Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか? 無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき

2019年09月02日 00時00分02秒 | Weblog


東京新聞の記事【柏崎刈羽 一部廃炉検討 東電、6・7号機再稼働条件に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201908/CK2019082702000130.html)。

 《東京電力の小早川智明社長は二十六日、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長と面会し、柏崎刈羽原発について「6、7号機の再稼働後五年以内に、1~5号機のうち一基以上の廃炉も想定したステップを踏む」と伝えた》。

 《一部廃炉》以外は再稼働する気なの? ご冗談を! しかも、廃炉は《検討》段階で、かつ、《条件》付き。無条件、即時、全て廃炉作業に入るべきです。東京電力に、再稼働の資格などあるわけがない。《規制》しない原子力「推進」委員会・核発電「寄生」委員会の面々は、ニッポンを、地球を破壊するつもりか? 8年以上の無為な時が過ぎ、いまだに核発電に依存…アベ様政権も含め関係者全員、あまりに無能すぎる。自公やお維、その他核発電〝麻薬中毒〟議員を支持している「1/4」の皆さん、あるいは、眠り猫な「2/4」の皆さん、こんなデタラメが許されていいのか?
 《柏崎刈羽原発はもともと耐震性に大きな問題があり、2007年7月16日の新潟県中越沖地震では、火災や放射能漏れを伴う重大な事故を引き起こしている。…6号機でも使用済み核燃料貯蔵プールの放射能を含んだ汚染水が海にまで流失した。さらに7号機では主排気筒から放射性物質が大気中に放出され、低レベル廃棄物入りのドラム缶約400本が倒れて放射性物質が床から検出されている。…当時の東京電力の発表だけでも実に50件ほどの様々なトラブルが生じていた》…これでも、《東電、6・7号機再稼働》って、正気なのだろうか?

   『●様々な意味で人災である
     「ブラックアウトと云う人災である。しかもそれを想定しもしなかった、
      何も対処しようとしなかった二重三重の人災。でも、津波による浸水が
      無くても、地震によって破断などの致命的な事故が発生していなかった
      のだろうか。さらに、適切に避難させなかった地域に加えて、
      避難させてはならないところに避難させて被爆させてしまっている。
      原発など造ってはならない国に造ってしまった当然の帰結か。
      原発をまだ動かし続けようとしているわが国は、輸出までも行おうと
      している。地震など災害の多い我国でなくとも、こんな
      制御困難で未完成な技術を行える場所がこの地球上にあるとは思えない」

   『●東京電力原発人災:
      津波による天災ではなく、地震で破断していた?
    《元東京電力社員で福島 第一原発で炉心設計(燃料棒を効率的に
     燃やすために、燃料棒の配置を設計する原子炉の中心を担う仕事)
     に携わっていた木村俊雄さん「結論としては、地震で圧力容器に
     繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた。そのことが事故の
     進展を加速させるキカッケとなる。しかも運転員は気づかない。
     やがて津波がくる。3月11日17時19分(東電報告書P.125より)、
     原子炉建屋に入ろうとするがその時にはもうすでに放射能が充満して
     入れない。津波無くとも、重大事故に進展していた
     これでも再稼動新基準は妥当なのか? 気づかないなら、
     もう手のほどこしようはないです…」》

 《07年の新潟県中越沖地震では想定を大きく超える揺れを記録した》。いま、つぶやき空間では、木村俊雄氏の指摘が話題に。これは、2013年9月段階で、すでに指摘されていた。やはり「人災」だった…《木村俊雄さんが、フクイチ地震時のデータの解析を終えて、結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた…》。

   『●東電原発人災の3.11を再び目前に: 
      「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる神経を疑う
   『●柏崎刈羽原発再稼働を画策するような東電は 
                 十分に責任を果たしたのか?
   『●「東京電力が、飛散した放射性物質について…
          「無主物」だと主張」…「その無責任さに衝撃」
   『●東電柏崎刈羽原発再稼働!?: 
     《第一原発事故を検証しない限り…》とする泉田裕彦新潟県知事の正論
   『●残念な「泉田裕彦新潟県知事「出馬撤回」事件」:  
       「原子力ムラはニンマリ」「東電の高笑い」で良いの?
   『●NHK解説委員長、原発は人間の手に負えないモンスター
             …「アベ様のNHK」発の核発電政策への波紋
   『●新潟県知事選: 自公推薦候補者に騙されてはいけない
             …確実にあの東京電力のアレを再稼働させる
   『●米山隆一知事…「ニンマリできなかった原子力ムラ」
       「高笑いできなかった東電」の相当なイヤガラセが予想
   『●環境倫理を『虚構新聞』から学ぶ…「原発導入を許してしまった
                 世代の一人として、恥ずかしく申し訳ない」
   『●「日本壊滅を救った新潟県民」…「インチキと不備だらけ」…
               「このまま再稼働されたら、福島原発の二の舞」

