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●JR: 安全は二の次?、民営化の果てに・・・ ~石田禮助氏は何を想う?~

2013年10月03日 00時00分49秒 | Weblog


東京新聞の記事『JR北海道 本線でも異常放置 レール97カ所全道に拡大』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092302000120.html)、
gendai.netの記事【JR北海道レール異常放置のウラにドロドロの人事抗争】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144744)、
東京新聞の社説【JR北海道 許されぬ無責任体質だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013092502000133.html)、
CMLの記事【[CML 026779] (無題)】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026715.html)。

 民営化すると、国鉄よりも夢のようにスッバラシイ民間鉄道会社に変わるんじゃなかったの?? 国鉄時代の安全性と比べてどうなんでしょうかね? 金儲けのためなら、安全性なんて二の次?

   『●国労組合員恣意的不採用問題、一歩前進

 石田禮助氏は草葉の陰で何を思っていることだろう?

   『●『「粗にして野だが卑ではない」――石田禮助の生涯』読了(1/2)
   
     「「国鉄は昼も夜も休みなく、年間五十億の命を預かって運ぶ」
      「仕事の質が違う」「仕事の匂いがちがう」―――。」
     「優待パスをすべて返上した。/モラルあってのソロバンである。
      正々堂々と働き、正々堂々と生きよ
     「「パブリック・サービス」を生きがいとする人々が、グリーン車にただ乗りして、
      心に卑しさを感じないものなのか」」
     「「わしがそんなミーンなことをすると思うのか」」

   『●『「粗にして野だが卑ではない」――石田禮助の生涯』読了(2/2)
   
     「「閥をつくらぬし、あんなに敬愛できる人はいない。総裁を天職と信じ、
      生き方に自信があった。人間のスケールが違っていた」」
     「・・・石田にとっての何よりの勲章として・・・これこそ、「マンキー
      にふさわしい勲章。「死後、政府から勲一等叙勲の申し出があったが、
      これも未亡人つゆが頑として受けなかった。・・・」
     「石田は吐きすてるように、/「おれはマンキーだよ。マンキーが勲章を
      下げた姿が見られるか。見られやせんよ、キミ」/・・・ただし、ただの
      マンキーではない。/国鉄総裁になり、はじめて国会へ呼ばれたとき、
      石田は代議士たちを前に自己紹介した。/
      「粗にして野だが卑ではないつもり」・・・「国鉄が今日のような状態に
      なったのは、諸君たちにも責任がある」」

   『●『創(2009年7月号)』
   『●『城山三郎の昭和』読了(1/3)

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092302000120.html

JR北海道 本線でも異常放置 レール97カ所全道に拡大
2013年9月23日 朝刊

 JR北海道がレール幅の異常を補修せず放置していた問題で、野島誠社長は二十二日、札幌市で記者会見し、何らかの補修が必要なレール異常の放置が、特急などが主に走行する本線を含め、さらに八十八カ所で判明したと発表した。これまでの判明分と合わせレール異常の放置は計九十七カ所に上った。 

 列車の安全運行に欠かせない保線の不備が全社的にまん延していた実態が判明、公共交通機関としての信頼がさらに損なわれた。野島社長は「お客さまにご迷惑をおかけし、社内の規則も守られず大変申し訳ない」と陳謝。自身の進退については「考えていない。体制の立て直しに先頭に立って取り組みたい」と述べた。

 JRによると、九十七カ所のうち、本線で放置されたレール異常は四十九カ所。全道に及び、特急列車が最高速度百三十キロで走行する区間も含まれていた。待ち合わせなどで使う待機用線路(副線)は少なくとも四十八カ所に上った。

 異常はレール幅が許容値(十九ミリ)を超えて広がっていた事例に加え、左右のレールの高低差やねじれなどの許容値超過があり、社内規定では異常を確認した場合、十五日以内に補修しなければならないが、いずれも放置されていたという。JRは二十二日までに判明分すべてで補修を終えたという。

 放置の原因について、JRは(1)本線の補修を優先し、副線を後回しにしたため失念した(2)保線現場の社員の情報共有が乏しかった(3)必要な予算が不足していた可能性があった-と説明した。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/144744

JR北海道 レール異常放置のウラにドロドロの人事抗争
2013年9月25日 掲載

 JR北海道の相次ぐトラブルで野島誠社長(56)が集中砲火を浴びている。何しろ、報道陣から異常レールを放置していた原因を聞かれ、「補修を先延ばししているうちに失念した」と平然と答えるありさま。自身の進退についても「身を引くことは考えていない。先頭に立って体制の立て直しに取り組む」とまるで反省の色がないのだ。

