、
    出馬しましたが、もし安倍さんと石破さんの決選投票になった時は、
    町村派の大半が安倍さんに投票してくれる。町村さんは
    大切な“身内”なのです。それなのに大観衆の前でコケにした。
    そもそも今回の総裁選は、お互いの批判はしないというルールが
    あった。麻生さんは、相変わらず迷惑な人ですよ。本人は失言とも
    思っていないので、さらにタチが悪い」(安倍陣営の中堅議員)

 麻生の演説はニコニコ動画で生中継され、ユーチューブでもアップされた。町村陣営はカンカンで、すぐさま安倍陣営に抗議の電話をしたというから深刻だ。
 おとといは、民間人が主催した「安倍を応援する会」でも失言が飛び出した。安倍の熱烈な応援団で知られる田母神俊雄・元航空幕僚長が壇上で「人権救済法案が閣議決定されました。弱者が権力を握ろうとしています。国をつくってきたのは権力者と金持ち。言葉は悪いが貧乏人はおすそ分けにあずかって生きてきた」と発言。参加者はドン引きし、ネット上では「右翼バカ」「こんなやつの支援を受ける安倍さんは応援しない」との声が広がっている。

   「大本命だった石原伸晃さんの失速で、タナボタ2位に浮上している
    安倍さんですが、今回の2つの失言が命取りになる可能性もある。
    残りの期間は他人に頼らず、自力で戦うしかありません」(党関係者)

どいつもこいつも、レベルが低すぎる
================================================================================

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/138764

野田首相初の街頭演説「人殺し」「辞めろコールに思わず涙目
2012年9月20日 掲載

自宅にもデモをかけられ…>
 野田首相は、自分がどれだけ国民から嫌われているか、身に染みて分かったのではないか。
 19日、民主党代表選の街頭演説が東京・新宿で行われた。詰めかけた聴衆の手には「辞めろ」「ウソつき」などと書かれたプラカード。野田が登場すると、「帰れ!」「人殺し!」とヤジや罵声が飛び、最後は「辞めろ」コールの大合唱で演説がまったく聞こえないほどだった

   「反原発の官邸デモの件もあって、総理は街頭演説を嫌がっていた。
    今回は反原発の左翼だけじゃなく、尖閣問題で右翼も
    警戒しなければならない。それで、大阪と福岡で行われた
    演説会も屋内開催になったのです。しかし、自民党総裁選が
    各地で街頭をやっているのに、民主党が1回もやらないのでは
    批判されると中央選管から泣きつかれ、急きょ投票2日前の
    街頭演説会となった。新宿駅は聴衆と選挙カーの間に大きな道が
    あって安全ということで、総理も納得してくれました。警視庁とも相談し、
    警備しやすい安全な場所を選んだのですが……」(官邸関係者)

“演説力”が自慢の野田にしては意外な気もするが、街頭演説は首相就任後これが初めて。昨年12月に新橋駅前で予定されていた街頭は、直前に北朝鮮の金正日総書記死去の一報が入って取りやめになった。
 今回は万全の警備態勢を取り、民主党関係者も動員したのだが、野田が演説を終えても拍手は皆無。怒号とヤジがやむことはなく、さすがに野田も涙目になっていた。これがトラウマになり、二度と人前に出てこられないんじゃないか。最初で最後の街頭演説かもしれない。

   「右からも左からも、これだけ攻撃される首相は珍しい。
    最近は、千葉県の野田首相の事務所や自宅でも『落選デモ』が
    数回にわたって繰り広げられています。首相の自宅前をデモ隊が
    通るなんて、自民党政権では考えられなかったこと。かつて
    渋谷区松濤にそびえる麻生元首相の豪邸を見にいこうとした
    市民団体は、渋谷駅前のハチ公広場からスクランブル交差点を
    渡ったところで止められ、3人が逮捕された。警察も、野田政権は
    長く続かないと考えているのでしょうか。もはや政権の体をなして
    いません」(ジャーナリストの田中龍作氏)