    《柏崎刈羽原発はもともと耐震性に大きな問題があり、2007年
     7月16日の新潟県中越沖地震では、火災や放射能漏れを伴う
     重大な事故を引き起こしている。3号機近くの変電器付近で火災が
     発生、消火用水の給水管は破損して水漏れを起こし、6号機でも
     使用済み核燃料貯蔵プールの放射能を含んだ汚染水が海にまで
     流失した。さらに7号機では主排気筒から放射性物質が大気中に
     放出され、低レベル廃棄物入りのドラム缶約400本が倒れて
     放射性物質が床から検出されている。ダクトのずれ、
     最大1メートル以上の地盤沈下など、当時の東京電力の
     発表だけでも実に50件ほどの様々なトラブルが生じていた》

   『●アレが「もし再稼働しても、電力は
     首都圏向けに提供される」のみ…新潟県知事選=県民投票で否決
   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の
      救い様の無さと、アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」
    《原子力規制委員会は二十七日午前の定例会合で、東京電力
     柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が原発の新規制基準に
     「適合」しているとした審査書案を正式決定した》
    《柏崎刈羽原発は、福島第一と同じで東電が所有する沸騰水型だ。
     福島原発事故は、津波が原因とされるが、地震や津波の襲来から
     メルトダウン(炉心溶融)、水素爆発へと至る経緯は、
     現場で十分な調査ができず、不明な点が多い。
     原因究明が終わっていないのに住民の安全が保証できるのか。
     東電に任せられるのか。規制委は、もっと慎重でもよかった》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201908/CK2019082702000130.html

柏崎刈羽 一部廃炉検討 東電、6・7号機再稼働条件に
2019年8月27日

 東京電力の小早川智明社長は二十六日、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長と面会し、柏崎刈羽原発について「6、7号機の再稼働後五年以内に、1~5号機のうち一基以上の廃炉も想定したステップを踏む」と伝えた。東電が同原発の廃炉の可能性に言及したのは初めて。桜井氏が再稼働の条件として、1~5号機の廃炉計画の提出を求めていた。

 桜井氏は面会後、記者団に「廃炉のステップを踏む時期が少し遅くなり、満点の回答ではない。落第点ではないが、平均点までいっていない」と長期化に不満を示した。

 小早川氏は廃炉の確約はせず、基数や号機の具体的な特定も避けた。6、7号機は安全対策工事中だが、7号機の終了予定は二〇二〇年十二月、6号機は未定で、再稼働時期の見通しは立っていない

 東電の回答では、1~5号機は現時点で必要な電源だと強調。その上で、計画中の青森県の東通原発や千葉県銚子沖の洋上風力発電など、温室効果ガスをほとんど出さない非化石電源を十分に確保できる見通しが付くことに加え、柏崎刈羽原発6、7号機が再稼働することを廃炉検討の条件に挙げた。

 桜井氏は今後一カ月程度かけて東電の回答を検討し、6、7号機の工事への地元企業の参入状況の開示など、再稼働に新たな条件を付ける考えを明らかにした。

 桜井氏は一七年六月、廃炉計画を二年以内に提出するよう東電に求めると表明。「基数、号機、期限の三つとも入らないのは計画とは呼ばない」とし、数字を明記するよう求めていた。

 6、7号機は一七年十二月、再稼働に必要な原子力規制委員会の審査に合格している。


柏崎刈羽原発> 東京電力が所有し、新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって立地する。福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉が計7基あり、総出力821万2000キロワットは世界最大規模。6、7号機についての原子力規制委員会の審査では、設備の安全性に加え、事故を起こした東電に原発事業者としての適格性を認めるかどうかが議論となった。2017年12月に審査に合格し、再稼働に必要な地元同意を得られるかどうかが焦点。07年の新潟県中越沖地震では想定を大きく超える揺れを記録した。以後約12年間、2~4号機は稼働していない。
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●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」

