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●御笑い「合憲」 ~裁判員制度を違憲に出来る訳が無い!~

2011年11月20日 01時53分53秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/1116/TKY201111160267.html)。関連した東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011111702000072.html)とasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20111119.html)。

 御笑いだ。あ~やっぱり、というのが第一の感想。期待は全くしていなかったものの、やはり司法もダメですね。法曹界トップがこれでは。
 両社説も煮え切らない。そんな高尚な話ではないのに。だって、両社はどうだったかわからないけれども、幾つかのマスコミはやらせで儲けさせてもらったこと(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%BF%A5%A6%A5%F3%A5%DF%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0)が影響しているのでしょう。以下の二つの当ブログ記事をどうぞ。

     ●『つぶせ! 裁判員制度』読了
     ●『官僚とメディア』読了(3/3)

 それにしても、

    「「違憲論」の議論は、これで一応の決着をみたといえよう。
     最高裁の裁判員経験者へのアンケート調査でも95%以上が
     「よい経験」と回答し、制度は定着してきたと評価


とは・・・・・・。また、

    「司法は、世の多数にあらがっても人権や正義を守る使命を担う。
     そのために、国会が定めた法律をおかしいといったり、行政の決定を
     取り消したりする権限を与えられている。しかし国民との結びつきは
     国会などに比べて弱く、責任をまっとうしていけるのか心配がぬぐえない」

ことがどうして、『死刑のスイッチ』を含むような刑事裁判への参加であるのか、さっぱり分からない。

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http://www.asahi.com/national/update/1116/TKY201111160267.html

201111161511
裁判員制度は「合憲」 最高裁大法廷が初判断

 裁判員制度は憲法に違反していないかどうかが争点となった刑事裁判の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允〈ひろのぶ〉長官)は16日、「合憲」との初めての判断を示した。その上で、無罪を訴えていた被告側の上告を棄却した。

 審理の対象は、覚醒剤を密輸したとして一、二審で実刑とされたフィリピン国籍の女性被告(45)。一審から無罪を主張し、弁護側は控訴審から「裁判員制度は違憲だ」と訴えた。

 「(地裁や高裁など)下級裁判所の裁判官は最高裁が指名した者の名簿によって、内閣が任命する」と定めた憲法80条などが、裁判員制度が適合するかが争点となっていた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011111702000072.html

裁判員制度 合憲でも課題は残る
20111117

 裁判員制度は憲法違反かどうかが争点の裁判で、最高裁は「合憲」と判断した。二年半を経過した新制度は定着しつつある一方で、死刑の在り方や厳しい守秘義務など克服すべき課題は残る。
 大日本帝国憲法では「裁判官ノ裁判ヲ受クルノ権」と書かれたが、日本国憲法第三七条では「裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利」となった。「裁判官」ではなく「裁判所」と変わったのだ。
 新憲法と同時に施行された裁判所法第三条は「陪審の制度を設けることを妨げない」とも明記した。新憲法は刑事裁判を市民参加で行うことを想定していたと考えるのが自然だろう。陪審制とは形は異なるが、裁判員制度は新憲法の理念に沿っているともいえる。
 今回の裁判は覚せい剤密輸の事件だが、同制度自体の違憲性を争った。弁護側は「くじで選ばれた裁判官以外の者が、裁判官と対等の権利を持って裁判に関与するのは違憲」などと主張したのだ。
 最高裁は新憲法制定時の状況を踏まえつつ、「国民の司法参加が禁じられていると解すべき理由はない」と合憲判断をした。同制度では法令の解釈などは裁判官が行う。評決も単なる多数決ではなく、多数意見の中に必ず裁判官が加わっていることが必要だ。
 それらを根拠に「被告人の権利保護の配慮もされている」「刑事裁判の諸原則の保障は裁判官の判断に委ねられている」などと合憲理由を説明した。
 立法段階から一部の学者や弁護士などで根強かった「違憲論」の議論は、これで一応の決着をみたといえよう。最高裁の裁判員経験者へのアンケート調査でも95%以上が「よい経験」と回答し、制度は定着してきたと評価できる。
 裁判員制度では一般市民も死刑問題と向き合う。絞首刑が残虐な刑罰にあたるかがテーマとなった裁判では、執行に立ち会った元検事が「むごいと思った」と証言した。死刑の在り方の議論に一石を投じることになるだろう。
 同一の被告が複数の事件を起こした場合、事件ごとに裁判員が選ばれる「区分審理」になることがある。量刑は最後に判決を出す法廷で決まる。審理に加わらなかった裁判員が量刑を判断する仕組みは、矛盾をはらんでいる。
 過重な守秘義務なども問題だ。もっと裁判員の経験を社会で共有できるように改善したらどうか。市民感覚を生かした刑事裁判がさらに成熟するのを期待する。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.htmlの11月19日付、
          おそらく、http://www.asahi.com/paper/editorial20111119.html

20111119日(土)付
裁判員は合憲―市民が司法を強くする

 「裁判員制度は憲法に違反しない」。そんな判決が最高裁大法廷で言い渡された。
 国民の司法参加の話が本格化した90年代末からの「合憲か違憲か」の争いに決着がついた。
 裁判官でない一般の人に裁かれるのは被告の権利を侵す。参加の義務づけは憲法が禁ずる苦役にあたる……。違憲の主張はさまざまだが、そうした指摘を踏まえ、憲法に適合するよう工夫して制度はつくられた。
 じつは憲法と司法参加の関係は、ここにきて急に語られるようになったわけではない。
 憲法を制定する段階から議論があり、将来、参加に道を開くときの妨げにならぬようにと条文が練られた。先人の見識と知恵にあらためて敬服する。
 国民が裁判に加わる意味あいを、いま一度考えてみたい。
 裁判員の負担は軽くない。プロに任せておけばいいではないか、との声は根強くある。
 だが国民から縁遠く、専門の世界に閉じこもる裁判所が、私たちにとって本当に頼りになる存在であり得るだろうか。
 司法は、世の多数にあらがっても人権や正義を守る使命を担う。そのために、国会が定めた法律をおかしいといったり、行政の決定を取り消したりする権限を与えられている。しかし国民との結びつきは国会などに比べて弱く、責任をまっとうしていけるのか心配がぬぐえない。
 そんな司法の世界に主権者である国民が入っていくことで、よって立つ基盤を強化し、本来の役割をしっかり果たさせる。司法参加の意義はここにある。
 裁判員と裁判官がともに悩み考える営みを通じて、裁判の質が高まり、司法の機能が向上することは、結果として人々に豊かな果実をもたらす。
 みんなで一定の負担を引き受けながら、より良い社会をつくる。それが民主主義であり、今回の判決の背景にも同じ思想が流れているように思う。
 制度が始まって2年半。「罪を犯した人の社会復帰や治安について考える機会になった」と参加の経験を前向きにとらえる裁判員が多い。国民がそばにいるという緊張感は裁判官、検察官、弁護士をきたえ、長すぎる裁判の見直しをはじめ、これまで進んでこなかった改革を後押しする力にもなった。
 もちろん課題はまだ多いし、思わぬ障害が立ちはだかるかもしれない。だがそれを乗り越えることで、制度はより確かなものになってゆく。
 この国の主人公は一人一人の国民である。判決は、その思いを新たにする契機になった。
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