nikkan-gendaiの記事【世界的経済学者・宇沢弘文氏が蛇蝎の如く嫌った「新自由主義」】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153687)と、
東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014092702000151.html)。
『●アベ様と竹中平蔵氏:
「新自由主義」「規制緩和(寄生緩和)」というお題目の裏で・・・・・・』
先日亡くなられたそうですが「宇沢氏こそ、アベノミクスが推し進め、竹中平蔵慶大教授が旗を振っている「新自由主義」に真っ向から反対し、猛烈な批判を浴びせていたことだ。晩年の宇沢氏は「TPPは社会的共通資本を破壊させる」と唱え、「TPPを考える国民会議」も立ち上げた。宇沢氏の功績=アベノミクスの全否定になるのである」。
この世はカネカネカネ・・・・・・市場原理主義・新自由主義の権化・竹中平蔵氏のような経済学者ばかりかと思っていましたが、宇沢弘文氏は竹中氏とは対極の経済学者だった訳です。「経済とは、経世済民。世をおさめ、民をすくう。言葉の本来の意味の経済学者だった」。
また、「経済学者・宇沢弘文さんはその言葉に怒りを感じたそうだ。「大切なものは決してお金に換えてはいけない。人生で一番大きな悲劇は、大切なものを国家権力に奪い取られたり、あるいは追い詰められてお金に換えなければならなくなった時です」」。すばらしい。アベ様に聞かせてあげたいものです。と言っても、聞く耳持たずでしょうがね。それに加えて、「竹中氏のようなエセ学者が跋扈しないようにメディアは宇沢氏の功績と懸念をもっと伝えなければならないが、大マスコミ自体が新自由主義に毒されているのだから、どうにもならない」。
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153687】
世界的経済学者・宇沢弘文氏が蛇蝎の如く嫌った「新自由主義」
2014年9月28日
(竹中平蔵パソナ会長/(C)日刊ゲンダイ)
「日本を代表する経済学者」といわれた宇沢弘文東大名誉教授が今月18日、肺炎のために死去した。大手新聞は一斉に訃報と、その業績、生きざまを書いていたが、そこにすっぽり抜け落ちていた部分がある。宇沢氏こそ、アベノミクスが推し進め、竹中平蔵慶大教授が旗を振っている「新自由主義」に真っ向から反対し、猛烈な批判を浴びせていたことだ。晩年の宇沢氏は「TPPは社会的共通資本を破壊させる」と唱え、「TPPを考える国民会議」も立ち上げた。宇沢氏の功績=アベノミクスの全否定になるのである。
宇沢氏は1951年に東大理学部数学科を卒業した。経済学に転じたのは「世の中を救うのは経済学である」と考えたからだ。米スタンフォード大准教授、カリフォルニア大助教授、シカゴ大教授を経て、東大教授に。70年代以降は市場原理を優先する経済理論や、それを推進する学者の浅ましさを徹底批判したことで知られている。
最晩年にインタビューし、宇沢氏が2011年、脳梗塞で倒れた後も親交を結んでいたジャーナリストの佐々木実氏はこんな思い出を語ってくれた。
「宇沢氏は新自由主義者のノーベル経済学者、フリードマンと
シカゴ大で一緒でした。ある日、みんなでランチを一緒にしていると、
フリードマンが怒っている。ポンド切り下げを見越して、
空売りをしようとしたら、銀行から断られたというのです。それで
怒っているフリードマンの言動に宇沢氏は心底あきれて、
このエピソードを話されていた。稼ぐが勝ちという新自由主義も
おかしければ、それを唱える学者の人間性にも怒っていた。
ノーベル賞クラスの学者でしたから、竹中平蔵氏を名指しで
非難はしていませんが、その政策や生きざまには批判的でした。
実は宇沢氏と竹中氏は日本開発銀(現・日本政策投資銀)の
研究所で一緒だった時期があるのです。その時に竹中氏が
共著にすべき論文を単著で出して大問題になった。それを収めたのが
宇沢氏なのですが、その竹中氏が新自由主義の旗振り役となって、
日本をおかしくしているのですから、皮肉なことだと思います」
宇沢氏は40年以上前、ベトナム戦争を批判された米国防長官が経済効率性を理由に胸を張ったことに愕然とし、「言葉に言い尽くせない衝撃を受けた」と語っている。以後、平等・公正・正義ではなく、「稼ぐ」ことだけを目的とした経済学に批判を投げかけてきた。人材派遣大手・パソナの会長として、巨額の報酬を得ながら、産業競争力会議のメンバーにもなって、パソナが得をする雇用改革を推し進めている竹中氏などは、宇沢氏にしてみれば論外で、蛇蝎のごとく嫌う存在だったのである。
「宇沢氏は学者が政府の会議に入ることにも批判的でした。
宇沢氏の存在があったからこそ、教え子の学者たちは政府の会議で
緊張していた。その重しがなくなると、どうなるのか、心配です」(佐々木実氏)
竹中氏のようなエセ学者が跋扈しないようにメディアは宇沢氏の功績と懸念をもっと伝えなければならないが、大マスコミ自体が新自由主義に毒されているのだから、どうにもならない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014092702000151.html】
【コラム】
筆洗
2014年9月27日
国が子どもたちへの金融教育に力を入れ始めたころ、時の日銀総裁が講演で、こんなことを話した。「自分の持っている大切なものを手放してお金に換えても、そのお金は価値をきちんと保全し、次に必要なものを手に入れる時に役立ってくれる」▼先日、八十六歳で逝去した経済学者・宇沢弘文さんはその言葉に怒りを感じたそうだ。「大切なものは決してお金に換えてはいけない。人生で一番大きな悲劇は、大切なものを国家権力に奪い取られたり、あるいは追い詰められてお金に換えなければならなくなった時です」▼宇沢さんは十七歳で終戦を迎えた。貧困と失業、経済混乱に苦しむ人々の姿を見て経済学の道を歩み始めた。もともとは医師志望。「経済学は社会を癒やす学問」と考えてのことだ▼数理経済学でノーベル経済学賞候補に挙げられるほどの成果を挙げた頭脳は、社会・経済の病理に苦しむ人に向けられた。その深い洞察力が認められ、ローマ法王の助言役を務めたこともある▼生活の糧の海を大企業の利益のため汚され、健康と命を「換金」させられた水俣の人々や、国策による開発で先祖伝来の地を「換金」させられた人々…。そういう人たちの心が救われるまで「日本経済の貧困は解決できない」と言っていたそうだ▼経済とは、経世済民。世をおさめ、民をすくう。言葉の本来の意味の経済学者だった。
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