 さすがに菅官房長官も24日、「(異常を)分かっていて対処していないのは極めて悪質性がある。組織、体質的な問題もあるのではないか」と呆れた様子だった。

 しかし、野島社長が簡単にケツをまくれるほどコトは単純ではない。JR北海道には、まさにドラマ「半沢直樹」を地で行くようなドロドロの派閥争いがあるのだ。

   「同社のトップ人事は、小池明夫会長(67)派と、2年前に自殺した
    中島尚俊元社長(当時64)派とに色分けされます。もともと、小池氏と
    中島氏は東大同期で国鉄入社(69年)も同期の間柄。しかし、中島氏は
    石勝線の脱線炎上事故で内外から突き上げられ、石狩の海に身を投げた。
    その後、小池氏が社長に復帰しましたが、今年6月には死んだ中島氏に
    近いとされる野島氏が新社長に就任しました」(マスコミ関係者)

 その「中島―野島」の背後にいるのが、JR北海道の“ドン”といわれる坂本真一相談役(73)だ。


<悲願達成のために人命軽視>

   「坂本相談役は、自分と同じ技術畑の野島新社長を強烈に後押しした
    ともっぱら。坂本相談役には2つの夢があって、ひとつは吉永小百合の
    映画を北海道で撮ること。これは05年の『北の零年』に出資して
    実現しました。もうひとつは、北海道新幹線の誘致です」(同社関係者)

 北海道新幹線は、40年前に整備計画が出来た旧国鉄の亡霊。2015年に開通する「新青森―新函館」だけで5500億円の予算が投じられ、さらに2035年をメドに1兆6700億円をかけて新函館から札幌まで延伸する計画だ。

 だが、年商が約800億円しかなく、鉄道部門に限れば、335億円の赤字(13年3月期)のJR北海道にとって、「新幹線は身の丈に合っていない」と内部からも疑問の声が出ている。

   「坂本相談役にとって、今ここで野島社長が辞任してしまうと、
    札幌延伸計画が頓挫する可能性が出てくる。それは札幌市の一部を
    地盤にする町村信孝元官房長官の意図するところでもない」
    (前出・マスコミ関係者)

 人命を省みず、総額2兆円超の新幹線建設に突き進むとしたら、驚くべき厚顔無恥の連中としか言いようがない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013092502000133.html

【社説】
JR北海道 許されぬ無責任体質だ
2013年9月25日

 JR北海道の無責任体質には言葉を失う。道内九十七カ所でレールの異常を把握しながら放置していた実態が露呈した。人命軽視も甚だしい。公共交通機関としての当事者能力を疑わざるを得ない。

 函館線大沼駅で十九日に発生した貨物列車脱線事故に絡み、国土交通省の指示を受けて調べた結果だ。すべて補修を終えたとはいえ、安全運行の大前提となる保線の不備が全社的に見過ごされていた形といえる。

 脱線現場ではレール幅が社内規定の許容値より広がっていた。昨年十月の検査で異常に気づきながら一年近く補修していなかった。

 JR北海道は二十一日にこの現場をはじめ、追い越される列車が待機する副線で九カ所の不備があったとのみ発表していた。しかし、翌二十二日になって一気に八十八カ所の不備を追加した。

 副線では四十八カ所に増え、さらに、最高速度百三十キロの特急列車が走る区間をふくめ本線で四十九カ所が発覚した。レール幅の広がりに加え、左右のレールの高さが違ったり、波打ったようにゆがんだりしていた事例があった。

 異常が確認されたら十五日以内に補修する決まりなのに、いずれも長期間ほったらかしだったというから言語道断だ。人命にかかわる重大事故を招きかねないという危機意識がなぜ希薄なのか

 二〇一一年五月には石勝線で特急が脱線炎上し、七十九人が負傷する事故が起きた。当時の社長は「お客さまの安全を最優先に」と訴える遺書を残して自殺した。JR北海道はその遺志を継ぎ、信頼回復を誓ったはずではないか。

 それなのに列車から出火したり、運転士がミスを隠すため自動列車停止装置を壊したりと由々しき事態が止まらない。レールの不備の蔓延(まんえん)と無縁ではないだろう。

 石勝線の事故以来となる事業改善命令を視野に、国交省は特別保安監査を進めている。保線の在り方にとどまらず、経営状態や組織体制、技術レベル、社内モラルまで洗いざらい検証すべきだ。