2018年06月19日 00時00分34秒 | Weblog


リテラの記事【横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」39/新潟県知事選で花角新知事陣営がデマ攻撃! 選対幹部が「文春砲が池田候補の下半身スキャンダル」と嘘を拡散】(http://lite-ra.com/2018/06/post-4064.html

 《その裏で、花角陣営は勝つためにはなりふり構わぬ選挙戦を展開、公職選挙法違反の疑いさえ浮上しかねない事態が起こっていた》

 アノ東電に再稼働を許すリスクは確実に高まってしまった…核発電「麻薬」中毒患者どもは大喜びだ。正々堂々の選挙戦での敗戦というのならば、諦めも着こうが、アノ東電核発電所再稼働という争点隠しに加えて、《花角陣営のナンバー2である選対幹部》による《事実無根のデマ》、公職選挙法違反〝紛い〟の汚い選挙に「負けた」のかと思うと、悔しさも倍増する。
 横田一さんは、《もしこれが立件されれば、長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう》とのこと、何時もの如く、有耶無耶にならないことを祈る。《安倍自民党が支援した候補が選挙違反をしてもお咎めなしとなれば、権力者とその仲間たちの無法行為が免責される独裁国家に等しいといえる》。とっくに「無法治国家」「放置国家」、アベ様による人治主義国家…沖縄に対する仕打ちなど、その典型。

   『●発言に人格が現れ、呼ばれ方に
          人間性が表れる: 「石原元「ト」知事」と「栄佐久さん」
   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●米山隆一新潟県知事は「県に運転停止の権限」、
           「私は、根拠のない“ケンカ”はしません」と…
   『●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」! 
       東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器
   『●新潟県知事選: 「中央の紐付き忖度官僚候補
       VS再稼働反対の民意に寄り添う県議候補」という与野党激突
   『●花角英世新潟県新知事…「柳瀬氏同様、
       安倍政権下で出世してきた元官僚」…女性差別発言隠蔽は体質の体現

 東京新聞の記事【原発検証「見直さず」 新潟知事、再稼働慎重路線を継承】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061302000123.html)によると、《福島第一原発事故の原因、住民の健康と生活への影響、避難計画という三点…。原発が立地する柏崎市の桜井雅浩市長は知事選後の十一日、検証作業の見直しを求める意向を示しているが、知事の今回の発言はこれをけん制する格好となった。また知事は「将来的には原発に依存しない社会を目指したい」と説明》。
 どこまで持ちこたえられるか? …無理だと思いますよ。

 沖縄タイムスの記事【辺野古「土砂投入」 防衛局、通知書提出は終業15分前】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/266657)によると、《「今からそちらへ向かいます」。沖縄県名護市辺野古の新基地埋め立て工事で、土砂投入通知書の提出先となった県北部保健所に一報があったのは12日午後4時半ごろ。沖縄防衛局職員が訪ねる30分前だった》。
 琉球新報の記事【政府、透ける「強行隠し」 米朝会談日に土砂投入通知 辺野古移設】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-737494.html)によると、《首脳会談による米朝の緊張緩和で、東アジアの平和構築を期待するムードが高まった12日、その流れと逆行するように政府は同日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め立て土砂投入を沖縄県に通知…中嶋浩一郎沖縄防衛局長はこの日の朝からF15墜落に対する抗議の対応に追われた。地元市町村の首長や県議らは「県民が危険にさらされる重大な事故だ」と怒りをぶつけた。そんな強い抗議を受ける一方で、防衛局は埋め立て開始日を決定していた》。
 新潟県知事選は名護市長選の卑怯さ具合が同じ。堂々とできない程、卑怯者・防衛局のやることは姑息・卑屈…番犬様の尻尾にこびりつく糞のやることときたら卑怯極まりない。

   『●名護市長選後の「アメとムチ」…勝たせてはいけなかった
             新市長と負けさせてはいけなかった稲嶺進さん
    「本当に、負けさせてはいけなかった稲嶺進さん。つくづく、そう思います。
       辺野古破壊を争点にもせず、討論もせず、当選したとたんに
     「辺野古推進と歓迎」…バカにし過ぎでしょ?
       選挙さへ終われば、アベ様は《市民の理解をいただきながら、
     最高裁判決に従って進めていきたい》ですってょ。こんな嘯きを吐かせて…。
     《安倍政権のままでは沖縄県民は永遠に報われない》」