 こんなに嫌われている男が再選確実なんて、悪い冗談としか思えない。民主党が国民から見放されるのも当然だ。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『ふたたび、時事ネタ』読了

2011年01月15日 00時00分22秒 | Weblog

『ふたたび、時事ネタ』、12月に読了。斎藤美奈子著。中央公論社。2010年6月、初版発行。
 全編、とにかく面白かった。想像以上の面白さ! 小田嶋隆さん的ユニークな視点。
 
自民党政権崩壊から政権交代後まで激動の3年間。帯から、「安倍首相のもと自民党が参院選で大敗した2007年、福田・麻生政権迷走の2008年、鳩山連立内閣が誕生した2009年、そして・・・・・・」。『DAYS JAPAN』のエッセイでおなじみの著者。

 安倍晋三氏についてしつこいくらいに(p.32、43、63、66、67、71、83、156、256)。
 麻生太郎氏(p.158、163、171、174、186、257)。自民党や国民のセンスの悪さ。
 石原慎太郎氏(p.49,136)。
 橋下徹府知事(p.108)。「・・・ああいう都知事を三選させた東京都民の私がいうのもなんだけど、懲りてません大阪も」。「大阪府知事の思いつき語録」(pp.141-143)プチ小泉改革、民尊官卑。
 
新自由主義路線(p.165)。
 
「検察の暴走と「小沢問題」」(pp.189-192)。
 
古賀選対委員長との対話での、東国原氏の「日本中があきれた瞬間」(p.216)。「土建化せんといかん」。

 
タウンミーティングのやらせ問題(p.11、38、64)。

 
「大悪」でなく「中悪叩きの法則」(p.22)。原発検査偽装事件など「大悪」をメディアが報じることはない。

 
「米下院も敵に回した意見広告の墓穴の掘り方」(pp.55-58)。「火に油を注いだ」意見広告。「・・・事実のねじ曲げ方以上に「墓穴の掘り方」「火事の広げ方」を学ばせて頂く格好の教材といえる」。ここら辺の発想や表現の仕方だたまらない。広告主には、愛知和夫・稲田朋美・河村たかし・西村眞悟・平沼赳夫氏らが。

 
原発推進派のアル・ゴア(p.84、86)。英国の裁判所では、あの映画『不都合な真実』について、「・・・科学的な誤りがあるとし、学校で見せる場合は、内容の偏りについて説明しなければばらないという判決・・・」。「あの映画は科学的というより、政治的なプロパガンダに近い、ともいえるのである」。
 一方、日本では、「原発は安全だといいきる裁判所の大胆不敵」(pp.87-90)。柏崎刈羽原発。東電批判、電力会社批判は、この国のメディアの大きなタブー。「安全性はもちろん、コストの面から考えても、事故が起こった際のリスクが大きい原発が有効な代替エネルギー源とはとうていいえない」。

 ロス疑惑の狂騒(pp.115-118)。推定無罪の原則なんてクソクラエの検察・警察・裁判所・マスコミ。この件に関して、こんなまっとうな論にはほとんど巡り会えない哀しい状況。
 「断固拒否したいです、裁判員制度は」(p.121)。
 「死刑制度が「プレゼン力」で決まる恐怖」(pp.126-129、132)。山口県光市母子殺人事件。「だとすれば一、二審の供述の方がむしろ「虚偽」だったのではないか」。綿井健陽さん、安田好弘弁護士。
 「和歌山カレー事件の判決は妥当か」(pp.200-202、208)。「・・・物証なし、動機も不明状況証拠だけで下された異例の死刑判決」。これも推定無罪の原則なんてこれっぽちも、誰もマスコミから声は上がらない。まさに「暗澹たる気持ち」。
 飯塚事件、「本人が否認したまま死刑が執行」(p.209)。

 田母神〝論文〟のお粗末さと「トップがこんなアホとバレては・・・」(p.167)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「憲政史上初となる珍事」: 〝日本〟vs〝日本〟