 国鉄末期に新規採用を控えたため、世代間で技術や意識が断絶している。赤字経営で人手や予算が不足している。そんな構造的な問題が背景事情として指摘されている。

 安全第一の鉄則に照らせば、すべて言い訳にすぎない。一五年度に開業予定の新幹線はもとより、在来線の運行にさえ大きな不安と深い不信がつきまとう。もはや根底から会社を立て直すべきだ。
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026715.html

[CML 026779] (無題)
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2013年 9月 26日 (木) 11:03:04 JST



国労の久下です。先ほどfacebookに投稿した文章です。

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● がんばれJR北海道の労働者 ●

 私は東京の山手線にある駅で働く定年間際の労働者です。厳冬の北海道、たとえば吹雪の荒れる日に荒野を走る長い線路を保守して歩くJR北海道の皆さんの仕事を思うと、さぞや大変な仕事だろうと思います。

 今、JR北海道では走行中の列車火災、貨物列車の脱線というような重大な事故が続発し、ついに、規定を上回るレールのゆがみ270カ所を放置していたことが明らかとなって、厳しく批判されていますね。しかし私は、経営者も現場労働者も一緒くたに批判する、政府やマスコミの姿勢は間違っていると思います。

 分割・民営化で本州と切り離され、厳しい経営を余儀なくされたJR北海道では、発足当時の14000人が半減され、仕事の外注化も極限まで進んでいると聞いています。

「現場は圧倒的に人とモノが足りていない。レールの補修が、内規で定められた15日以内の期限を過ぎることを承知の上で、先送りするケースは日常的にある」

「予算の制限から、朽ちた枕木を満足に交換できないことも多々ある」

「許容値より1、2ミリの多さは理解できるが、そこまで放置されたとなると別次元。重い貨物列車なら、十分、脱線が起きうる極めて危険なレベルだと保線社員なら誰でも知っている」

 これは皆、北海道新聞に載った皆さんの声です。私は、現場の実情を誰よりも知っている皆さんが、今こそ声をあげてほしいと思います。

 国鉄には安全綱領がありました。

1.安全は輸送業務の最大の使命である。
2.安全の確保は規定の遵守および執務の厳正から始まり、不断の修練によって築きあげられる。…3.4.5…。

 私たちは出勤するたびに、安全綱領を唱和して仕事についたものです。そして、職場には「抵抗なくして安全なし。安全なくして労働なし」というスローガンを炭労の仲間から教えられた労働組合が組織されていました。

 「規定が守られているか」を点検することは、労働組合にとって、もっとも初歩的な取り組みでした。分割・民営化で国労北海道が大打撃をうけて解体されていなかったら、規定を超えたレールのゆがみが半年も一年も放置されることはあり得なかったと思います。乗客と労働者の安全を確保することは、公共交通の経営者にとって絶対の責務ですが、経営者が経営上の観点から安全をおろそかにしたとき、労働組合は乗客と労働者の安全を確保する最後の砦となるべきなのです。

 分割・民営化でJR北海道に採用を拒否され、広域採用でJR東日本に来た仲間が、ふるさとに残った同僚が、「職場は疑心暗鬼でバラバラ。皆、自分だけは助かろうと自己保身に走っている。俺は嫌になって若年退職する」と言っていると教えてくれました。JRだけでなく、北海道の経済全体が地盤沈下しているなかでは、労働組合が、安全を確保するために必要な人とカネを要求しても、世間の支持は得られないのかもしれません。職場から信頼できる労働組合が一掃されている状況では、首をすくめて嵐の過ぎ去るのを待つのが一番いいのかもしれません。まだ恵まれた首都圏で働く労働者には想像できないたくさんの苦しさが皆さんを取り巻いているのだと思います。

 しかし、誰かが声を上げねば状況は変わりません。分割・民営化政策そのものを問い直すことを含めて、安心して利用できる公共交通を再建するために、JR北海道の労働者が声を上げることを、心から願っています。

がんばれ! JR北海道の労働者!
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■「卑」 (A.S.)
2019-11-29 18:13:19
■「卑」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6120fbd19dc066e60812ba5c8085a2f7) 【中曽根康弘元首相死去 101歳 改憲提唱、国鉄民営化】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019112990140315.html)/《「戦後政治の総決算」を掲げて国鉄(現JR各社)の分割・民営化を実現した元首相》
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