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●『自民党の終焉』読了(3/4)

2010年04月18日 02時28分02秒 | Weblog

森田実、『自民党の終焉 ~民主党が政権をとる日~

 アジアとの関係の悪化。「小泉首相は靖国神社への参拝を繰り返し、中国韓国両国民の神経を逆なでした。小泉首相のやり方は挑発的だった。これに対して小泉首相は、状況をあたかも楽しむがごとく、不真面目な態度をとりつづけた。この結果、日本はアジアで孤立状況に追い込まれた。/・・・日本のマスコミは支持した。マスコミの驚くべき頽廃である。政府もマスコミも「まとも」な感覚を失っていた」(p.83)。

 傲慢になり、不真面目になった政治家たち。「第1は、・・・謙虚だった。もちろん吉田茂岸信介のように傲慢で権力をふりかざす政治家もいたが、多くの政治家は一般国民に対して謙虚だった。・・・/第2は、ものの見方が変わった。・・・/第3は、人間の社会や人生に対する態度において不真面目な人間が増えてきた。小泉純一郎元首相や麻生太郎元外相に、精神の不真面目さを私は感じている。・・・「強気にゴマをすり、弱きを見捨てる」タイプの軽薄な政治家ばかりが目立つようになった。/第4は、エゴイストの増加である。・・・」(pp.91-93)。

 はぐらかしと秘密主義・隠蔽。「郵政民営化をめぐる国会議論の中で、何人かの議員が「年次改革要望書の存在について小泉首相竹中平蔵郵政担当相に質問したが、二人は質問者をはぐらかし、無関係なことを答弁し、質問に真面目に正面から答えようとしなかった。2人はとぼけつづけたのである。小泉首相と竹中郵政担当相は、郵政民営化が米国政府の長年にわたる強い要求であるという事実を隠し続けた、/・・・大マスコミは小泉政権と一体化していた。マスコミ自信が情報隠しに協力するのは異常である。マスコミは戦時中と同じことをしたのだ。マスコミの自殺行為であった。/国民は、・・・知らないまま、2005年9月の総選挙において、・・・。米国保険業界の日本への進出の狙いがあることも知らないまま、・・・。大多数の国民は郵政民営化の本質を知らないまま郵政民営化に賛成した」(pp.122-123)。

 愚かな政治家。「・・・前原誠司前代表のように、安倍自公連立政権のエピゴーネンで、テレビ局、テレビ番組からおだてられた、・・・安倍自公連立政権を喜ばせた愚かな政治家もいた。だが、前原氏は孤立した。」(p.131)。

 日米関係と自民党の二つの政治路線。「一つは保守中道路線と云うべきもので、外交政策においては国連中心主義をとりつつ米国とも中国、韓国などアジア諸国とも友好関係を維持し、国内政策においては国民生活を重視し、・・・。・・・石橋湛山、池田隼人、田中角栄三木武夫、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一、・・・細川護煕、村山富市らであった。/もう一つは、・・・従米路線である。・・・岸信介中曽根康弘小泉純一郎であった。安倍晋三もこの路線の政治家である。/・・・両者の中間路線である。・・・佐藤栄作、福田赳夫、海部俊樹、橋本龍太郎らであった」(pp.134-135)。
 ミルトン・フリードマン学派と宗教政治。「小泉・安倍政治は「アメリカのブッシュ主義」という一種のイデオロギーを重視する政治である。小泉構造改革の経済理論は新古典主義であり、フリードマン理論・・・であった。・・・。/小泉・安倍両政権が忠誠をつくしたブッシュ米国大統領が行ってきた政治は本質的には宗教政治であった。ブッシュ政権は、大統領が信ずるキリスト教原理主義の理念に従ってというより、神の予言を聞いたように感じてアフガン戦争イラク戦争を行った。・・・米国のフリードマンに引き継がれてきた特殊な経済理論である。・・・というより強者のためのイデオロギーとでもいってよいものである。/・・・アメリカ政府崇拝イデオロギーに基づく政治だった。安倍政治は初めに憲法改正ありきであり、また、教育基本法改正ありきであった。これも右翼主義に立つ一種のイデオロギー政治である」(pp.145-146)。
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