2010年04月16日 05時06分02秒 | Weblog


gendai.netに以下の記事が出ていました。相変わらず辛辣です。
 党名に相応しい田母神空幕長の参院選出馬」は、平沼代表にぜひ頑張ってもらって、実現してほしいものです。やはり「目玉候補」でしょう! 「新銀行東京の問題や五輪招致敗戦処理」を都知事にはきっちり実行してもらってから、将来、都知事にも是非もう一人の「目玉候補」になってもらいたいですね。今の若いやつはみんな腰抜け」とまで仰ったんですから、風向きが悪いとみるや、「いじめられている老人」をまさかさっさと見捨てたりなんかされないでしょうしね。
 この際、大阪府知事宮崎県知事による芸能人3人による舛添新党も、略称が〝日本〟になるように大作家先生命名してもらってはどうでしょうか。みんなの党の票も「泥棒」できるように「みんなの日本」でどうでしょうか? そんなに年寄りをいじめない方がいい」ですが、ついでなんで、「みんなでたちあがる日本」?? 大作家先生とは和解されて命名をお願いしつつ、ヤルヤル詐欺とまで揶揄されていることですから、是非、舛添新党を実現してほしいです。あ~、自民党を〝離党〟した無所属がウリの千葉県知事の芸能人を忘れてました。誘ってあげてください、舛添新党に。それから、「どげんかせんといかん」も党名に入れないといけないですね。「どげんかせんといかんのでみんなでたちあがる日本。」でどう?

=======================================
【http://gendai.net/articles/view/
                         
syakai/122833】
総務省が頭を抱える「たちあがれ日本」の呆れた非常識
                         
2010年04月14日掲載

夏の参院選で「新党日本」の票を強奪!?

 人間は年を取るとわがままになるものだ。周りが迷惑顔でも知らんぷり。批判されると「何が悪い」と開き直る。その上、「国を憂えている」なんてエラソーに言われると、ちゃぶ台をひっくり返したくなる。
 新党「たちあがれ日本」が、参院選で使う略称を「日本」と決めた。「新党日本」(田中康夫代表)が、これまで衆院選や参院選で使っていた略称だ。

  「選挙を管理する総務省は頭を抱えています。表向きは『公職選挙法上は問題な
   い』とコメントしているが、略称とはいえ、同じ名前の政党が2つ存在するのは
   憲政史上初となる珍事。新党日本の田中代表サイドに説明に出向くなど対応に追
   われています」(事情通)

「日本」票が両党で案分となれば、2度の国政選挙で略称が有権者に浸透している「新党日本」の不利は明らかだ。一般社会では、こんなはた迷惑は許されない。

  「不正競争防止法は、有名な屋号や称号を不当に使ってはいけないと定めていま
   す。たちあがれ日本の行為は、有名ブランドのシャネルを使用したラブホテ
   ルやスナックと同じ。大甘の政治の世界では許されても、事業会社ならアウトで
   す」(法曹関係者)

 永田町の常識は社会の非常識。比例復活の身分で自民党を離党した与謝野馨元財務相は「平成の票泥棒」といわれるが、政党としても「新党日本」の票を盗もうというのだからふてぶてしい。
 総務省だけではない。東京都も困っている。石原都知事が都政そっちのけで新党に入れ込むものだから、片が付いていない新銀行東京の問題や五輪招致の敗戦処理がグダグダになりそうなのだ。
 読売新聞の世論調査によると、たちあがれ日本に「期待する」はわずか18%。「期待しない」は76%に上った。国民は迷惑千万の老害政党にヘキエキしている。それが分からない人たちに、どんな政治ができるのか。
 平沼代表は、13日のテレビ番組で、ウワサされた田母神元空幕長の参院選出馬を否定した。代わりにどんな目玉候補を担ぎ出すつもりか知らないが、誰を擁立しても結果は知れている
=======================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『創(2009年11月号)』読了