   『●「何十年と付き合っていますけど、
      総理は嘘をつくような人じゃない…」(山本一太氏)…《もはやカルト》

 レイバーネットのコラム【<木下昌明の映画の部屋・第242回>権力とたたかう放送記者たち〜崔承浩(チェ・スンホ)監督『共犯者たち』】(http://www.labornetjp.org/news/2018/0602eiga)を読んで、ニッポンの《放送記者》という名のアベ様広報官たちの現状に、また、《権力が放送局を「占領」》した現状に、絶望的な気分になる…《李明博(イ・ミョンバク)が政権を握ると、公営のKBS(韓国放送公社)とMBC(韓国文化放送)が批判報道を展開した。それに李大統領は我慢ならず、経営陣の首をすげかえ、批判的な記者やプロデューサーらを次々に配転・停職・解雇し、「こんにちは大統領です!」という公報番組まで作ってしまう権力が放送局を「占領」したのだ…『月刊東京』6月号に「権力とたたかうメディア」と題して『共犯者たち』についての長めの批評を書いています。この映画は〈レイバーネット〉を展開するわたしたちに学ぶべき多くのことを教えてくれます。必見!》
 「権力とたたかうメディア」がどれ程ニッポンには…?

   『●「規制の少ない通信と放送」…がもたらすのは
         「総安倍チャンネル化」、「アベチャンネルに成り下がる」

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http://lite-ra.com/2018/06/post-4064.html

横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」39
新潟県知事選で花角新知事陣営がデマ攻撃! 選対幹部が「文春砲が池田候補の下半身スキャンダル」と嘘を拡散
2018.06.12

      (当確後の花角陣営(撮影・横田一))

  新潟県知事選は激戦の末、自公推薦の元国交官僚の花角英世氏が野党5党推薦の池田千賀子元県議らを破って初当選を果たした。しかしその裏で、花角陣営は勝つためにはなりふり構わぬ選挙戦を展開、公職選挙法違反の疑いさえ浮上しかねない事態が起こっていた。

 その"実行犯”は、花角氏の支援団体「県民信頼度ナンバーワンの県政を実現する会」の長谷川克弥・代表代行。投開票日の4日前の6月6日、自民党支部が三條市で開いた緊急議員会議で記者を前に、「(週刊)文春」(文藝春秋)が池田氏の下半身話の記事を選挙後に出すというデマ情報を流し、翌7日の地元紙・三條新聞が「文春が選挙後にまたの話も」と銘打って次のように報道したのだ。

   「実現する会の長谷川代表代行は情勢を交えながら支援を要請。
    (中略)『(相手候補のことで)文春が選挙後に出るようだ。また、
    下半身の話だ。そんなことになったら、また選挙になるではないか』など、
    危機感や不満をぶちまけるように話し、『花角さんをぜひ新潟県の
    知事にして頂きたい』と重ねて求めた」

 この記事は、つまり「池田氏の下半身スキャンダル記事が選挙後に掲載される。花角陣営ナンバー2の長谷川代表代行は、その“極秘情報”を知りうる立場にあり、だからこそ池田氏当選後の再選挙リスクを避けるために花角氏支持を訴えた」と読める。しかも「自民党の選対会議で花角選対幹部が記者の前で発言した内容がウソのはずがない」と誰もが考えるだろう。

 しかし長谷川氏の発言は、事実無根のデマだった。池田氏の選挙事務所に問い合わせると、「文春から下半身ネタに関する事実関係の問い合わせはない」と答え、文春関係者も「企画会議でそんなネタは通っていないし、記者も動いていないと記事掲載の予定を否定した。そもそも「文春が選挙後に出す」ということ自体も奇妙千万な話で、報道関係者の多くはその信憑性を疑っていた。

 2016年の都知事選で落選した鳥越俊太郎氏のスキャンダル報道を見ても分かるように、メディアは事実関係に自信を持った場合、選挙期間中であっても記事を出す。有権者への判断材料の提供にもなるし、公職選挙法違反にもならないからだ。


池田候補のデマを拡散した花角陣営の選対幹部・長谷川克弥氏を直撃

 公選法ではあくまで虚偽(ウソ)の情報を選挙期間中に流すことが禁じられているだけであって、投票行動に影響を与える内容であっても事実であれば罰せられることはない。しかし、選挙期間中にデマ(虚偽情報)を流布すれば、選挙違反となる。長谷川氏が、辞任に追い込まれた米山隆一前知事の女性問題記事を出した「(週刊)文春」の名前を出して「下半身の話だ」と断定、選挙後の掲載と再選挙のリスクを示唆すれば、少なからぬ人が「事実」と信じ込んで花角氏支持(投票)へと傾く要因になる可能性は免れない