2009年12月06日 14時07分28秒 | Weblog

『創』(2009年11月号)、11月に読了。

 対談「蓮池透×鈴木邦男 拉致問題をタブーのままにしていいのか!」(pp.40-49)。

 佐高さんの「筆頭両断!/「公明党を支配するドン」池田大作」(pp.60-61)。

 
鈴木邦男さんの「言論の覚悟」(pp.62-65)。大杉栄、竹中労。

 
香山リカさんの「「こころの時代」解体新書/なぜ〈右傾化〉は回避されたのか」(pp.66-69)。「つまり、すべてはこの3年以内に起きたことだ。安倍氏の登場、国民投票法案の成立、そして田母神旋風が巻き起こる中、誰が「来年にはすべてがひっくり返っているだろう」などと予測しえただろうか」。

 
森達也さん「極私的メディア論 第47回/目玉オヤジの叫び」(pp.70-73)。「ならば言う。当たり前だ。僕は非当事者だ」。
 「この事件の真相については、主任弁護人である安田好弘からも、以前に聞いたことがある。大谷と安田の情報は同じではない。でもカレー鍋にヒ素を入れた犯人が林真須美さんではないということは共通している」。「・・・無罪推定原則は、まずは検察側の犯罪立証を要求している。被告人の犯罪事実を検察側が明確に立証できないならばその段階で・・・被告人は無罪と推定されなければならないのだ。/でも今のこの国の刑事司法には、そんな精神はもう残滓すらない」。「世界的なこの厳罰化の流れに逆行する国の代表が北欧だ。・・・現在はとても良好な治安を実現している」。「8月中旬にはNHK-BSの番組「未来への提言」のロケで、ノルウエーにしばらく滞在した」。

 
清水潔氏(日本テレビ社会部記者)「もうひとつの足利事件報道/「追跡・足利事件」――2年に及んだ調査報道」(pp.102-112)。「被害者の母親からの菅家さん釈放の情報」。被害者のお母さんは「・・・もし菅家さんが無罪であるなら、早く軌道修正をして欲しい。捜査が間違っていたんであれば、ちゃんと謝るべきです。(捜査は)だれが考えたっておかしいでしょう。ごめんなさいが言えなくてどうするの・・・」。

 
対談「安田好弘×青木理 民主党政権下で死刑問題はどうなるのか!?」(pp.112-125)。青木さんの新刊『絞首刑』(講談社)。
 
「飯塚事件で死刑執行した法務省の劣化」について、「1992年に福岡で起きた飯塚事件のケースもそうです。2人の女児を殺害したとされた久間三千年(くまみちとし)死刑囚は」無罪を主張し続けたが、足利事件と全く同じDNA型鑑定による極めて杜撰な鑑定にも関わらず、昨年、死刑が執行。「もし冤罪だったとするなら、無辜の人間を処刑してしまったことになる。恐るべきことですが、その可能性は十分にある」。

 
永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第6回 民主党なんていらない」(p.126-133)。政治家は「言葉を学ぶ」が重要なテーマ。政治家向け「ごんべん漢字・熟語」。

 
雨宮処凛さん「ドキュメント雨宮革命/第23回 私の会った「大臣」たち」(pp.138-141)。亀井静香氏、福島みずほ氏。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『創(2009年7月号)』

2009年07月22日 07時53分45秒 | Weblog

『創』(2009年7月号)、7月に読了。

 篝一光さんの写真シリーズ「東京street!/第21回 東京の坂」(pp.12-15)。野清志郎さんの葬儀後数日の「たまらん坂」(多摩蘭坂)にも多くのファンが。

 佐高信さん「筆刀両断!/戦争ごっこボケの道化 田母神一座」(pp.86-87)。「・・・花田紀凱。『朝日新聞』批判で食っているが、ナントカの一つおぼえでそれをやってきた花田が一時、『朝日』の出している雑誌に入ったのはおそまつだった。呼ぶ方も呼ぶ方なら、入る方も入る方。タカ派で売っているが、・・・節操は、この男にはおよそないらしい」。「・・・曽野綾子を最大限に持ちあげている。しかし、・・・保守派を自認する・・・が、大江の『沖縄ノート』を曽野は「ものの見事に誤読」していると論証し、それに乗っかった秦郁彦や渡部昇一のいい加減さも暴露しているのである」。「要するに田母神らには、最初から「国民の生命」など頭にないのだが、私たちは、少なくとも、それは「ある」だろうと「誤解」しているから、話がこんがらがってくる」。

 鈴木邦男さん「言論の覚悟/よど号症候群」(pp.88-91)。「あさま山荘事件の時、解放された・・・さんは「犯人は紳士的だった」と発言した。・・・それ以来、・・・さんは一言も発言していない。・・・/ただ、シンパシーが生まれたのも事実だ」。「・・・こうした「共感・一体感」は当事者でないと分からない。日野原さんも、テレビで喋ろうとすると、遮られたという。・・・視聴者のイメージ(思い込み)に沿った<物語>を作りたいのだ。/こうした「ストックホルム症候群」と相反する言葉として、「リマ症候群」という言葉がある。これは、人質側に犯人側が共感し、影響を受けるのだ。・・・/・・・ゲリラは人質に銃を向けることができず全員が殺された。銃を捨てて投降した子供のゲリラ兵まで軍隊は皆殺しにした。この時、僕はTBSの「ニュース23」に呼ばれたので、「これは虐殺だ!」と言ったら、抗議の電話が殺到し、電話回線がパンクしたという。/・・・さんは「鈴木さんの言う通りです」と言っていた。人質を解放し、ゲリラは投降する交渉をしていた。それが実行される寸前に、軍隊は突入し、ゲリラ全員を殺した」。

 森達也さん「極私的メディア論/第44回 日本のメディアの不自由さ」(pp.96-99)。「韓国・・・彼女は言った。・・・「・・・だって捕まったばかりの人はまだ容疑者ですよね。・・・テレビのニュースなどで容疑者の名前や顔を見たことは、ほとんどないです」」。「でも今の日本のメディア・・・当たり前のようにその顔を撮り、名前や住所、職業なども屈託なく明かし、ただし手錠と腰縄だけには、しっかりとモザイクを忘れない。これが定型になっている」。「メディアだけではない。法廷における無罪推定原則も、和歌山カレー事件の判決を引き合いに出すまでもなく、まったく形骸化している。・・・/・・・無罪推定原則は、そもそもの立証責任は検察側にあることを示している。/つまり検察側が被告人の有罪を合理的に立証できないのならば・・・その段階で被告人は無罪となる。ならねばならない。/・・・だからこそ無罪推定原則は、数多くの誤判や冤罪を歴史的に繰り返してきた近代司法が辿り着いた必然であり、罪なき人をできる限りは罰してはいけないとの崇高な決意によって誕生したテーゼなのだ」。「・・・全裸事件から北朝鮮ミサイル問題、新型インフルエンザと、最近の報道の一極集中と過熱ぶりは、あまりに常軌を逸している」。「国境なき記者団が2008年度に発表した世界報道自由ランキング・・・上位を占めるのは、ノルウエーやアイスランド、フィンランドやスウェーデンなどの北欧諸国。これらすべてが、犯罪報道においては匿名報道を先駆的に取り入れた無罪推定原則を守る)国々であることは象徴的だ」。2006年の51位よりは上昇したとはいえ29番目の「日本のメディアの自由度はあきれるほどに低い。それは確か。でもそれは国家権力や企業サイドからの圧力ではなく、メディアが自ら招いた規制であり、自ら招いた不自由さなのだ」。