 公職選挙法には「当選を得させない目的をもって公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者」に対して4年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処するとある。選対幹部の長谷川氏は、この公職選挙法違反に該当する可能性すらあるのだ。

 投開票日(10日)の22時すぎ、筆者は当確が出て万歳を終えた花角氏の囲み取材で、三條新聞の記事を示しながら「長谷川代表代行が『文春(の記事)に相手候補の下半身ネタが出る』ということを話して三條新聞にも報道されているが、これは虚偽のデマを広める公職選挙法違反に当たると考えないのか」と聞くと、「(長谷川氏の発言を掲載した)三條新聞は拝見していない。事実関係を承知していない」と答えた。

 そこで「日大アメフト部のように『選挙違反をしても当選する』という考えですか」とも聞くと、花角氏は「選挙違反かどうかは分かりません。事実関係を確認させてください」と調査を約束した。

 また、同じホテル内の会場にいてテレビ局の取材を終えた長谷川氏を直撃して「記者の前で話をしてデマが広まった。選挙違反ではないか」と問い質すと、「週刊文春から聞いた話ではなく、ネット上のツイッターに書かれていた噂を基に話した。噂を広めるつもりはなかった。僕の言葉をそのまま載せていない。三條新聞に抗議する」と答えた。

 しかし、選対会議を報道陣に公開して記者が聞いている中で話をすれば、記事を読む人に広まる可能性があることは、誰が考えてもすぐに分かることだ。「広めるつもりはなかった」と長谷川氏が流布の意図を否定しても、デマが広まる環境下で話をしたことは紛れもない事実なのだ。

 池田候補を誹謗中傷する事実無根のデマは他にもあった。池田氏があたかも過去に「拉致問題は創作だ」と主張していたかのようなデマがネット上で拡散されたのだ。


ネットでは池田候補が書いてもいない「拉致は創作」論文の存在が拡散

   〈「池田ちかこ 新潟知事選候補『北朝鮮の拉致は創作された事件』
    (1997年の論文より)」〉
   〈新潟知事選挙に出馬した池田ちか子は1997年に「北朝鮮拉致は
    創作された事件」と主張する論文を発表した「人間のクズ」である〉
   〈「北朝鮮拉致は創作された事件」なんて主張した論文(月刊社会民主
    1997年7月号)まで出した社民党の #池田ちかこが新潟県知事に
    なったら〉

 選挙戦が始まって以降、こんなデマツイートが投稿されはじめ、右派系の評論家や元自民党衆議院議員なども拡散していた。

 しかし、池田氏はそんな論文は一切書いておらず、まったく別の人物が書いた記事の中に、そういう記述が出てくるだけだった。元拉致被害者家族会事務局長で元東電社員の蓮池透氏も8日、池田氏支援の集会でこれを否定し次のように訴えた。

   「向こうの陣営をたぶん応援する人だと思うのですが、とんでもないデマ、
    フェイクを流しているのです。池田千賀子さんは『拉致問題は創作だ』
    と言った、と。そんなバカなこと、誰が言うのですか。地元ですよ、
    池田さんは。旦那さんはうちの弟と同級生ですよ。そんなふざけたことを
    言うわけがないんです。これはもう私は、法的にも問題だと私は思います」

 だが、このデマはその後も変わらず、投票日まで、あたかも事実のように拡散され続けた。こちらは花角陣営が直接関わっているかどうかはわからないが、「法的にも問題」(蓮池氏)であることには変わりなく、場合によっては、同じく公職選挙法違反となる可能性は十分にあるだろう。

 そして、前述したように、“文春の下半身スキャンダル”デマについては、知事ポストを得た花角陣営のナンバー2である選対幹部がかかわっていた。こうしたデマ攻撃が罰せられずに放置されるのならば、新潟県は公職選挙法が適用されない無法地帯と化していると言っても過言ではない。と同時に「法治国家」の屋台骨も揺るがすことにもなる。安倍自民党が支援した候補が選挙違反をしてもお咎めなしとなれば、権力者とその仲間たちの無法行為が免責される独裁国家に等しいといえるからだ。

 今回、新聞記事に掲載された「選対幹部の実名のデマ発言」という動かぬ証拠がある。もしこれが立件されれば、長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう。「事実関係を確認する」と当確直後に述べた花角氏の初会見は知事就任後の見通しだが、選対幹部の選挙違反をどう釈明するのかが注目される。

横田一
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コメント (1)
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