 「週刊誌編集長とジャーナリストの闘論! 週刊誌がこのままつぶれてしまっていいのか」(pp.104-121)。佐野眞一氏「『週刊新潮』には、櫻井よし子さんや福田和也さんなど、常連の寄稿家が何人かいます。あのコラムを持ちながら、誰も虚報問題を論じていない」。田島泰彦氏「・・・ひどいのが、オリコンをめぐる訴訟です。・・・雑誌を差し置いて、コメントを出した烏賀陽弘道さんというジャーナリストが訴えられた。個人がターゲット・・・」。佐野氏「・・・「出版」というのはパブリッシュ(pubish)―パブリック(pubic)という言葉の語源です。公共のものなのです。社会のものですよ。それを資本の論理で休刊させてしまう。『月刊現代』にしろ『論座』にしろ・・・少しでも闘ったのかどうか。その痕跡すら見えないわけですね。・・・/・・・賠償金高額化の問題ですが、「お前ら、泣きごと言うなよ」というのが僕の意見です。「しっかり調べないからだろ」と」。山口一臣氏「スタッフには常に「・・・訴えられることを前提として、それに負けないような取材をして下さい」とお願いしています」。北村肇氏「ネットがどう頑張ろうとも、新聞、雑誌がジャーナリズム性できちんと勝負すれば負けるはずがない」。

 篠田博之編集長「林眞須美さんは死刑の恐怖を切々と訴えた/確定死刑囚は「死」とどう向きあうのか」(pp.122-131)。「成果が大きかったのは「フォーラム90」が昨年10月に実施したアンケートだ。・・・福島みずほ議員の協力を得て実現したのだが、78人の死刑囚から回答が寄せられた」。

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ対談 第3回/選挙なんて知らない」(pp.126-134)。麻生首相について、矢崎さん「あの人は教養だけの問題じゃなくて、人間としての品性が卑しいでしょう」。城山三郎さん『粗にして野だが卑ではない』元国鉄総裁石田禮助さんを思い出す。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『創(2009年6月号)』(1/2)

2009年07月21日 07時33分04秒 | Weblog

『創』(2009年6月号)、6月に読了。

 マッド・アマノさん「風刺天国 No.30」。〝完全無所属〟で見事当選した森田健作千葉県知事について、「元気モリモリタ 偽装無所属 自民党支部代表とは無関係?」(p.1)。

 魚住昭さん、「問題山積! されど大事な雑誌ジャーナリズム」(pp.46-51)。リード部は、「『月刊現代』休刊、『週刊新潮虚報など様々な問題が噴出する雑誌ジャーナリズムだが、検察批判などで新聞にはない役割を果たしてもいる。雑誌ジャーナリズムの意義を改めて考えてみたい」。「赤報隊虚報、『僕パパ』・・・編集者は基本的な作法を」。「編集部は、そういうのをおかしいと思わないのでしょうか。・・・基本的な裏取りが出来ていませんね。・・・/さらに驚いたのは、「こうして騙された」という検証記事の見出しです。「騙されたはないだろうと思うけれど。騙されることのすごく多い世界なんだから、引っかからないようにするのがプロの仕事。それをあたかも新潮社が被害者であるかのように書いている。/そしてまた驚いたのは、「疑惑の段階でも報道するのが週刊誌の役割だ」なんていうね。あれは・・・週刊誌文化の誤りだと思います。/僭越な言い方ですが、ものを書くときには、必ず書かれる側の人がいる。書かれた人は、誤った報道をされたら人生がメチャクチャになる恐れが十分にあるのです。疑惑の段階で報道するのが出版社の役割だ、なんてことは言ってはいけない。・・・やはり負けが多すぎます。少なくとも引き分けぐらいまで持っていけるような、あるいは負けるにしても完敗はしないような取材をして書くべきだろうと思います」。『僕パパ』事件ついても、「著者の草薙厚子さんはほとんど素人だから、・・・少なくとも編集者は、あんなに大量に調書を引用したら犯人探しが始まる、犯人探しが始まったらすぐ特定されるということに気付くべきですよ。・・・『週刊新潮』の場合も『僕パパ』の場合も、編集者の基本的な作法の欠落を見せつけられましたよね」。「小沢一郎秘書逮捕は検察の暴走」。「・・・それほど今度の捜査はひどかったということ・・・」。「検察が流す情報に従って記事を書いていくという、このシステムは変わるわけがありません。三井環さんの事件のときなど、本当にひどかったですよ。あんなに明々白々な口封じ逮捕を、きちんと批判できなかった」。

 元木昌彦さん、「『週刊新潮』虚報事件と週刊誌の弱体化」(pp.52-55)。「・・・編集部としては前代未聞のみっともないこと・・・」。「・・・という見出しではなく「島村と共謀してこうして読者を騙した」にしなくてはいけない」。いつものこの会社の体質だが、「取材が浅いなどという程度の問題ではなく、初めに「何が何でもこの記事をやる」というのがあったように思う」。「・・・この件に関しては何を言われてもしょうがない。この場合、あまりにも杜撰過ぎる・・・。/・・・部数を落としているところに、信頼性まで落とすような大きなミスを犯してしまった」。信頼性がそもそもこの雑誌にあったのであれば。だから、権力につけ込まれる。一連の相撲の八百長疑惑についての『週刊現代』の記事について、「私から言わせれば、あれはずさんな取材ではない。記者は相当取材している。・・・/・・・あまりにも一方的に、『週刊現代』に対してあのような判決を出すのは、いくらなんでもおかしいと思う。/・・・裁判員制度をにらんで雑誌に対して厳罰を課すという流れがあるような気がする。・・・/裁判員制度に批判的な論陣を張る雑誌ジャーナリズムに、司法の集中的攻撃がなされているような状態だ」。だから、言わんこちゃない!

 江川昭子さん、「保守系『諸君!』にも及んだ雑誌休刊ラッシュ」(pp.56-60)。「編集部員の数を減らせば、雑誌の質を落とすことにもなる」って、そもそも「質が高い」という前提? 「若い書き手や新進の学者」? 誰のことを指してんだろう? 「・・・その手の主張で充ち満ちている」のに、「・・・斎藤貴男さんも、しばしば同誌に寄稿した時期があった」からといって、免罪されるのかな? 「・・・冤罪事件を取り上げ、警察の無理な取り調べや、自白を安易に採用する裁判所の実態なども、具体的に報告してきた」そうだけれども、それが巻頭を飾り、この雑誌の主題的扱いで、主張となっていたのでしょうかね? あくまでも刺身のつま的、ごく僅かに残された良心的な編集者の罪滅ぼし的なもの?? 「ノンフィクションの若き書き手を発掘して育てる場として活用してきた」って、誰のことだろう? 「〝愛国的〟もの言いがやたらと受けるご時世では、『諸君!』のように、「まっとうな」保守系論檀誌・・・」、思わず噴き出す。まっとうには、一応、「 」がついてはいるが。「・・・秦郁彦氏と、田母神氏を擁護する評論家の西尾幹二氏の討論を掲載した。/・・・編集部が工夫した形跡が見て取れる」ね~、人選がすごく悪いと思いますが。両氏こそ、ネット世界と変わらず、「理屈や事実抜きで感情むき出しのナショナリスティックな発言」が多いのではないでしょうか?

 編集部、「『僕パパ』事件でついに判決! 奈良少年調書流出事件/判決と鑑定の証言」(pp.72-77)。「・・・内部資料の写真がカバーに使われていた・・・」のを見た時、医師は真っ青になったことでしょう。「講談社に対してジャーナリストとして主体的な立場を貫けなかった草薙さんの問題で、そういう人に渡したのが間違いだったということですね」。「ところが、できあがった本は、広汎性発達障害についての記述はほんの一部で、全体としては、調書をそのまま掲載したセンセーショナルな本になっていた。しかもそういう手法をとったために情報源が容易に特定されることになった」。

 香山リカさん、「「こころの時代」解体新書/「うつ病ビジネス」にご用心」(pp.88-91)。サプリメントによる詐欺的なビジネス。「「セロトニン不足がうつ病の原因」という部分は間違いではないだけに、完全なニセ科学と断定することは難しい。しかし現実的には、葉酸やアミノ酸をちょっと口から摂っただけで、それが脳内のセロトニンやその代謝経路に直接、何らかの影響を与え、うつ症状を改善されることはほぼ期待できない」。GABAが含まれたチョコレートについても、「いくら口から有効成分を摂ったとしても、そのほとんどは脳には送られずに排泄されてしまう」。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする